水性ウェザリングペイントで戦車をウェザリング!
スポンジスタンピング&筆で重厚感のある塗装表現が可能
ウェザリングといえば泥、泥といえば戦車。ということで戦車のウェザリング方法も見ていきましょう。そのものズバリ「ガンタンク」を汚してくれたのは、普段はミニチュアペイント界隈でその辣腕を振るっているぷらシバ。彼が使用する塗料はすべて水性塗料なので、週末のリビングモデリングにも最適。さらに、スポンジのスタンピングで基本色を情感たっぷりに描き込めるワザや、水性ウェザリングペイントを活用した汚し表現といった“耳寄り情報”がもりだくさんなのでお見逃しなく!
製作・解説/ぷらシバ
ぷらシバ
月刊ホビージャパンを代表する筆塗りミニチュアペインター。メカからガールズプラモ、ウォーハンマーまで彼の手にかかれば筆一本でなんでも映えます!
水性ウェザリングペイント 6色セット
●発売元/GSIクレオス●2090円(単品あり、各363円)、発売中●6色セット
水性ウェザリングペイントうすめ液(写真右)
●発売元/GSIクレオス●638円、発売中
❶スポンジスタンピング+筆で基本色塗装!
❷水性ウェザリングペイントで泥や汚れを「描く」
❸乾/湿の2種類の泥色を用意しよう!
前回はコチラ!
⑦サビ、雨垂れを描き込む
⑧スミ入れ、フィルタリング、仕上げ
▲水性ウェザリングペイント ベーシックホワイトでパーツ全体を薄く染めてフィルタリング。白い色を薄く全体に被せることで色味の統一と空気遠近法的な効果を狙う。ベーシックホワイトを透きとおるほどに希釈してから筆に含み、いったんキッチンタオルでバウンドさせて含み量を調節する
ワイパー跡を追加してみる
水性ウェザリングペイントは“泥汚し”の近道でした!
水性ホビーカラーと水性ウェザリングペイント、オール水性塗料で仕上げたガンタンクはいかがでしょうか? スポンジスタンピングでわざとムラを作った塗面や、描き込まれた無数のテクスチャーによって、1/144スケールとは思えないリアルな風合いになっていますよね。水性塗料は匂いも優しいので、お茶の間でテレビを見ながらのんびり作業できちゃうのもイージーさに拍車をかけています。
この水性ウェザリングペイントによるお手軽汚しは、ガンタンクはもちろん、マゼラ・アタックやヒルドルブ、ガンタンクR-44…履帯のあるガンプラすべてに応用できるので、気になった人はぜひお手元の履帯付きガンプラで練習してみましょう!
▲肩の120mm低反動キャノン、両腕の40mm4連装ボッブ・ミサイルランチャーは砲口部に煤と熱で焼けた表現を施した
■架空兵器のウェザリングとは?
ウェザリング特集の私のお題はガンタンク。赤青白に黄色と派手めな色、かつ設定上の材質がルナ・チタニウム。こんな戦車、現実には当然存在しないわけで…。さてさてどう攻めようか? と考えつつ組み立てはじめました。
まずはストレートに製作し、さっそく塗装です。サーフェイサーは水性のグレーと履帯にブラックの2色。下塗りとしては全体にワントーン暗めの色を平筆で塗装。2色目の明るい基本色については、ちぎったスポンジをMr.トラの手・持ち手棒で挟んで塗料をポンポンとスタンプして立ち上げていきます。スポンジを当てる角度を変えたり、ちぎり方を変えて同じ面ばかり続けて当てないようにして、狙っているのに狙っていない色ムラや変化を楽しんでみましょう。
■ウェザリング
汚し塗装ですが、まず各部装甲の退色としてイエローやガルグレーをスポンジの尖った部分でエッジ周辺にスタンプし、数や形状、大きさを整えるときに細くまとまる丸筆で描き足したあと、塗膜の剥がれとして退色させた範囲より小さめのファントムグレーを重ねています。ホコリ汚れは薄く全体に上から下に施しますが、雨垂れなどはキズを描いた部分をきっかけとしてスタートさせていくと全体に施すときの雰囲気を掴みやすいと思います。熱が溜まりやすい排熱ダクトのスス汚れや、動くことで砂や泥を巻き上げたり巻き込みながら溜まって落ちる場所としては、車輪と履帯がわかりやすい箇所でしょうか。
サビに関しては、装甲の材質の縛りこそありますが、パイロットやメカニッククルーの熟練度などを考えたり敵兵器の爆発などで付着した鉄粉の混じったホコリなどが食い付くことなどを想定しつつ、オレンジ色を感じさせる雨垂れとかシチュエーションをいろいろ想像する楽しみもありますね。
オマケで、やや大きさを誇張していますが、ワイパーをランナーから自作しました。
今回の工作が、みなさんのプラモ製作のモチベーションが上がるヒントになってくれたり、他の工程と組み合わせてみるなどして自由に楽しんでもらえたりするとうれしいですね。
BANDAI SPIRITS 1/144スケール プラスチックキット“ハイグレード”
RX-75 ガンタンク
製作・解説/ぷらシバ
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