モンモデルよりビックスケールで蘇った伝説のF1「マクラーレン MP4/4 1988」けんたろうの解説でその魅力を深堀り!
2023.11.131988年シーズンの王者にしてターボ時代のF1を象徴する伝説のマシン、マクラーレン MP4/4がモンモデル初の1/12 F1モデルとして登場。その全貌を、キット解説と作例の二本立てで紹介。今回は、本誌HOW TO記事でもおなじみのけんたろうによるキット解説をご覧いただこう。
畠中浩による作例はコチラ!
マクラーレン MP4/4 1988を日本GP仕様で製作!
– モンモデル 1/12 マクラーレン MP4/4 1988 キット解説 –
16戦15勝、その脅威の勝率93.75%は未だ破られず。MP4/4というマシンは、ターボ時代の最終年1988年に投入され、ホンダ製のエンジンパワーは他を寄せ付けない性能を誇り、モンツァでのイタリアGP。さらにセナとプロストという時代を代表するパイロットが搭乗し、セナはこのマシンで初のチャンピオンを獲得したこともあり、マシン、人、両面で記録にも記憶にも残る伝説の1台だ。そのレジェンドF1マシンが、25年の時を経てモンモデルにより1/12というビッグスケールでプラキット化。ビッグスケールはそのメーカーにとってもフラッグシップモデルになることは間違いなく、その内容は気合の入ったもの。ここではキットの内容を組みながら、モンモデルの1/12F1がどういうキットなのかをチェックしてみよう。
写真・文/けんたろう
モンモデルが突如このスケールのF1に参入を発表したとき、すでに1/12スケールではFordGT40を製作したこともあり、すごいものができてくるだろう期待に胸は踊ったものだった。実際に製品ができたときに、まず驚いたのがパッケージの大きさで、だいぶコンパクトで持ち運びやすいサイズになっていた。しかし中身はとても濃厚で、カウルはデデンと入っているし、この時代のシンプルな外皮をキレイに再現していた。エンジンのパーツはかなり細かく、ギアトレーンのケースパーツぐらいしか大きいものがなかったので、逆にエンジンを含めパワーユニットの全容が見えないレベルだった。
だがハイライトはここからだ。組み立て始めるとこれがスナップ式なことにまずとても驚かされ、そしてパーツがピッタリと合っていくこと、ほとんど合わせ目がないことにも驚いた。シリンダーの内径再現なんていうテクノロジーへのリスペクトなどに笑顔になりつつ、どんどん組み立てが進んでいく。F1のプラキットは塗らないと組み立てが進まないのだが、このパチパチと組む作業は本当に新感覚で気持ちよく、エンジンがあっという間に完成し、さあギアトレーンだと進んでいくテンポのよさは感動ものだった。組みやすいキットは塗装をするのも、その後の組み立ても簡単なのは言うまでもなく、このビッグスケールでこれができるモンモデルの技には脱帽だ。
おりしも1988年から35周年となった2023年。あのときサーキットで最強だったマシンの、夢にまで見たビッグスケールのプラキット。心はマシンに憧れた少年時代に戻り、甘美な時間を過ごすことができるその内容と組み立ての楽しさは、まさに夢のような現実だった。
マクラーレン MP4/4 1988
●発売元/モンモデル、販売元/GSIクレオス●33000円、発売中●1/12 約36.7cm●プラキット