“ミキシングビルド”で自分だけの一体を作り上げるには? プロモデラー・林哲平が語る【模型質問箱】
2023.07.16みんなの気になる“模型の質問”に答えます!
読者の皆様からのアンケートはがきやHJ Web、SNS等にお寄せ頂いたご意見やご質問を参考に「気になる模型の質問」のプロモデラー・けんたろう、フミテシ、そしてホビージャパンモデラー陣やメーカー各社様がお答えていきます!
Q.ミキシングビルドをやってみたいけどどこから手をつけていいのか分かりません。
A.ルールは無用。思いのままに作ればいいのです!
いいとこどりで理想のプロポーションを目指したり、自分だけのオリジナルキャラクターを創造したりと、ミキシングビルドの可能性は無限大。そんなミキシングビルドについて林哲平が解説します。
プラモデルの世界において、ミキシングビルドは複数のキットのパーツを使い、一体の作品を製作するテクニックとして認識されています。スケールモデルであれば、人気の機体は複数のメーカーから発売されていることが多いので、例えば戦車なら、砲塔は大きめで迫力のあるZ社のパーツを使い、車体は実車の寸法に忠実なD社のパーツを使うなど、パーツを厳選して自分好みの作品を製作できるのが魅力なのです。また、芸術家であり、モデラーである横山宏氏の「SF3Dオリジナル」のようにジャンルを問わないさまざまなキットを組み合わせ、この世のどこにも存在しなかった、自分だけのオリジナルメカを作ることも可能です。特にキャラクターモデルでは、ガンプラのビルドシリーズや、30MM。フレームアームズやヘキサギアなど、設計の段階でモデラーがミキシングでオリジナル作品を製作することを想定されているキットが増えています。「ミキシングビルド」はプラモデルの用語ですが、これをより遡ると美術の世界では廃品を組み合わせる「ジャンク・アート」やさまざまな絵や彫刻の要素を組み合わせる「アッサンブラージュ」などがあり、元からあるものの形を利用して作品を作るというのは、人がものを作るうえでごく自然なことであると私は思っております。ミキシングビルドはひとつのキットの箱の中だけで作るのではなく、自分のイマジネーションのままに、無限に存在するプラモデルの中から自分だけの一体を組み上げるテクニックであり、現在では特別なものではなく、プラモデル製作において定番のひとつになっていると言えるでしょう。(林)
ニコイチ
使用キットを2個に絞った、基本的なミキシングビルド。成型色なども同じものを使えば、ほとんど無塗装でもまとまった仕上がりになります。
他スケールとのミキシング
1/144と1/100等異なるスケールのキットのミキシング。肩や頭部などを交換することで、模型にパースを効かせてプロポーションなどを自由に変化させることができます。
他ジャンルとのミキシング
同じシリーズや、スケールやキャラクターなどジャンルの垣根を超えてミキシングすると、より作品の幅が広がります。こちらはMODEROIDのオブソリートとウォーハンマーのミニチュアを組み合わせたもの。
オリジナルモデルのミキシング
これまでどこにも存在していなかった、自分だけのオリジナルモデルを製作できるのもミキシングビルドの魅力です。こちらは日用品を組み合わせて製作した作品です。
\ 林哲平氏の「ミキシング」がテーマのムック本 /
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