HOME記事キャラクターモデル「ARTPLA エヴァ初号機」を水性ホビーカラーで筆塗り! 筆のタッチを活かした二度塗りで重厚感のある仕上がりに!!

「ARTPLA エヴァ初号機」を水性ホビーカラーで筆塗り! 筆のタッチを活かした二度塗りで重厚感のある仕上がりに!!

2023.12.16

エヴァンゲリオン初号機「暴走」【海洋堂】 月刊ホビージャパン2024年1月号(11月25日発売)

エヴァンゲリオン初号機「暴走」 イメージカット

プラキットに新生した傑作造形の初号機を水性ホビーカラーの筆塗りで仕上げる

 TVアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』の放送当時に造形師・松村しのぶ氏により造形されたエヴァンゲリオン初号機の名作ガレージキット。それが四半世紀経った今、その造形の魅力を損なうことなくプラキットとしてランナーに落とし込まれた。組み立てるだけでも非常に様になる本キットだが、色を塗る楽しみはまた別格だ。本作例は水性ホビーカラーの筆塗りで月刊ホビージャパンでも大活躍中の清水圭が担当。筆のタッチを活かした塗装で重厚感のある仕上がりとなった。

エヴァンゲリオン初号機 上半身 左側面

素組みでも大満足のプラキットを筆塗りで「作品」へと昇華させる

エヴァンゲリオン初号機「暴走」 素組み状態
エヴァンゲリオン初号機「暴走」 塗装状態
▲薄紫色のきれいな成型色で組み上がる本キットは素組みするだけで大満足のボリュームとなっている。ただ、本キットをさらに楽しむなら筆塗りが非常に適している。清水圭による作例では下地と特色以外を全て水性ホビーカラーで塗装している
ハンドパーツ
▲塗装が不安な人は付属する選択式のハンドパーツでお試しできる

清水式 水性塗料二度塗り法

 一度目

下地

メカサフ ヘヴィ
メカサフ ヘヴィを塗装した状態
水性ホビーカラー(パープル、デイトナグリーン、ブラウン、タイヤブラック) ファレホメカカラー(スチール)
初号機 脚部アップ 一度目の塗装を終えた状態
初号機 左肩部分アップ 一度目の塗装を終えた状態

▲濃い色の塗料をエッジを中心に、薄く軽く筆を乗せる。写真のように下地の色をかなり残すイメージで一度目の塗装は終了

 二度目

ハイライトで立体感を付ける

水性ホビーカラー(すみれ色、オレンジイエロー、よもぎ色、グランプリホワイト) ファレホメカカラー(ダークスチール)

初号機 背中 二度目の塗装を終えた状態
初号機 左側面 二度目の塗装を終えた状態

▲面の中心付近を狙って、一度目の色より明るい色を筆先でスタンプ。ハイライトを入れていくイメージで塗面に表情を付けていく

筆を使ったグラデーション+スパッタリング

水性ホビーカラー(ブラウン、グランプリホワイト) モデルカステンカラー(鮮血レッド)
使徒の腕を持った初号機の手元アップ ブラウンを塗った状態
使徒の腕を持った初号機の手元アップ グランプリホワイトを塗った状態
使徒の腕を持った初号機の手元アップ 鮮血レッドを塗った状態
使徒の腕 塗装前
使徒の腕 塗装後

▲水性ホビーカラー「ブラウン」を塗ったあと、「グランプリホワイト」を薄くランダムに乗せることでグラデーションがなじむ。また、「鮮血レッド」を使ったスパッタリングは紙などで本体を簡易的に保護してから行うとよい

ドロッとした血の表現は鮮血レッド+光硬化レジン

モデルカステンカラー(鮮血レッド)
塗装後のナイフを持った初号機の手元アップ
初号機のナイフ 塗装前

▲モデルカステン「鮮血レッド」を塗り込み、さらにドロッとした表現には光硬化レジンを数滴垂らして硬化させる

水性ホビーカラー(ブラック、グランプリホワイト)
合わせ目にパテを充填して整形した台座
塗装後の台座

▲台座は合わせ目にパテを充填して整形。ホワイト部は水性ホビーカラーの「グランプリホワイト」、黒い部分は「ブラック(光沢)」を薄く塗っている

完成したエヴァンゲリオン初号機「暴走」 背面
▲生々しい表現や硬い骨のような質感、一見淡い色彩ながらも巨人としての重厚感を感じる表現は全て水性ホビーカラーでの重ね塗りで再現され、キットの造形をさらに引き立てる完成度の高い作例となっている
初号機 アップ

■工作
 キットはかなりトリッキーな分割のランナーが満載でちょっと怯みますが、全体的にパーツの合いは良好です。各関節部も大型のダボでしっかり固定されるので、ゆがみなく組み上がります。
 全体的に有機的なディテールが満載なのでベースと本体の一部にある合わせ目はヤスリを使わず、溶剤でゆるめに練ったエポパテを合わせ目に充填し、そこに筆で溶剤を塗りつけてディテールになじませる方法で工作しました。

■塗装
 あくまで初号機をメカとして捉えつつ、外装は少し生体的に仕上げることができるよう塗装を施しました。また、本体とベースに質感の違いを出すことも目指して塗装します。
 下地をガイアノーツ「メカサフ ヘヴィ」で吹いてから下記カラーで筆塗りしていきます。
パープル=水性ホビーカラー「パープル」
グリーン=水性ホビーカラー「デイトナグリーン」
イエロー=水性ホビーカラー「ブラウン」
ブラック=水性ホビーカラー「タイヤブラック」
メタル=ファレホメカカラー「スチール」
筋肉部=下地のまま「メカサフ ヘヴィ」
 エッジを中心に下地のグレーをかなり残すイメージで塗っていきます。生物感のある感じを出したかったので塗り方としては筆先を使ってスタンプするように色を乗せていきます。
 ひと通り塗り終わったら下記2色目を塗っていきます。面のセンター付近を中心に、ハイライトを入れていくイメージで同様に筆先でスタンプしていきます。
パープル=水性ホビーカラー「すみれ色」
グリーン=水性ホビーカラー「よもぎ色」
イエロー=水性ホビーカラー「オレンジイエロー」
ブラック=2色目無し
メタル=水性ホビーカラー「グランプリホワイト」
筋肉部=ファレホメカカラー「ダークスチール」
 ベースの使徒は、ホワイト部は初号機と同じ「グランプリホワイト」、ブラック部は水性ホビーカラー「ブラック」をごく薄く塗っています。
 一度プレミアムトップコート「半光沢」で保護してから全体をタミヤスミ入れ塗料「ダークブラウン」でウォッシング、綿棒で拭き取ります。頭部などのディテールをエナメル塗料で塗ったあと、最後に血のりを追加します。
 モデルカステンからそのものズバリ「鮮血レッド」という塗料が出ているので、新劇場版に倣って赤色の血で塗装します。まず使徒と初号機の質感を変えるため、ベースに鮮血レッドを薄く全体に塗り、ヌメヌメとした質感にします。部分的に濃く塗りこんで変化もつけていきます。手足などには筆を使ったスパッタリング表現で血しぶきも追加しました。特に大量の血を演出したいプログレッシブナイフには、塗りこんだあと光硬化レジンを付着させ「血の垂れ」を表現しました。

海洋堂 ノンスケール プラスチックキット“ARTPLA”

エヴァンゲリオン初号機「暴走」

製作・文/清水圭

ARTPLA エヴァンゲリオン初号機「暴走」
●発売元/海洋堂●7150円、発売中●約23cm●プラキット●原型/松村しのぶ

この記事が気に入ったらシェアしてください!

Ⓒカラー

清水圭(シミズケイ)

オススメの書籍

月刊ホビージャパン2024年1月号

ご購入はこちら

水性塗料筆塗りの教科書

ご購入はこちら

HJメカニクス09

ご購入はこちら
PAGE TOP
メニュー