『勇気爆発バーンブレイバーン』誕生秘話に迫る! 大張正己監督インタビューをババーンとお届け! ブレイバーンの初期デザインやロボへのこだわりも明らかに!【インタビュー前編】
2024.02.29勇気爆発バーンブレイバーン アニメ、立体物情報&大張正己監督インタビュー 月刊ホビージャパン2024年4月号(2月24日発売)
『勇気爆発バーンブレイバーン』大張正己監督がババーンと推参!
私はいつも「ここでスーパーロボットが来い!」と映画を見ながら思ってたわけですよ
『勇気爆発バーンブレイバーン』では監督はもちろん、ブレイバーンデザイン、さらに音響監督まで担当している大張正己氏。まさに八面六臂の活躍をする大張監督に、本作の魅力について語ってもらった。大張監督が「本当に観たかった、本当に作りたかった作品」として世に放たれた本作はいかに誕生したのか? CGアニメのアドバンテージとは? そして、今後の見どころとは? 今もっとも熱いロボットアニメに迫る!(前編)
聞き手/桑木貴章
大張正己 OBARI MASAMI
広島県出身。(有)G-1NEO代表取締役。監督、アニメーター、デザイナー、スーパーバリザー。昨年は『ガンダムビルドメタバース』『境界戦機 極鋼ノ装鬼』の監督を担当。さらに現在絶賛公開中の『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』ではメカニカル作画監督を担当するなど、業界随一の人気クリエイター。ホビージャパンより最新画集『大張正己画集OBARISM』絶賛発売中!
――そもそも企画はどのように立ち上がったのでしょうか?
大張 CygamesPictures代表(兼 Cygamesアニメ事業部 事業部長)竹中信広さんと立ち上げた企画です。約5年前に「ロボットモノを作りましょう」という竹中さんの言葉から企画が始まり、内容を具体的に詰めていく際にライターがいた方が進みやすいのではとなり、シリーズ構成の小柳さんが参加されました。実作業的にはここ3年間ですごいペースで完成へと突き進みました。
――今回、特にリアルロボットとスーパーロボットの融合が印象的でした。放送前のティザービジュアルでは、メカはティタノストライド(以下TS)しか公開されておらず、ブレイバーンの存在は隠されていましたよね。
大張 それは私のアイデアで、視聴者の皆さんには登場人物と同じ目線で作品に没入してほしかったからです。 今の世界と地続きなリアルな世界観で、ミリタリー色の強いロボットアニメに急にスーパーロボットが乱入する感覚ですね。例えば『インディペンデンス・デイ』や『宇宙戦争』、あと『バトルシップ』とかって宇宙人に対して人類が抵抗する物語だと思っているんですが、私はいつも「ここでスーパーロボットが来い!」と映画を見ながら思ってたわけですよ(笑)。もう世界観をぶち破るヒーローってワクワクしますよね。ただ、あくまでブレイバーンもリアルロボット世界から地続きの世界の住人として生きていることを意識して作りました。軍事考証については小柳さんがすごくお詳しい方なので、F-35C、A-10Uなど現代兵器も劇中でしっかり描くことができて、ミサイルひとつに至るまでCGで作ってもらっているんですよ。このリアルな舞台を準備するのが大変でした。ただ、そのおかげでブレイバーンの異物感、エネミーが現れる部分が際立って、面白いシーンとなりました。
――タイトルはどのように決まったのでしょうか?
大張 最初は「ブレイブロボット」とか「大張ロボット」みたいな企画タイトルでした(笑)。「勇気爆発」は竹中さんのアイデアなんです。ある意味、違和感もあって、すごくよかったですね。最初は「えっ?」とも思ったんですよ(笑)。私の中では「BURN OF THE ABSOLUTE BRAVE」のようなハリウッド映画みたいなタイトルを考えていて、そこにいきなりスーパーロボットがドーンと現れるみたいなテイストを想定していました。ただ、「勇気爆発」というタイトルを発表したときは、ティザービジュアルからは全く想像できない単語だったのか物議も起こり、話題になってくれました。竹中さん、さすがですよね。「勇気爆発」は大正解でした。
■ブレイバーン
――ブレイバーンのデザインについてお聞かせください。
大張 ブレイバーンは3DCGで動かすことを想定してデザインしています。また、なるべくパーツの取り外しなしで簡単に変形できる、シルエットが変わるデザインを考えました。
首周りのダクト、ネッククーラーのようなパーツは、実はあの状態でスピーカーなんです。決めポーズ時の「ピキーン」って効果音も自分で出してますから(笑)。エンブレムもブレイバーン本体から展開していて、デザインとしてパーツに組み込まれています。当時の設定画を見ると……もう4年前にデザインしていますね。2020年4月2日、これがブレイバーンの誕生日です(笑)。
――制作当初、大張さんは「ロボは作画で」とのこだわりもあったとお聞きしていますが、CGに対する不安などはあったのでしょうか?
大張 いや、今回は最初から手描きとCGのハイブリッドを考えていました。その割合をどうするかを結構スタッフと話し合って決めましたね。3DCGディレクターの中野祥典さんがすごく優秀な方で、自分が描きたかった画を彼が作ってくれるんです。「こんなの絶対に手描きじゃ描けないじゃん」ってところまで再現してくれて、彼の存在があるからこそ攻めた絵コンテが描けています。
――実際、CGのブレイバーンを見たときは、どう思われましたか?
大張 三面図の設定も描いていたので、その設定に合わせた頭身でちゃんと再現していただきました。ブレイバーンは手の指先も通常のTVアニメのロボとは異なる形状で、センサー系が各部にあります。3DCGだからこそできる精密なデザインですよね。だからこそ劇中でブレイバーンが手を見るシーンなども印象的になったと思います。
3DCGアニメーターの皆さんが作るモーションに関しても、ちゃんと指先まで気を使って作っていただいているところも素晴らしいです。絵が描けるうえで、CGを扱っていることがよくわかりますね。
――ブレイバーンとTSの差別化についてはいかがでしょうか?
大張:それは絵コンテの段階で計算していますね。それこそ1話ではTSの戦闘は戦争映画のようなリアリティで無機質なアクションにしていますが、ブレイバーンは同じ無機質でも生命体で、“魂のあるヒーローロボット”らしいタイミング、パース感で動くことを意識しています。
あとは表情変化。SNSでブレイバーンの口元が話題になっていて、「キモい」なんて声もありましたが、こちらはかわいいつもりで作ってるんですけどね(笑)。猫口“ω”とかニマッとしたやつとか、かわいいですよね? 1話の「乗るんだ」あたりから「キモい」と言われてしまっています……。
――でも印象的なシーンになりましたよね(笑)。
大張 あの登場シーン、本当は敵か味方かわからないイメージだったんですよ。カラーリング的にも、フェイスパーツも謎めいている。でもイサミが搭乗することで、カラーが変わり、フェイスオープンしてハンサムフェイスが現れる。あえて“イケメン”でなく、劇中でも“ハンサム”と言わせてもらっています。ちょっと90年代のテイスト、懐かしい感じですよね。
――ちなみに水中戦でおぼれそうになっていましたが、ブレイバーンは呼吸するんですか?
大張 あそこはちょっとしたギャグです(笑)。小ネタを仕込むことはちょこちょこやっていますね。
――「私の全身の油圧パイプ…」みたいなセリフもありました。
大張 「オイル流れているのか?」っていう(笑)。“燃える血潮”の例えとしてのオイルなので、本当は流れていないですよ。
――5話ではブレイバーンのフィギュア好きが判明しましたね。
大張 男の秘密基地ですね。何でも作れる「超次元3Dプリンター ビルドバーン」が設置されていますが、実はあれも後半の伏線になっています。
前編はここまで!
後編ではキャスティングの裏話や大張正己が音響監督になった経緯、デビュー40周年を迎えての思いをババーンと紹介します!!
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公開は2024年3月1日の20時から!
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