タミヤ「1/24 GMA T.50」最速レビュー! 作りごたえ抜群、美しく洗練されたフォルムをご覧あれ!
2023.08.05T.50 GORDON MURRY AUTOMOTIVE
ファンカーという奇抜なアイデアがあまりにも有名な、ブラバムBT46Bやターボ時代の名車マクラーレンMP4/4の生みの親、ゴードン・マレー。そんな彼が「運転する喜びに焦点を合わせた、ドライバー中心のアナログ・スーパーカー」を目指して設計したという自身のブランドGMA初のロードカー、T.50がタミヤのスポーツカーシリーズに加わった。キットはT.50の洗練されたデザインをインテリアやエンジンに至るまで忠実に再現。また、接着剤不要で取り付けられるウインドウ部品や、パーツ分割でボディや内装の塗り分けの手間を軽減するといった、前作フェアレディZ(RZ34)同様、ユーザーの視点に立ったアイデアが盛り込まれた仕様も見どころとなっている。今回は本日(2023年8月5日)発売のこちらのキットを畠中浩が製作。検証の意味も込めてあえて各パーツのクリアランス調整を行わなかったとのっことだが、それを感じさせない美しいフォルムをご覧いただきたい。
ゴードン・マレーと言えばマクラーレンの名車MP4/4を思い出しますが、さらに古いところでは70年代、ブラバム時代のファンカーも有名ですね。車体下面の空気をリアに取り付けたファンで吸い出し、まさしく路面に車を吸い付かせるアイデア。それをそのまま搭載したマレーさん渾身のロードカーがこのT.50。マレーさんが作り上げたマクラーレンF1GTRが大好きな自分としてはこの車は外せない1台なのでキットの発売を楽しみにしていました。では早速作ってみましょう!
■ボディの製作
ボディに限らないのですが、このキットは塗り分けの手軽さを考慮されていてパーツ分割が非常に多いです。マスキング作業が減るのでそちらの作業は楽になりますが、人によってはこのパーツの多さが辛くなるかもしれません。でも全塗装派のモデラーには大歓迎かなと。ボディパーツはモノコックに各パネルを取り付けていくスタイル。そのためスジ彫りを彫り直す必要がなく、若干のクリアランスも考慮されているので今回は検証の意味も込めてクリアランス調整は一切行わず塗装をしてみました。とは言えプラモの宿命であるパーティングラインなどは存在しますからそこはきちんと処理。エンジンフードはガラスパーツの差し替えによりオープン状態に出来るのですが、ここは可動式へ変更。少々スペースが苦しかったので実車のようにダンパーで支えるタイプではなくネオジム磁石で固定しています。
■シャシー
エンジン、コックピットはそれぞれアンダーパネルに固定したものをモノコックへ取り付ける構造です。精度が高すぎるゆえ、エンジンやモノコックを接着する際の微妙なずれ、多量の接着剤を塗布してパーツが伸び縮みするなど、何かしらの要因でシャシーが歪み、ボディ側にきちんと収まらない可能性があります。かく言う自分は組み付けで少々苦労したので、出来るだけ平らな台の上で製作。接着剤はプラ用ではなく2液のエポキシ系を使うほうが安全かもです。それにしてもそれぞれのブロックがその場所にスッと収まる様はクセになる気持ちの良い瞬間でした。
■塗装など
GMA公式が出しているボディカラーの一覧を見るとかなりの色数が用意されているようです。こういう車ですから言えば好きな色にしてくれるでしょうけども(笑)。その中にデイトナブルーと言われる車両があり、すごく気に入ったので実際の色味は分かりませんが、その写真に似せた好みの色合いに調色した塗料で塗装、極薄のウレタンクリアーで仕上げています。月刊ホビージャパン誌面でキラキラがよく見えるようガイアノーツのシルバーをベースにしてGSIクレオスの色ノ源シアン、マゼンタ、クリアーブラックを混ぜています。話題になったスプリングパーツなどは今回参考にした車両のブレーキキャリパーが黄色だったので、それに合わせて話題になった1発抜きのスプリングやエンジンのカバーなどは黄色で仕上げました。付属のエッチングパーツは1000番の紙ヤスリで軽く傷を付け、ミッチャクロンを塗装してからフラットブラックで塗装しています。
■最後に
複雑な形状のパーツがきっちり組み上がるのはとても気持ちが良いです。ただ、そこに微妙な誤差が生まれると組み立てが途端に上手く行かないこともあるので、組み立て途中の仮組みが重要になりそう。これは積まずにぜひ作ってほしいと思うキットでした!
タミヤ 1/24スケール プラスチックキット
GMA T.50
製作・文/畠中浩(ももふく模形舎)
GMA T.50
●発売元/タミヤ●5500円、8月5日予定●1/24、約18.1cm●プラキット
畠中浩(ハタナカヒロシ)
毎年6月から始まる花粉症。特に目がやられるのでこの期間の製作は本当に厳しい…。