HOME記事キャラクターモデルダグラム最新キットをハングライダー脱着可能に! 新造パーツとウェザリングで仕上げたこだわりの作例をご覧あれ『太陽の牙ダグラム』【サンライズ特集2024】

ダグラム最新キットをハングライダー脱着可能に! 新造パーツとウェザリングで仕上げたこだわりの作例をご覧あれ『太陽の牙ダグラム』【サンライズ特集2024】

2024.04.19

コンバットアーマー ダグラム ハングライダー装着タイプ【マックスファクトリー 1/72】 月刊ホビージャパン2024年5月号(3月25日発売)

頭部キャノピーを形状変更&派手なウェザリングで往年のイメージを追求

 言わずとしれた高橋監督の代表作『太陽の牙ダグラム』。主役のダグラムは、近年マックスファクトリーからさまざまな仕様でプラキット化されている。現時点での最新バリエーションキットは、2023年末に発売された上写真のハングライダーを装着したタイプだ。第72話「英雄奪回」にのみ登場した空飛ぶダグラム、マニアックなモチーフすらプラキット化されているところに人気の確かさを感じずにはいられない。今回の作例はダグラムバリエーションの充実を祝し、ハングライダー装備とフル装備仕様の両パーツをまつおーじが製作。合わせて頭部キャノピーとミサイルポッドの新造など、こだわりをもって形状を微調整している。

太陽の牙ダグラム

1981年10月23日~1983年3月25日テレビ東京メカニカルデザイン/大河原邦男

 高橋良輔氏のロボットアニメ初監督作。作中に登場するコンバットアーマー(CBアーマー)と呼ばれる人型巨大兵器たちは、ヘリコプターのような風防で顔が構成されたソリッドなデザインで統一されており、それまでのヒロイックな意匠を重んじるロボットアニメとは一線を画している。ストーリーも秀逸で、植民惑星デロイアの独立を巡り反体制派ゲリラが主役メカ・ダグラムを駆って激闘を続ける一方、政治家たちが高度な駆け引きを行う場面が同時進行で描かれるという、子供向けアニメの枠に囚われない重厚なドラマを展開。そうした取り組みが高く評価された結果、本作はロボットアニメとしては異例の1年半、全75話にもおよぶ壮大なストーリーを紡ぎきった。

コンバットアーマー ダグラム
全高/9.63m
全備重量/23.983~30.436t
▲ゲリラ部隊「太陽の牙」のひとり、クリン・カシムの愛機としてデロイアを駆け抜けたCBアーマー・ダグラム。序盤は圧倒的な性能を発揮したダグラムだが、対する地球連合軍も続々と高性能CBアーマーを投入。それに応じるかたちでダグラムも段階的に強化されていく。23話でターボザックを背面に搭載。さらに、60話で右側頭部に9連装ミサイルポッドを追加装備。ヤクトタイプと通称される本形態で最終局面を戦い抜いた
▲岬の突端に立つ別荘に囚われていたサマリン博士を奪回するため、太陽の牙は夜間隠密作戦を展開。突貫で用意されたハングライダーを背負い、ダグラムは海風を受けながら静かに飛び立つ…。番組終盤、たった1話のみ登場したレアなモチーフながら、放送当時にタカラが、2023年にマックスファクトリーがプラキットをそれぞれ発売している。今回のマックスファクトリー版は片翼だけで約22cm、本体と両翼を合わせれば50cm近くにもおよぶ巨大な翼パーツを同梱。マックスファクトリーからは先行して1/72ラウンドフェイサーのハングライダー装着タイプもキット化されているが、そちらとは翼の形状が微妙に異なるため、新たに作り起こしている点にメーカーのこだわりを感じる
▲翼の大きさはこんな感じ。月刊ホビージャパンの縦幅29.7cmをゆうに超えたサイズとなる
▲キットはターボザックごと交換するかたちでハングライダーを背部に取り付けるが、作例ではハングライダー用のターボザックパーツを基に、側面の取り付け部位を切り欠いて翼を脱着できるように加工。翼を外したところへ通常時の側面ブロックとリニアカノン基部を取り付けできるようにした
▲ハングライダー装備の場合、左肩のリニアカノンは非搭載となる。72話のみに登場したCBアーマー・サバロフAG9ニコラエフには右側頭部の9連装ミサイルポッドで応戦していた
▲助走をつけて飛翔! ハングライダーの翼は厚みのある形状だが、バキュームフォームで真空成型されているためかなり軽量。リアヘビーな見た目ながらしっかり自立できるように調整されている。飛行シーンで飾る場合は別売のTHEシンプルスタンドが便利だ
▲キット付属のダグラム本体は2021年に発売されたアップデートVer.に準じている。頭部、リニアカノン、太モモが2013年発売の旧版から大型化、さらに9連装ミサイルポッドが新規付属。作例では頭部キャノピーを自作し、好みの形状に変更している

▲0.4mm透明プラ板の箱組みで新造したキャノピー。キット付属のものよりも正面窓枠が大型化、往年のタカラ版1/72 SAKのような無骨さを感じる顔つきに。操縦席に座るクリン人形は素晴らしい出来なので、無改造のまま塗装して仕上げた

▲リニューアルVer.のリニアカノンは従来キットよりもひと回り大型化しており、迫力が増している。砲身を掴む形状のハンドパーツも造形されているのがうれしい
▲劇中ではジャンプを多用して敵機を翻弄していたダグラム。もちろんキットも各関節の可動範囲が広めに取られているのでジャンプポーズを楽しむことができる
▲頭部の工作。0.4mm透明プラ板と、窓枠の0.1mmプラ板を貼り重ねた自作キャノピーの層構造がわかるだろう。ミサイルポッドはプラ材で好みの大きさに自作。頭頂部ブロックは真鍮線でつないで塗装後に後ハメできるように加工。アンテナはギターの弦(!)に交換
▲ターボザックはハングライダー装着用に新規で金型が彫られたほうを使用。前後の合わせ目を接着して埋め、リニアカノン基部や側面パーツは真鍮線接続+C字に切り欠いたダボで脱着できるようにした
▲胸部の後ハメ加工。腹部の紺色部分(パーツA1、A2)は上部の突起を切り欠くと胸部パーツD5、D4に後ハメできるようになる。肩関節付け根から肩関節軸が見えるので、市販パーツのリングを接着して軸隠し兼ディテールアップ

■マジでうれしい!
 サンライズメカ特集にまさかダグラムで参加できるとは、うれしすぎでございますよ。キットはハングライダー装備タイプで通常のターボザックとグライダー装備が選択式になっているのですが、編集部のオーダーは「差し替えでどちらも楽しめるように」とのこと。ダグラム本体はキャノピーの形と9連装ミサイルポッドの位置が気になります。キャノピーは上手く設定画を再現しているのですが、僕のイメージとはちょっと違うんですよね。ロボットは顔が命ですから、ここはこだわっていきましょう。ターボザックは合わせ目さえ気にしなければ組み替えできるのですが、消すとなるとなかなか大変ですよ。では解説!

■工作
 まずはキャノピー。キットのものは正面のヒケが気になったので思い切って作り直しました。0.4mm透明プラ板を箱組みし、窓枠は0.1mmの短冊プラ板を貼り付けています。キットのミサイルポッドはターボザックから伸びるパイプと干渉するためかなり前側に飛び出しています。まずは単純にポッドの干渉する部分をカットしてみたのですが、ポッドの長さが短くなってイマイチだったのでポッド自体をプラ材で作り直し、取り付け軸の位置も変更。合わせてパイプの位置を頭の後ろ側にくるように変更し、できるだけ干渉しないようにしました。
 脚部の可動範囲を広げるため太モモの上部を削り込み。ヒザ関節にプラ板をはさんで延長。ターボザックはグライダー用のものをベースに、側面ブロックとリニアカノンの基部を脱着できるようにプラ材でホゾを製作。グライダーは取り付け穴をC字に開口し後ハメできるようにしました。左手甲部のチェーンガンは真鍮パイプに置き換え。拳はロボマニを使用。

■塗装
 太モモや前腕のシルバーが劇中では白いんですよね。ここは銀色が好きという諸兄も多いと思いますので、白にも見えるパールシルバーで塗りました。いい色になってお気に入りです。下地はメカサフ スーパーヘヴィで自作のテンプレートを使って白で斑を塗装。各基本色を塗ったあと、斑が少ないところは一段明るい色で斑塗装。ウェザリングはMr.ウェザリングカラー シェイドブラウンでウォッシング。同色でチッピングを書き込み。エッジ部はエナメル塗料のダークグレイで当時のイラストにあるような剥がれを書き込みました。
紺=326番ブルー FS15044の上にダグラムカラー アイアンブルーで斑塗装
シルバー=ガイアカラー パールシルバー
赤=ガイアカラー プレミアムレッドにダグラムカラー レッドでグラデーション
ターボザック=ダグラムカラー グレーグリーン
リニアカノン=ダグラムカラー ライトグレーグリーン

マックスファクトリー 1/72スケール プラスチックキット“COMBAT ARMORS MAX”

コンバットアーマー ダグラム ハングライダー装着タイプ

製作・文/まつおーじ(firstAge)

この記事が気に入ったらシェアしてください!

ⓒサンライズ

まつおーじ

オススメの書籍

月刊ホビージャパン2024年5月号

ご購入はこちら

サンライズ・メカニック列伝 ダブル・リバイバル編

ご購入はこちら

ホビージャパン ヴィンテージ Vol.9

ご購入はこちら
PAGE TOP
メニュー