この夏は恐竜プラモだ! 『ジュラシック・パーク』T-レックスのアクションシーンをディオラマで再現!【 エクスプラス 1/35 ティラノサウルス・レックス】
2023.07.30ジュラシック・パーク【エクスプラス 1/35】 月刊ホビージャパン2023年9月号(7月25日発売)
エクスプラスのT-レックスをさらにディオラマとして盛り立てる
1993年公開作品『ジュラシック・パーク』より、T-レックスが主人公たちに襲い掛かるシーンをエクスプラスが1/35スケールでプラキット化。素晴らしい造形のT-レックスに、発煙筒を焚いてT-レックスの注意を引き付けようとするイアン・マルコム博士も付属、さらに簡易ベースも用意された注目キットである。作例はキットの素材を最大限生かし、より迫力あるシーンとしてディオラマ化。ツアーライド フォードエクスプローラーも添え、より劇中をイメージできる仕上がりとした。
『ジュラシック・パーク』とは?
1993年に公開された恐竜映画の金字塔『ジュラシック・パーク』。マイケル・クライトンの同名小説を原作に、スティーヴン・スピルバーグ監督がメガホンを取った映画史上に燦然と輝く傑作である。デニス・ミューレン、フィル・ティペットにより創り出された恐竜たちは、まさに“そこに生きる本物”のようで、観るものすべてに衝撃を与えた。後に続編が5作品制作され、最新作『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』(2022年公開)を含め全6部作として完結を迎えた。
今から30年前の1993年7月、映画史を塗り替える超大作が公開されました。スティーヴン・スピルバーグ監督作『ジュラシック・パーク』。それまでの映画に登場する恐竜と言えば、ミニチュアを少しずつ動かして、一コマずつ撮影するストップモーションアニメーション技法や、ゴジラのような着ぐるみをスーツアクターが着て演じる技法が一般的でした。しかし、この映画に登場する恐竜達は、ILMが作り出した最新CG技法と、スタン・ウィンストン率いる実物大のメカニカル恐竜達で再現されています。特にILMが作り出したCG恐竜達を劇場の大スクリーンで観た時のあの驚きと興奮は、30年経った今でもハッキリと覚えています。
もう、どうやって撮影しているのか? なんて、そんな野暮なことより、今、スクリーンの中に生きた恐竜達がいる! そして自分もまるで、ジュラシック・パークの中にいるかのような、そんな錯覚さえしてしまうほど。まさにアトラクションライドに乗っているかのような体験ができる、全く新しい新時代の映画でした。この作品以降、次々とCG技術を使った映画が生み出されましたが、本作の衝撃を越える作品は他にないと思います。
さて今回は、エクスプラスから『ジュラシック・パーク』に登場するティラノサウルス・レックスをモチーフにしたプラキットがリリースされたので、このキットを使用して映画のワンシーンを再現してみました。キットはディオラマ風のベースや柵が付属しています。そして、とにかく特筆すべきことは、T-レックスと数学者イアン・マルコムの完成度の高さ! その生き生きとした造形は、とてもプラキットとは思えないほどです。しかも細かく分割されたパーツ群は、まるで立体パズルのようにピタッピタッと気持ちよく組み立てられるのです。もう、ホントに凄いキットです。
そこで、今回は改造などはせずに合わせ目をエポパテを用いて丁寧に処理したあと、時間が許す限り塗装にこだわってみました。さらにタイミングよく、京商から1/32スケールのツアーライド フォードエクスプローラーのダイキャストモデルが発売されましたので、こちらにも登場してもらうことにしました。フォグランプや、サーチライトのレンズをウェーブH・アイズで再現。キャビンをベージュカラーに塗装。ガラスのひび割れはエナメル塗料のホワイトを面相筆で描いてあります。
植物は100円ショップで購入したものをリペイントして使用。ディオラマベースはいつもの木製パネル。地面はスタイロフォームにシーナリープラスターを塗布。T-レックスの足跡は石粉粘土プルミエにて再現しました。高圧線は自前のワイヤー線を使用。最後に雨で濡れた感じを、リキテックス社のグロスポリマーメディウムを筆で丁寧に塗って表現して完成です。
今回、大好きな恐竜のディオラマを担当できて本当に嬉しかったです。
エクスプラス 1/35スケール プラスチックキット ティラノサウルス・レックスプラスチックモデルキット使用
ジュラシック・パーク
ディオラマ製作・文/角田勝成
1/35 ティラノサウルス・レックスプラスチックモデルキット
●発売元/エクスプラス●6050円(通常版)、6600円(少年リック限定版)、7月予定●1/35、約38cm●プラキット
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角田勝成(カクタカツナリ)
キャラクターメカ、怪獣などのディオラマを披露するベテランビルダー。誰にでも分かりやすい構成でシーンを切り取っていく。