YAMAHA TZR250(1KT)

2021.06.13

TZR250(1KT)【ハセガワ 1/12】 月刊ホビージャパン2021年7月号(5月25日発売)

時代の寵児となった傑作レーサーレプリカ

 80年代のレーサーレプリカブームにおいて、ヤマハがその完成度の高さで世に衝撃を与えたTZR250。すでに多くのメーカーからキットが販売されている名車だが、今年3月にハセガワが最初期モデルである1KTのキットを新規金型で発売。そんな最新キットの素性を活かしつつ、仕上げに定評のある成田建次が作例を担当。純正のエッチングパーツを使用しているので、製作の参考にしていただきたい。

▲ボルトモールドに重なってしまうパーティングラインは、一度全体を削り落して市販のモールドパーツを貼りつけるのが楽。今回はウェーブの角リベットを使用した

▲チェーン引きのモールドはネジ軸のみTopStudioの0.8mmネジの頭を飛ばしたものに置き換え、よりリアル感を高めた
▲フレームはGSIクレオスのSM206スーパークロームシルバー2で塗装

▲タンク内にオイルが充填されてる状態を塗装で表現。ラジエーター液リザーブタンクも同様に塗装した

▲パイプはすべてタミヤのパイピングケーブル0.65mmに置き替え。それに合わせて接続用のピンを0.3mmの洋白線に交換している

▲キットのナンバープレートは0.5mmのプラ板を切り出して自作。取り付けボルト表現に金属リベットを使用
▲ハセガワ純正オプションのエッチングパーツ。今回はブレーキディスクの他にケーブルガイド類が収録されている
▲まずはフロントフォークに取り付く5番のパーツの組み込み。フロントブレーキホースのガイドとなる。エッチングを曲げて1mm角のプラ棒に接着、取り付け用に0.5mm洋白線を仕込む
▲基部を切り取ったフロントフォーク側に0.5mmの穴を開け、パーツを差し込む
▲次に8番のパーツの組み込み。こちらはスイングアームに付くリアブレーキホースのガイド。念のため、裏側にプラ板を貼り付け補強して取り付ける
▲続いてメーターケーブルのガイド(7番)の組み込み。ここはフロントフェンダーに0.6mmの穴を開口、塗装後に接着すればOK。外装パーツに取り付ける際は接着剤のはみ出しに特に注意
▲チェーンに段落ちモールドを追加すべく、まずはガイド治具を作成。1.5mmプラ板に、チェーンがぴったりはまり込むように縁沿いにエバーグリーンのプラ棒0.38x1mmを接着したものを製作
▲ガイド治具に沿ってラインチゼル等のスジ彫りツールで丁寧に彫り込む

▲ブレーキディスクは前後とも3枚を重ねて接着して使用する。ずれないように慎重に接着した後、リューターに両面テープで貼り付け、回転させながら180〜240番程度のペーパーを当てて摩擦痕を付ける

▲フロント側ブレーキディスクのディスク面換装の加工。ディスク面以外のベル部分はキットのものを使用するので切り離す。切り離し方法はフローティングピン部分をピンバイスで開口すればOK。一気に大きな穴を開けるとセンターがずれやすいので、1mm程度から1.7mmまで徐々に広げるとよい

▲インナーチューブにはハセガワミラーフィニッシュを貼って質感を表現
▲各部に塗装を施し、組み立てが完了した前後ブレーキディスク
▲各ファスナー部分は金属リベットに置き換えた。今回はホビーデザイン製のφ1mm〜φ1.2mmのリベットを使用
▲アッパーカウル内側にも実車資料に基づき金属リベットを追加
▲黒いリベットはシモムラアレックのプラ製丸RIVETS PRO φ0.8 に置き換え
▲裏側のモールドも再現されている
▲このスケールでは省略されがちなアクセルワイヤーテンショナーがしっかりパーツ化されてるところにも注目したい
▲デカールの上から、ガラス表現として100円ショップのスマホ画面保護フィルムをポンチでくりぬいたものをスジボリ堂のUVクリアーで接着

 さて、今回製作したのはハセガワの最新キットTZR250 1985年型です。当時本当にレースマシンが市販されたかの衝撃を受けたのを覚えてます。
 実車発売から36年の時を経てこのキットが作れるとは思ってもいませんでした。完全におじさん世代を狙ったキットですが嬉しいチョイスです。じっくり堪能したいと思います。

■キットについて
 今回もハセガワのキットは充分な情報量で、バイクのメカニカルな部分を余すことなく再現した精密なキットとなっています。また2ストロークエンジン特有の大きなオイルタンクやヤマハのバルブシステムY.P.V.S、オートルーブポンプ等の構造も分かるほどの細かい補器類までパーツ化され、組み立てながらちょっとしたエンジニア気分を味わえるキットです。

■製作について
 今回も同社から発売される純正ディテールアップ用エッチングパーツを組み込んでおりますので、ぜひご参考になればと思います。
 細かなディテールまで詳細に再現されるハセガワ製のバイクキットですが、このキットも例にもれずそれら細かいパーツがランナーにぎっしり。繊細なパーツが多いので必要な部分まで切ってしまわないように注意してください。最近のキットは精度もよく総仮組みまで行わなくとも問題なく組みあがるものがほとんどですが、できればユニット単位で仮組みを行いながら進めるのが賢明でしょう。
 今回大きなエラーとしてスイングアームの取り付け巾がフレームの内巾より大きくうまく収まらないことを確認、スイングアームの巾を約1mm程度切り詰めました。
 製作の難所はデカール貼り。ハセガワのスタンダードなものですが、大判なので如何にパーツにフィットさせるのかが腕の見せ所となります。軟化剤への耐性はあまりないようなので、マークソフター原液付けはせず少し水で薄めたもので様子を見ながら進めてください。
 その他、基本的には最新キットだけにパーツの合いも良く組み立てやすい良いキットです。

■塗装について
 フレームのシルバーはGSIクレオスSM206スーパークロームシルバー2を使用しました。おとなし過ぎずギラつき過ぎずこの時代のアルミ表現にちょうど良いです。その他はインストに準拠してしっかり塗り分けを行い仕上げました。
 外装についてのポイントはレッドです。デカールと塗装を併用する仕様になっているためデカールの色味に合わせる必要があるのですが、インストで指定されているGSIクレオス79番シャインレッドで塗ってみるとかなり違う…。デカールの印刷の都合上どうしても同じ色にはならないんですよね。デカールの方が若干濃い赤になってるので、今回はシャインレッドに少しづつハーマンレッドを足して調色したオリジナルレッドで塗装しました。ホワイト部分はGSIクレオスのクールホワイト100%です。
 そしてデカール貼り付け後にクリアーコート。今回はラッカークリアーで行いました、GSIクレオスGX100スーパークリアーⅢを数回塗り重ね充分乾燥させた後に研ぎ出してフィニッシュとしました。

ハセガワ 1/12スケール プラスチックキット

ヤマハ TZR250(1KT)

製作・文/成田建次

ヤマハ TZR250(1KT)
●発売元/ハセガワ●3960円、発売中●1/12、約16.8cm●プラキット

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成田建次(ナリタケンジ)

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