休日のゆったりとした時間に、じっくりとプラモデルを作る楽しみを体感しよう! がモットーの連載企画「ガンプラ凄技テクニック」。懐かしのディオラマ編第9回のテーマは「海辺をつくる」の後半となります。水の表現で最大のポイントとなる透明素材の使い方や、手軽に水をリアルに魅せることができるちょっとした工夫なども合わせて解説していきます。
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講師/林哲平
ズゴックをMSVカラーに塗ってみよう
ジムを塗装しよう
▲ジムは自分の中では前回の「サイクロプス・ハント」の機体と同一という設定なので、基本的に同じ塗装を施しています。ズゴックの腕が貫通する胴体内部は隙間から白い部分が見えてしまうとみっともないので、水性ホビーカラーのつや消しブラックでしっかりと塗りつぶしておきます。ランドセルの内側も忘れず塗っておきましょう
▲ジムの完成状態。ドライブラシでエッジを強調しつつ、リアルタッチマーカーのリアルタッチブラウンでサビ垂れを追加し、前回のジャブロー戦から戦いを重ねて使い込まれた状態としてみました。胸部のダクトなど、入り組んだ箇所が多いためマスキングが難しい当時ものキット地球連邦系MSですが、強めのウェザリング仕上げであればはみ出しをほぼ汚しで誤魔化せるので仕上げが格段に楽になります
崖を塗ろう
▲黒く下塗りしたコルク。これで木の樹皮っぽさはなくなりました。ここから水性ホビーカラーのグレー系塗料で全体にドライブラシを施していきましょう。コルクの凹凸に塗料が乗り、下地の黒が影となり、あっという間に立体的な岩へと早変わりします
海を底上げしよう
▲紙粘土にヒビが入っていたり、不自然な凹凸が入っていると透明素材を流した上からでも結構目立って不自然になってしまいます。指先に水をつけ、紙粘土の表面を溶かし伸ばしながら海の表面をイメージしてなだらかな凹凸をつけていきましょう
砂浜を作ろう
▲砂を撒いていきましょう。砂浜は雪原同様凹凸の少ない地形ですので、月刊ホビージャパン2023年9月号にて紹介した重曹で雪を作る方法と同じ方法で定着させます。水で薄めたマットメディウムを下地に塗り、茶こしで砂を振りかけ、上から水溶きマットメディウムをスポイトで落として固着させていきます
意外と簡単?重曹を使った雪原ディオラマの作り方【週末で作るガンプラ凄技テクニック】
海を彩色しよう
透明素材を流し込もう
波を描き込もう
水素材のリカバリーをしよう(涙)
完成!!
■どんなMSにも対応可能な「崖と海」レイアウト
今回のディオラマは「HOW TO BUILD GUNDAM2」掲載の山田卓司氏よるディオラマ「CRASH ZAKU」のレイアウトをそのままリ再現させていただきました。このレイアウトが優れているのは、上にどんなMSを置いても成立することです。ジンやグレイズなど宇宙世紀以外のMSでもまったく問題ない汎用性の高さは、ディオラマ初心者にとって非常に実現させやすい内容と言えると思います。
■お手軽ながら効果抜群な「水」のディオラマ
ディオラマ表現において、かつて「水」の表現は難しいとされてきました。水は透明ですから、どう再現するか? と多くのモデラーにとって頭を悩ませるポイントだったのです。しかし、現在では透明レジン、エポキシ樹脂、UVクリアーレジン、シリコーンなどの素材が極めて充実しており、むしろどの透明素材を使うかで悩むぐらいとっつきやすいです。キラキラと輝く水はそこにあるだけでディオラマに彩りを与えてくれるもの。ぜひ、水表現をあなたの製作レパートリーに加えてみてくださいね♪
BANDAI SPIRITS 1/144スケール プラスチックキット 量産型ズゴック+ジム 使用
絶海に散る
ディオラマ製作・文/林哲平
© 創通・サンライズ