『Xボンバー』ビッグ・ダイエックスがMODEROID化! 復元プロップを基にした力強い作例をご覧あれ!
2023.12.21ビッグ・ダイエックス【グッドスマイルカンパニー】 月刊ホビージャパン2024年1月号(11月25日発売)
復元された撮影用プロップを参考にビッグ・ダイエックスを作り込む
1980年放送のスーパーマリオラマ(SF特撮人形劇)『Xボンバー』より、巨大戦闘ロボット「ビッグ・ダイエックス」が衝撃のMODEROID化! 成型色、彩色済みパーツ、シールにより撮影用プロップのイメージを徹底再現。一部パーツ差し替えでブレインダー、ジャンボディー、レッグスターの3機のトリプル・アタッカーへの分離も実現。また引き出し式関節機構などで、劇中をも凌駕する大胆なポージングも可能とするなど、まさに43年目にして初の決定版プラキットが誕生した。作例はリアル視聴世代の只野☆慶が担当。先に開催された「Xボンバー博覧会2022-“きみはXボンバーを知っているか?”」で展示された復元プロップのイメージを作例に落とし込んでいる。
■“きみはXボンバーを知っているか?”
日本でヒットした特撮人形劇といえば『サンダーバード』が代表だが、1980年に純国産の特撮人形劇が民放で放映されていた。その名は『Xボンバー』である。そして2022年10月、アキバCOギャラリーで「Xボンバー博覧会2022-“きみはXボンバーを知っているか?”」が開催された。映像作品および博覧会の詳細については割愛するが、同博覧会を機に復元されたプロップが図録に掲載されているのでそれを紐解きつつ、放映当時の記憶を辿りながら主役ロボ「ビッグ・ダイエックス」を再現しようではないか。
■BIG DAI-X
SF特撮ならではのプロップ(撮影小道具)の存在感はアニメーションのロボットとは一線を画する。図録では撮影用3尺モデル(実寸約1m)製作当時のスチールや、復元新造された状態も収録されているので、この「プロップ」の情報をプラキットに落とし込むことを目標にした。
主な改造項目は次の通り。ブレインダー(頭部)、ジャンボディー(胴体)キャノピーの透明化、レッグスター(下半身)スラスターの透明化、ハンドの改修である。
ブレインダーのキャノピーはフレーム以外をいったん切り飛ばし整形、ミラーフィニッシュを壁面に貼りUVクリアーレジンを塗布、硬化させた。ジャンボディーのキャノピーパーツをシリコーンゴムで半面型取りし、UVクリアーレジンを流し硬化後整形。
レッグスターのスラスターは映像中では発光している。つまりプロップではノズル内に灯体とリフレクターが仕込まれているので、それを再現するために100円ショップで購入した「ダイヤジェルシール・クリア」なるポリスチレン製の透明パーツをノズル内部に埋め込み、UVクリアーレジンでオーバーコート。表面が平滑な状態になり奥行き感が増し灯体っぽく仕上がった。
ハンドはプロップに比較的忠実な形状だが、大きめにアレンジされているので、力強さを優先するために指先端を光硬化パテで加え切削した。
■塗装
下地塗装は濃いグレーサーフェイサー、その上にタミヤのLP-48 スパークリングシルバーを吹き、整髪剤「ケープ・スーパーハード」を要所に面相筆で塗布した。
基本色(モンザレッド、ホワイトFS17875)塗装後にエナメル溶剤を付けた綿棒で擦ったり、デザインナイフ等で物理的に塗膜を剥いだりしてダメージを加えた。スミ入れ、ドライブラシ、ピグメントによる汚し等を加え仕上げていった。
キットには白いストライプが塗装されているが、補完されていない箇所もあるので、改めてマスク塗装を施し、プロップに忠実に行ってみた。また、面単位で色分けを確認すると装甲裏等はグレーで塗装されているので極力同様に塗り分けている。
実写作品特有の面がハッキリしたデザインと細密なディテール、ダメージ塗装はキャラクターモデルながらも独特の実在感があり新鮮だった。『スター・ウォーズ』に代表されるプロップ造形の考古学的検証と通じる部分もあり、実に楽しい製作であった。
グッドスマイルカンパニー ノンスケール プラスチックキット “MODEROID”
ビッグ・ダイエックス
製作・文/只野☆慶
MODEROID ビッグ・ダイエックス
●発売元/グッドスマイルカンパニー●9500円、発売中●約18cm●プラキット
ⓒ 2002ダイナミック企画・エノキフィルム