ジオン公国軍による地球侵攻を再現! 「MGザク Ver.2.0」3機を使用し長徳佳崇がディオラマ製作!!
「HJメカニクス16」より
2023.06.30
本日6月30日発売の「HJメカニクス16」より、一部抜粋して内容をご紹介いたします。長徳佳崇が手掛けるジオン公国軍 第一次地球降下作戦を再現したディオラマ作品、その見所ポイントをHow toをまじえて丁寧に解説。ぜひ最後までご覧ください!
ジオン公国軍 第一次地球降下作戦
宇宙世紀0079年3月1日、ジオン公国軍は第一次地球降下作戦を開始。中央アジア地域に位置する、地球連邦軍バイコヌール宇宙基地を制圧、ついに地球侵攻を開始する。作戦当初はF型を地上用に現地改修していたが、やがてグラナダやキャリフォルニア・ベースで生産された機体が戦場に投入される。
中央アジア地域での侵攻作戦をディオラマで再現する
F型に続いては地上用のザクIIをモチーフにしたディオラマ作例をお届けする。舞台はジオン公国軍の第一次地球降下作戦。中央アジア地域の都市を制圧する様子を、MGザク Ver.2.0(J型)を3機使ってディオラマ化。ザクは3機1小隊編成とし、それぞれ若き小隊長、実戦経験のある年長者の軍曹、初めての実戦となる新米を密集隊形で配置し、ザク小隊の緊張感ある制圧現場を見事に演出している。なお、ザク3機は地球連邦軍の反攻作戦前のため、圧倒的な戦力差があると想定。過度なウェザリングやダメージは避け、クリーンフィニッシュとしている。プラ板と3Dプリントによるリアルで精密なビル群と合わせてお楽しみいただきたい。
鉄筋コンクリートのつくり方
みなさんこんにちは! チョートクです。
HJメカニクスでディオラマ作例を担当する機会が増え、すっかりディオラマ好きになっている私ですが、ありがたいことに今回もディオラマです! MGザク Ver.2.0を3機使用して、ジオン公国軍の第一次地球降下作戦を舞台に製作します。一年戦争の序盤に行われた本作戦は、地球の資源確保を目標に中央アジア地域で展開されました。対MS戦の体制が整っていない地球連邦軍相手に、ジオン公国軍のモビルスーツ、ザクは大した被害を受けず着実に目標地域を制圧していきました。そんなザクがまだ圧倒的脅威を誇っていた時期を再現していこうと思います。
■レイアウトの決定とベース、建物の製作
今回は市街地戦なのでまずは画像検索、マップ検索を行い、建物や街並みのイメージを膨らませます。ザク小隊が周囲を警戒しつつ、コーナーをクリアしてエリアを制圧していくシーンを作ることに決め、方眼紙で作った建物を並べたベースにポーズをつけたザク3機を配置して、いろんな角度から見え方をチェックします。建物の物陰から立てヒザ立ちで射撃姿勢をとる機体の配置を決めたら、後ろに隊長機を配置します。密集隊形でのコーナークリアなので誤射の危険がないように、隊長機は手前のザクの肩に手を当てて別方向の警戒を行います。3機目は単機で別方向の警戒を行い、3機で前方180度をカバーした配置となりました。
ちなみに3機1小隊として、今回はそれぞれの機体に役割を持たせました。若く優秀な中尉の隊長はツノ付きの機体で、武装はザク・マシンガン、ひとりめの部下は部隊の中では一番実戦経験のある年長者の軍曹で、武装はザク・バズーカのみの火力特化型、ふたりめの部下は訓練が終わり降下作戦が初めての実戦。武装はザク・マシンガンとしました。戦争序盤ではあるものの、しっかりとした訓練を受けた兵達なので練度は高めです。
地面にも表情を持たせたかったので、道は奥へと続く登り坂にして起伏をもたせました。
配置チェックが終わったらスチレンボードを使い、一棟ずつ建物を作っていきます。今回も建物はIllustratorで作図、印刷したものを型紙として使用しました。手前の2棟は戦闘の被害を受けているので、破損箇所をペンで下書きし、カッターナイフを使って外壁を切り取りました。破損した床は金属線を入れた石膏板を作り、鉄筋コンクリート板を製作しました。金属トレイにプラ棒で枠を作り金属線を並べたら、アクリルガッシュで着色した石膏を流し込めばOKです。この際に鉄筋を入れないパターンも作っておきます。こちらは細かく砕いて瓦礫として使用します。
■ザク小隊の製作
今回は3機を並行して作ります。MGザクII Ver.2.0は非常に可動範囲も広いのでポージングも無理なく決まり、特別な可動範囲の改造などはありません。武装はミサイル・ポッドを全機に装備させ潤沢な物資感を演出。ミサイルはどうやら下から順に発射するようなので、弾頭パーツを一部カットして一発発射した状態のものも製作しました。
設定画の雰囲気に近づけたかったので、ボディのグリーン2色は調色して作ります。明るいほうのグリーンはMr.カラー605番・外舷22号色をベースに白を追加して淡く。暗いほうのグリーンはMr.カラー320番・濃松葉色をベースに黒を追加して暗めに調整しました。それぞれをプラスプーンに試し吹きして色合いをチェックして機体に塗装しました。フレーム、武装カラーはMr.カラー331番を使用、ヒート・ホークはエヴァカラーダークパープルをベースに使用しました。
基本塗装が終了したらMr.ウェザリングカラーマルチブラックでスミ入れを行い、デカールを貼りました。今回は付属のガンダムデカールも各部に使用しました。胸の01~03は部隊内の番号、シールドの7は所属部隊番号、そのあとの数字は製造番号としました。製造番号は戦争序盤ということで若めの数字にしました。
クリアーコートしたら最後はウェザリングです。今回は勝ち戦なので戦闘による派手なダメージななしで、使用感を演出する汚しとしました。
まずMr.カラー8番・シルバーでドライブラシ、チッピングを入れ、さらに上からタミヤエナメルカラージャーマングレイにてチッピングを追加しました。チッピングは筆、スポンジの両方を使い、エッジに線状に乗せたり、スポンジでスタンプして激しい剥がれを追加しました。
■仕上げ
完成したザク3機に1mm真鍮線を接着したらベースに固定します。脚やヒザが接地した路面はカッターナイフで切れ込みを入れて割れたアスファルトの表現を追加し、あとはひたすらに瓦礫をバラまきます。瓦礫の固定には水で溶いた木工用ボンドを使用。信号機やザク・マシンガンの空薬莢などを配置したら完成です。
BANDAI SPIRITS 1/100スケール プラスチックキット “マスターグレード” MS-06J ザク Ver.2.0使用
ジオン第一次地球降下作戦
ディオラマ製作・文/長徳佳崇
いかがでしたか。「HJメカニクス16」では、「機動戦士ガンダム ジオン脅威のメカニズム」と題し、ジオン公国軍のメカニックを特集。ザク、ドム、グフなどのモビルスーツはもちろん、ビグロなどのモビルアーマー、ワッパ、シーランスなどの機動兵器や、ムサイなどの戦艦まで、ジオン公国軍メカニックを徹底的に掘り下げお届けしております。オトナ世代のガンダムファンから、『水星の魔女』から入ったというご新規さんまで楽しめる一冊なので、ぜひお手に取ってご覧ください!
Ⓒ創通・サンライズ
長徳佳崇(チョウトクヨシタカ)
スケールモデルのほかにガンプラなど、さまざままなジャンルをこなす。最近はすっかりディオラマビルダー。