HOME記事ガールズプラモエアブラシと筆塗り併用のススメ!! グラデーションからアイペイントまでシタデルカラーで自由自在にPLAMAXマリを完成させる!!【水性塗料の教科書】

エアブラシと筆塗り併用のススメ!! グラデーションからアイペイントまでシタデルカラーで自由自在にPLAMAXマリを完成させる!!【水性塗料の教科書】

2023.10.22

シタデルカラーは筆塗りだけじゃない! エアブラシ併用で広がる無限の可能性。/真希波・マリ・イラストリアス スカルプターズホワイト【マックスファクトリー】 月刊ホビージャパン2023年11月号(9月25日発売)

エアブラシと筆塗り併用のススメ!! グラデーションからアイペイントまでシタデルカラーで自由自在にPLAMAXマリを完成させる!!【水性塗料の教科書】
塗装したマリ 正面

シタデルカラーは筆塗りだけじゃない! エアブラシ併用で広がる無限の可能性。

“白の真希波・マリ・イラストリアス”をオールシタデル塗りで塗り上げる

 この記事では筆塗りとエアブラシを併用して、シタデルカラーのスペックをフルに活かした作例をご紹介します。使用するキットはマックスファクトリーのガールズプラキット「PLAMAX 真希波・マリ・イラストリアス スカルプターズホワイト」。2011年に発売されたPVCスケールフィギュアをパーツ単位で3Dスキャンし、プラキット化したもの。スカルプターズホワイトは全パーツが白成型となっているので、塗装を楽しむのにも最高のキット。最高の素材と最高の水性塗料で、早速塗っていきましょう。

塗る人/ふりつく

 シタデルカラーをメインで使用するミニチュアペインター。筆塗りだけでなく、エアブラシを使用した繊細な塗装も得意。

使用キットはこちら!
PLAMAX

真希波・マリ・イラストリアス
スカルプターズホワイト

真希波・マリ・イラストリアス 
スカルプターズホワイト 
▲成型色で色分けされた「PLAMAX 真希波・マリ・イラストリアス」とともに発売された、全パーツが美しい白成型でプラキット化されている「PLAMAX 真希波・マリ・イラストリアス スカルプターズホワイト」。そのまま組んで美術館に展示されているような彫刻としてお部屋に飾るもよし、あなただけの色に塗装してもよしと、プラキットとしての楽しみ方が無数にある美少女プラモです

 前編はコチラ!

 シタデルカラーを最大限に活用するポイントを塗装前にチェックしよう!! 

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3 エアブラシ塗装でプラグスーツとフェイスを塗る

素組みのマリのボディ
▲合わせ目などをヤスリがけして消しました。細かなヤスリ傷も消してより美しいプラグスーツにするために、全身グレーサーフェイサーを吹きました
エンペラーズチルドレンをベタ塗りした後
▲エンペラーズチルドレンをベタ塗りして全身ピンクに。隠蔽力がそれなりに強いのでグレーからでもしっかり発色してくれます
フルグリムピンクにラーミアンメディウムを添加した塗料でグラデーション塗装をした後
▲続いてフルグリムピンクにラーミアンメディウムを添加した塗料でグラデーション
フルグリムピンクとホワイトスカーを混色したものに同じくラーミアンメディウムを添加したものでハイライトを入れた後
▲フルグリムピンクとホワイトスカーを混色したものに同じくラーミアンメディウムを添加したものでハイライトを入れていきます

美しいハイライトによる輝き

グラデーションが完成したボディ
▲大まかな部分のグラデーションが完成。可能ならばここでラッカー系のクリアーを吹いてコーティングしておくと後の手順でミスした時にリカバリーしやすいです。ラッカーのトップコートをさっと吹くぶんには、塗膜にダメージはほぼないです

エアブラシ塗装による顔のグラデーション

スクイッグオレンジで顔全体を塗装
▲まずスクイッグオレンジで顔全体を塗装。きれいにベタ塗りしてしまいます
キスレヴフレッシュで顔の輪郭ラインの影を残す様にグラデーション塗装
▲続いてキスレヴフレッシュで、顔の輪郭ラインの影を残す様にグラデーション塗装
スレヴフレッシュにピンクを少し混色し頬に軽くグラデーション
▲キスレヴフレッシュにピンクを少し混色して作った塗料で、頬に軽くグラデーション
ねり消しゴムで上唇をマスキングし下唇だけに色を乗せる
▲下唇にだけ色を乗せます。こういう時にねり消しゴムは便利。簡易的にマスキングして、エアブラシの細吹きで丁寧にグラデーション塗装します
塗装後の顔
▲下唇のぷっくり感が出て自然なリップになります。これで顔のグラデーションは終了です

4 瞳は筆塗りの独壇場! アイペイントにチャレンジ

筆塗りで「白目部分」と「まつ毛のライン」を描き込み、視線決めとして「点」を打つ
▲筆塗りで「白目部分」と「まつ毛のライン」を描き込みます。その後に視線決めとして「点」を打ちます
点を中心に黒目部分を黒く塗り潰す
▲視線が決まったら、点を中心に黒目部分を黒く塗り潰します
目のアウトラインを残す様にアドミニストラムグレーで中を塗り潰す
▲黒目のアウトラインを残す様に、アドミニストラムグレーで中を塗り潰します
シタデルコントラストのウルトラマリーンブルーを使ってシタデルコントラストのウルトラマリーンブルーを使って、下に向かって明るくなる様にグラデーションをかける
▲シタデルコントラストのウルトラマリーンブルーを使って、下に向かって明るくなる様にグラデーションをかけます
黒目の中心に瞳孔の描き込みと、シタデルシェイドのナルン・オイルで目の上部分の影の描き込む
▲黒で、黒目の中心に瞳孔の描き込みと、シタデルシェイドのナルン・オイルで目の上部分の影の描き込みをします
ホワイトでハイライトを入れる
▲ホワイトでハイライトを入れます。これによってより瞳らしくなります
バランスを見ながら眉を描き込む
▲最後にバランスを見ながら眉を描き込めばアイペイントの完成です。顔もラッカーのトップコートでコートしておけば、マジックリンのような台所用合成洗剤で拭き取って修正できます
塗装したマリ 正面

5 細部の筆塗り&エアブラシ塗装

パレットの上で濃度調整
▲シタデルカラーは隠蔽力が強いので、ついついボタッと塗りがち。筆塗りする時は濃すぎない様に、適量の水で溶き少し薄めにして塗るときれいに塗れます
細筆で塗装
▲このように一気に塗ろうとせずに、少し下の色が透けるくらいの濃度で塗ります。完全に乾いたら塗り重ねるを数回に分けて塗ると、ほとんどムラのない塗面となります
エアブラシ塗装1
▲マスキングしてエアブラシ塗装をしたほうが楽な場合は、もちろん切り替えてOK。シタデルカラーの塗りやすさによって、筆塗りとエアブラシ塗装の切り替えがスムーズに行えるからこそ、気軽に切り替えられます
エアブラシ塗装2
▲ラッカーでコーティングしている場合はマスキングなしでグラデーション塗装をして、あとからはみ出たぶんを台所用合成洗剤で拭き取るなんていう裏技も使えます
頭部アップ
▲髪の毛のハイライトはわざと少し平たく潰した筆先を使って筆塗り。イラスト的なよりかっちりしたハイライトを模型に投影してみた
臀部アップ
胸部アップ
▲胸部中央の赤いディテールは、筆塗りで光っている感じにグラデーション塗装を施しています
脚部アップ
マリ 背面

使用した主なカラー

顔/スクイッグオレンジ→キスレヴフレッシュ
髪/ナーガロスナイト+アバドンブラック→ジーンスティーラーパープル
プラグスーツピンク/エンペラーズチルドレン→フルグリムピンク+ホワイトスカー
プラグスーツ細部/黒 コルヴスブラック 青 カントールブルー→ホエスブルー

/ふりつく

 僕は普段から水性塗料を使った模型製作をしているのですが、もともとはメジャーなラッカー塗料やエナメル塗料を使っていました。
 水性塗料との出会いにおいて、ウォーハンマーとシタデルカラーは切っても切れません。かれこれもう10年近く前でしょうか。旅行で東京を訪れた時に、原宿にあるウォーハンマーストアをたまたま見つけて入ったのがすべての始まりでした。
 店内に展示されているサンプルを、店員さんがすべて水性塗料で筆塗りしているという話を聞いて衝撃を受けたのを覚えています。
 また当時はミニ四駆にハマっていたため、柔らかくラッカー塗料が定着しないポリカーボネートのボディにも、シタデルカラーは定着しやすく、その柔軟性のある塗膜にも惹かれ、大阪に戻ってすぐシタデルカラーを取り扱っているショップを探して買いに走りました。
 それからは購入した塗料と一緒にもらったサンプルミニチュアを塗って見事にミニチュア塗装にどハマり。シタデルカラーはラインナップが系統立って用意されており、詳しい塗装手順が公式から用意されているのが秀逸で、この時の経験と知識が今でもとても役に立っています。そんなこんなで他のいろんなメーカーの水性塗料にも手を出し始め、気付けば手持ちの水性塗料がどんどん増えていきました。
 水性塗料の利点は、なんといっても塗りたい時にさっと出してさっと塗れるところでしょうか。ラッカーを使っていた頃はしっかりとした塗装スペースを用意していなかったこともあって、準備と後片付けがとても大変。水性塗料と出会ってからは塗装工程がとても楽しいものになりました。
 さらにいろいろ塗装関係のお仕事をいただく様になってからは、しっかりとした塗装ブースを構えることが出来たので再びラッカー系塗料を使う機会も増えたのですが、最近はラッカーと水性塗料を組み合わせて使うことも多くなっています。水性塗料は他塗料やプラ地を侵すことがほとんどなく、隠蔽力が強いのでマスキングの面倒な細部の塗り分けの強い味方として重宝しています。さまざまな塗料を使う様になった今でも、水性塗料は自分にとってなくてはならない存在なのです。

マックスファクトリー ノンスケール プラスチックキット “PLAMAX”

真希波・マリ・イラストリアス スカルプターズホワイト

製作・文/ふりつく

PLAMAX 真希波・マリ・イラストリアス スカルプターズホワイト
●発売元/マックスファクトリー、販売元/グッドスマイルカンパニー●9800円、発売中●約20cm●プラキット●原型/智恵理(マックスファクトリー)

製品情報はコチラ

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ふりつく

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