アルマホビー初の1/48スケールキット「ハリケーンMk.IIc」を名戦闘機にふさわしい歴戦の筆塗りで仕上げる
2024.01.10ポーランドから襲来した1/48最強の暴風(ハリケーン)
1/72スケールのWWIIレシプロ戦闘機の秀作を連発していたポーランドのアルマホビーが、いよいよ1/48スケールに進出。その第一弾キット、ハリケーンMk.IIcは期待以上の素晴らしい出来映えだ。スピットファイアとともに第二次大戦初期のイギリス空軍を代表する戦闘機であるハリケーン、今回モデル化されたのは最多生産型Mk.IIcで、エンジンを強化し20mm機関砲4門を搭載した重戦闘機型。「不死身のタック」こと29機撃墜のロバート・スタンフォード・タックなどのエースたちに愛された名戦闘機にふさわしい歴代最強の1/48キットを、歴戦の筆塗りを駆使して作り上げる!
■ほぼ完璧なハリケーンはいかが
ポーランドのアルマホビーより1/48スケールでほぼ完璧となるホーカー・ハリケーンMk.IIcが発売。Mk.II系は強力なマーリンXXエンジンを搭載することにより、Mk.Iより機首が約114mm延長され大型のラジエターが装着された性能向上型。武装も.303口径機関銃×12門からイスパノ・スイザHS.404 20mm機関砲×4門に変更したタイプ。
■主翼の凸リベットは逸品
まず最大の特徴は、1/72スケールでは再現していなかった主翼のリベットが凸凹で実にリアルに再現され、このモデルの好印象を決定付けていること。コクピット内部の彫刻、脚収納部のディテールも実機同様に再現されている。パーツの擦り合わせは不要でピタリと組み上る。デカールはテックモッド製でエース機3種のマーキングが選べ、考証もしっかりしている。このキットで残念なのは1/72スケールでは付属していたシートベルトなどのエッチングパーツが付いていないことくらいか。細かいことを気にしなければ完成度が素晴らしいキットで、誰しもがよいコレクションを製作できるに違いない。
■マーキングはタックのハリケーン
僕の場合、ハリケーンと言えば有名なロバート・スタンフォード・タック乗機で、本キットのマーキングに決定。付属デカールを使用しつつ汚れた歴戦の機体を筆塗りで再現してみよう。
■よいキットはストレートに組み上げ
作例では気になる箇所をリメイクし完璧に、疑問点を修正しつつストレートに製作。疑問とは機首部分バルジ、エアスクープなどで、バリエーションがありマーキングによって修正が必要となる。アンテナなどは金属に置き換えた。気づいた点は付加工作なりしているので完成写真をご覧あれ。
■ムラのない筆塗りとは
塗装はすべて筆塗り。迷彩基本塗装はGSIクレオスのMr.カラー特色3色セット(361、368、369)をベースに調色。スミ入れ以外のウェザリングまでラッカーで塗装。
塗装後の研ぎ出しなどの修正はできないので、10回ぐらい細い平筆でチマチマと塗りを繰り返し、下地としてのベースを作る。これが大事。さらにデカール処理後に繰り返し濃度変化をイメージで塗り重ねる。「ちゃんと乾燥してから上塗りする」のが最大のポイントかも。
■やはりベスト・オブ・ハリケーン
速攻製作を得意とする人ならば数日で素晴らしいハリケーンコレクションを手にすることができる。それだけストレスレスなキット。個人的には現状レベルですぐにでも1/32スケールでリリースしてもらいたい気分。こうなるとメーカーの次回新作は何なのか気になりますね。
アルマホビー 1/48スケール プラスチックキット
ホーカー ハリケーン Mk IIc
製作・文/有賀和雄
ホーカー ハリケーン Mk.IIc
●発売元/アルマホビー、販売元/ビーバーコーポレーション●15180円、発売中●1/48、約20.4cm●プラキット
有賀和雄(アリガカズオ)
1963年東京生れ。RC飛行機の草分である父の影響で幼少期よりプラモ作りに熱中。もっぱら筆塗りで人生2周目突入。皆様ヨロシク!