新しいプラ材で「スクラッチ」しやすさ大幅アップ!
ウェーブといえば、プラキットだけでなく工具・マテリアルのラインナップも豊富なメーカーで、とくにプラ材はパーツを自作するときに役に立つアイテムが多く揃っています。そんな充実したプラ材に、新しい種類のマテリアルが加わりました。今回は、その新しい素材はもちろん、おなじみの目盛付きプラ=プレートなどを使って、“スクラッチ工作”を楽しんでいきましょう。
101 Product_name Plastic plate & Plastic pipe
解説/けんたろう、月刊工具スタッフ
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新しいプラパイプ(細長丸、正方形、長方形、ハーフ)が4種追加!
外径サイズ(サイズ:mm)
細長丸 | 3×6 | 4×8 | 5×10 | 6×12 | 7×14 | 8×16 |
正方形 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 |
長方形 | 3×6 | 4×8 | 5×10 | 6×12 | 7×14 | 8×16 |
ハーフ | 1.5×3 | 2×4 | 2.5×5 | 3×6 | 3.5×7 | 4×8 |
プラ=材料【グレー】 細長丸パイプ、正方形パイプ、長方形パイプ、ハーフパイプ
●発売元/ウェーブ●各528円、発売中
新たにプラ材として加わったのは4種。どれも厚みが0.4mmと薄い中空のパイプです。サイズが6種類あり、一回りずつ大きくなっていて、前後のサイズにピッタリはまります。※細長丸と長方形は長辺側に若干のスキマができます。
プラ=プレートも装いが新たになっています。厚みが0.3、0.5、0.8、1㎜の4種、無地と2種の目盛(ホワイト、ブルー)付きタイプがあります。目盛付きはサイズ把握や水平垂直の切り出しに便利で、スクラッチのお供として人気です(B5サイズ、2枚入、各528円/無地、各638円/目盛付)
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▲ プラパイプを切断する際はナイフでぐるっと一回りに切り込みを入れていきましょう。切断面が斜めにずれないように、マスキングテープを巻いておくのがおすすめです。ある程度切り込みが入ったらパキッと折ってもいいですし、刃が通るまで切り込み続け、つぶさないように切断します
▲ 今回は薄いタイプですが、ノコ刃での切断も問題ありません。こちらも刃がブレないようにテープでガイドを作っておきましょう。力を入れすぎずにノコを動かします
▲ ノコ刃の場合、断面が少し荒れますが、形を崩さずに切断できます。切断面もズレにくいため、斜めに切断するならノコのほうが正確に切ることができるでしょう
▲ 切断後は切断面をキレイにするために、ヤスリをかけます。形が変わらないように、あくまで軽くにとどめます
ニッパーでの切断は×!
薄いパイプ形状なので、力のかかる切断ツールを使うとつぶれて変形してしまいます。そのため、切断にはノコやナイフなどを使用し、力をかけずに優しく切断してください
使い方いろいろ新プラパイプ技をピックアップ
フタをするだけでもパーツになる!
プラ用接着剤でも、瞬間接着剤でも簡単に接着可能。端にフタをするだけでも一気にパーツ感が出てきます。サイズの違うパイプと組み合わせればフタになるパーツや段差のあるディテールにも使用できます
ポリキャップをカバー
正方形パイプの中央部分にドリルで3mm穴を開け、半分に切断します。ここにポリキャップをはさんで再び接着。すると簡単にポリキャップにピッタリのカバーができ、ポリキャップ部分も塗装できるようになります
ハーフパイプは活躍どころ満載
平面に並べるだけでもシリンダーのような表現ができたり、内側のラインを使えば、円形パーツの曲面にピッタリ合わせたパーツを作ることができます
中空を活かしたパーツへの応用
厚みが0.4mmと薄いので内部を活用しやすく、剣の鞘などにピッタリ。サイズ違いの長方形パイプを柄にすることでピッタリと収めることができます。長方形に限らず、ボックス形状を活かしたパーツの収納に最適です
サイズ違いを活用したスライドギミック
スリットを入れた大サイズのパイプと、ハンドルをつけたひとつ下のサイズのパイプを組み合わせるとスライドさせることができます。さらにもうひとつ下サイズのパイプでスライドギミック端のフタ(兼ガイド)を作ればスライド時にスリットから見えてしまう空間もカバーできます
プラ=プレートとプラパイプの形状を活用してスケールモデルに追加パーツを製作
How to use
▲ プラ=プレートとプラパイプの組み合わせで面白くて効果的なのがまず追加装甲です。目盛付きプラ板に鉛筆を使って4mm幅の同サイズの長方形を描きます
▲ ガイドに従って切っていき、同じ形の複数の短冊を製作。強度確保のためにそれぞれに2mm棒を通す穴も開けておきます
▲ 長方形パイプを外枠にとし、底辺になるプラ板とL字に組んだら、短冊のプラ=プレートを2mmプラ棒を通しながら接着していきます。接着していく幅の固定に長方形のパイプがちょうどよくガイドにも使用しています
▲ プラパイプが大きさのある長方形なので造形に使用しやすく、かつ中空なので軽く仕上がります。追加したときの重さが気にならないのがいいところです
▲ スラット装甲が完成しました。外枠に使用したプラパイプが簡単に切断できるのでサイズを合わせつつ製作できるのが良いですね
▲ このほかにも単にプラ=プレートを貼り付けるだけでもアーマーになります。次は目盛付きプラ板でサイズを合わせて切り出します
▲ シャーマン戦車には車体横に木の板のアーマーをつけたものがあります。今回はプラ=プレートにノコの歯で横にひっかき、木目のような傷を付けてみます。プラ=プレートのままだとのっぺりしやすいためこうやってテクスチャを付けるのもスクラッチ製作では効果的に働きます
▲ 塗装とスミ入れをすれば完成! 単純な板アーマーから、ちょっと重厚なスラットまで、プラ材を組み合わせればその機体にピッタリのものをあつらえることができます
キャラクターキットにオリジナル武器をスクラッチ
キャラクターキットにはウェーブ「SUPER ROBOT HEROES エストエイル」(6600円、発売中)を使用。こちらでは腕にオリジナルの大型スクラッチ武器を作ってみます。
How to use
▲ まずは同じ長さのパイプを切り出し。マスキングテープで切り出したパイプをくっつければ長さと垂直のガイドになり、切り出しもずれにくくなります
▲ 斜めに揃えて置き、テープで留めればまとめて同じ角度で切り出せます。切断後もまとめたままヤスリをかければキレイに整います
▲ 接続部にはボールジョイント「BJシリーズ(ボールジョイント)」(各220円)と「BJプラサポ」(各330円)を使用。内部にボールジョイントのポリキャップを入れ込んで可動する箇所を作ります。裏から一回り下になるサイズのパイプを入れて接着し位置を固定しておきます
▲ 3mm軸の接続には、正方形パイプに肉厚タイプの丸パイプを入れたパーツを作り、四角パイプ→3mm軸に変換して接続します。この正方形に丸パイプを入れた形状は銃口の表現にも使えそうです
▲ それぞれのサイズ違いに関節を3つ製作して、つなげることで可動するクローが完成
▲ 残りは基部を作ります。六角形に切り出したプラ板をベースに、3つの長方形パイプを接続して立ち上げ。四角のプラパイプがしっかりとした芯材になります
▲ 腕の接続も作っていきましょう。エストエイルの腕は4mm軸なので対応するポリキャップを選択。左右に3mm穴を開けた正方形パイプの端をナイフで切り広げ、ポリキャップを入れて再接着し固定します。0.4mm厚だとちょっと保持力が不安なので、プラ=プレートをで補強して可動の渋みも確保します
▲ 基部と接続してクロー型の腕ができました。こういう派手な武器を作っても、中空なおかげで軽く、ヒジ関節が下がりにくいのも新しいプラ材の魅力です。ここからプラ=プレートで外装を作ればよりかっこよく仕上がるでしょう
まとめ
形状を作る際のまとまった大きさの素材として、また中空を活かして内部に可動を作るカバー素材として、そしてサイズ違いの素材を組み合わせたディテールパーツなど、アイデアがどんどん出きます。中空なのでサイズが大きくなっても軽くて負荷が少ないのも良いところですね。既存のプラ材に加えるとさらなる世界が広がります。ひとつではシンプルで小さなパイプですが、その穴からは無限の可能性が覗いていますよ。
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