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宇宙海賊ガイスター首領「ダイノガイスト」をキットの味を活かした改修で仕上げる【勇者エクスカイザー】

2024.02.20

ダイノガイスト 【コトブキヤ】 月刊ホビージャパン2024年3月号(1月25日発売)

ダークサンダーインフェルノォッ!!

ダイノガイストのメイン画像
エクスカイザーのロゴ

 これまでにもさまざまな勇者シリーズのプラキットを展開しているコトブキヤが、シリーズ初の悪役プラキットとしてチョイスしたのは…『勇者エクスカイザー』(1990)のダイノガイスト! 宇宙海賊ガイスター首領であり、その強烈なカリスマ性と圧倒的な強さで高い人気を誇る巨悪が、30数年の時を経て初プラモ化を果たしたのだ。キットは変形ギミックを廃することで劇中さながらのプロポーションに仕上がり、引き出し関節を多数搭載するなど可動に抜かりはなし。作例は後ハメ加工や細部のディテール調整など大きな手は加えず、キットの素性を活かす方針で製作。悪のカリスマにふさわしい、漆黒の塗装で仕上げた。


ダイノガイストの正面全体画像
▲ 宇宙海賊ガイスターの首領であるダイノガイストは、配下のガイスター四将を率いて地球のさまざまな「宝」を巡り宇宙警察カイザーズと敵対。恐竜モード、ジェット機モード、ロボットモードに三段変形する他、宇宙最強と謳われた実力でグレートエクスカイザーと互角に戦った。連結させることもできる一対のダイノブレードから繰り出す、ダークサンダーストーム、ダークサンダーインフェルノなどの強烈な技を有する
ダイノガイストの背面全体画像
ダイノガイストの頭部の画像
製作途中のダイノガイストの画像

▲ フェイスパーツはフェイス部の凸ダボを切り落とすことで後ハメ加工。頭部の角は本体の白とは別に光沢で塗装。根本にグラデーションをかけて、象牙のイメージで仕上げた。最終決戦をイメージして片側の角を切り落とすのも一興だろう

ダイノガイストの胸部センターブロックの画像
▲ キットは非変形ながら、胸部センターブロック上面には恐竜モード時のキバがモールドされているのが芸コマ。また背負っているジェット機モードの機首断面にもディテールが刻まれている
製作途中のダイノガイストのジェット機モードの翼の画像
▲ 脚部に貼り付くジェット機モード時の翼は、付け根の肉抜きを瞬間接着パテで埋めた
製作途中のダイノガイストのジェット機モードの機首断面の画像
▲ 背部ジェット機モード時の機首断面に、市販パーツを埋め込んでディテールアップ
ダイノガイストのアクションポーズ画像 その3
▲ スネ正面の砲身を引き起こすことでダイノキャノンが展開する
ダイノガイストの素組みと作例の比較画像
▲ 素組み(写真左)と。パーツの色分けがすさまじく、組み立てただけで設定どおりの色合いに仕上がるのは見事の一言。作例はヒジ関節の塗り分けや胸部パネルの2色の金を使った塗り分けアレンジなど、細かい部分をさらに塗り分けて調子をつけている
ダイノガイストの武装パーツの画像
▲ 武装としてダイノブレード×2、ダイノシールドが付属。ダイノブレードの刃はバーチャロンカラー ブレードシルバーで塗り分けた
製作途中のダイノブレードの画像
▲ ダイノブレードの持ち手の部分の合わせ目を消すため、写真のように切り取って後ハメ加工した
製作途中の武装パーツの画像
▲ シールドは黒い部分が挟み込み構造になっているので、センタープレート外周に付いているスリットパーツを切り取って後ハメ加工
ダイノガイストのアクションポーズ画像 その2
▲ ダイノシールドは左前腕部にマウントできる他、持ち手を引き出して手に持たせることも可能
ダイノガイストのアクションポーズ画像 その1
▲ダイノブレードを背中から引き抜き、必殺のダークサンダーストームを放つ! ちなみに胸部パネルは自由に動くため、腕の可動を妨げない
ダイノガイストの2種類の手の画像
▲ ダイノブレードを持つハンドは、可動軸の向きが異なる2種が付属。さまざまな剣戟アクションに対応している
ダイノガイストの足の裏の画像
▲ 靴の裏にも繊細なディテールが施されている
ダイノガイストのアクションポーズ画像 その5
▲ ダイノブレードはジョイントパーツで連結が可能
ダイノガイストのジェット機モードの機首の画像
▲ 背中のジェット機モードの機首は、キャノピーにクリアーパーツが使われるなど開発陣の意気込みを感じる出来。作例は機首側面に遊びで「DG」のマーキングを入れてみた
ダイノガイストの前腕の画像
▲ 前腕は中途にも可動関節が仕込まれており、深く腕を曲げることができる
製作途中のダイノガイストの手の画像
▲ 手首の軸が見えるのが気になったので、市販ディテールアップパーツを加工した角形のスペーサーを入れて手首の軸を隠した。握り拳は市販の3D出力品のADハンドver.kenに置き換えた
製作途中の腰装甲パーツ裏の画像
▲ 腰周りの装甲裏にはプラ板でディテールパーツを自作して貼り付けた
ダイノガイストのアクションポーズ画像 その4

グレートエクスカイザーを強化せよ!

グレートエクスカイザー用のアップデートパーツの画像

 キットにはオマケとして、既発売のグレートエクスカイザー用アップデートパーツが付属する。差し替え頭部、胴体ライオンの角度のついた鬣パーツ、新規股関節フレーム(股関節にスイング可動が追加)を組み込むことにより、最終回の戦いが再現できるのだ


■はじめに
 コトブキヤより発売されている勇者シリーズ、『勇者エクスカイザー』より、ガイスターの首領・ダイノガイストが発売されました。


 劇中ではロボット(人型形態)、ダイノモード(恐竜形態)、ビークルモード(ジェット戦闘機形態)と三段変形しますが、キットはプロポーションと可動を優先しロボット形態のみでの製品化。コンセプトが明確なぶん完成度は高く、組んだだけで劇中のシーンを再現できるようになっています。今回はキットを活かし、ガシガシ動かした際の塗装剥げ対策として入念な可動部のすり合わせを行ったり、細かな肉抜きを埋めるなど、重箱の隅をつつくような改修で仕上げてみました。


■改修
 胸部センターブロックはダイノモード時の頭部になるのですが、キットは非変形にも関わらずキバのモールドが入っています。ここは設計者の意図を汲み、丁寧に彫り込み塗り分けることで、変形をイメージするような仕上げとしてみました。


 背中に背負っている、ジェット機モード時の機首の断面部のメカディテールは市販パーツを積極的に組み込んでディテールアップしてみました。他の部位はあえてツルツルにしてメカというよりもキャラクター性を強調しているのですが、ここは変形時のギミックがむき出しのままと考え、あえてワンポイント的にディテール密度を上げています。変形時をイメージして機首に入れたDG(ダイノガイスト)の文字デカールも良いアクセントになっていると思います。


 そのほか、ヒザのキバ状ディテールは頭部角パーツと同じように根本に7番ブラウンでグラデーションを入れて象牙風にしてみました。

■カラーレシピ
ホワイト=ボトムズカラー ホワイトグレー70%+ガイアカラー アルティメットホワイト30%
ダークグレー(胸部)=333番エクストラダークシーグレー
レッド=バーチャロンカラー ローズブライトレッド
ブルー=バーチャロンカラー マーズディープブルー50%+ガイアカラー ウルトラブルー50%
ゴールド(濃)=ガイアカラー スターブライトゴールド
ゴールド(薄)=ガイアカラー ブライトゴールド
メカ色=13番ニュートラルグレー
関節(濃)=ガイアカラー ニュートラルグレーⅢ50%+同ニュートラルグレーⅡ50%
関節(薄)=ガイアカラー ニュートラルグレーⅡ
ブラック=ガイアカラー ニュートラルグレーⅤ


■あとがき
 キットは細かくパーツ分けされており、色分けも完璧なのですが、挟み込みのパーツがやや多いため、合わせ目を消して塗装…となるとちょっと下ごしらえが必要ですね。また、関節部は赤や白など軽い色が配色されていますが、今回のようにグレーに置き換えたり、白は白でもワントーン暗い色を関節に使ったりするとグッと引き締まって見えるのでオススメです。

ダイノガイストのアクションポーズ画像 その1

コトブキヤ ノンスケール プラスチックキット

ダイノガイスト

製作・文/ken16w

ダイノガイスト
●発売元/コトブキヤ●10780円、発売中●約16.8cm●プラキット

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ⓒサンライズ

ken16w(ケンイチロー)

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