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臭わない剥がし塗装にチャレンジ!ファレホを使ったウェザリングテクニックをご紹介【水性塗料ペインティングLAB.】

2023.06.16

水性塗料ペインティングLAB. 月刊ホビージャパン2023年7月号(5月25日発売)

臭わない剥がし塗装にチャレンジ!ファレホを使ったウェザリングテクニックをご紹介【水性塗料ペインティングLAB.】
フォルクスワーゲン タイプ2 マイクロバス “1963” 23ウィンドウ 製作途中のイメージカット

ファレホでウェザリング【前編】

チッピングメディウムのここがすごい!

製作・文/むっちょ

 安全、安心、環境にも優しくて高性能だけどまだまだ認知度が低く使っている人も少ない「水性塗料」の可能性をお届けするコーナー。水性塗料に熟知した“水性アクリルボーイ”むっちょがさまざまなジャンルのキットを水性塗料で仕上げます。
 今回はファレホを使ったウェザリングテクニックをご紹介。ラッカー塗料ではお馴染みのウェザリング技法「シリコーンバリアー剥し」を水性エマルジョンのファレホで実践してみます。さらに次回はこちらのワーゲンバスにファレホのピグメントなどを使用してガッツリ汚す手法もご紹介予定。2ヵ月にわたっての前後編構成にてお届けします!

今回使用している塗料

ファレホ メカプライマー ブラック
ファレホ サーフェイスプライマー ジャーマン・レッド・ブラウン
ファレホ メカカラー オフホワイト、ターコイズ

 こんにちは! むっちょです!
 今回は水とアルコール系シンナーを使用した「臭わない! 剥がし塗装」にチャレンジしてみました。突然出会ったチッピング専用マテリアルのフォレホ「チッピングメディウム」と真っ向勝負を挑んできましたので、その一部始終をご紹介いたします。

■ワーゲンバス
 先日はじめて訪れて、衝撃を受けたインスパイア系ラーメン店。これまで食べてきた中でダントツのスープと香りの強い麺が最高で、初訪問の翌日にもう一度行くほどのお店に出会ってしまいました。
 駅から店までの道中に、ワーゲンバスを改造して中に釜を積み、そこで焼いたピザを提供するという、めっちゃオシャレな店発見。2度目の訪問の帰り道、鈍った頭にもう一度衝撃が走ります。そうだ、ワーゲンバスを塗ろう。

ファレホのチッピングメディウムとエアブラシシンナー
▲今回の主役はファレホのチッピングメディウムとエアブラシシンナー。こちらを使ったシリコーンバリアー剥しを行っていく
黒サフの上から濃いめのチッピングメディウムを塗布した画像
▲まずは下地。黒サフの上から濃いめのチッピングメディウムを塗布。ボタボタ垂れてきそうな感じだったので、ドライヤーで急速乾燥
プライマー ジャーマン・レッド・ブラウンベタ塗りした画像
▲乾燥後「プライマー ジャーマン・レッド・ブラウン」をベタ塗りし、5分ほど乾燥させたあと、水で濡らした歯ブラシで大胆に擦り落とす
ツヤ消しのクリアーを吹いた画像
▲しっかり乾燥させてから、ツヤ消しのクリアーを吹いて下地の塗装が完了。チッピングでこの下地が見えてくるのが楽しみ

■チッピングメディウム
 そして届いたハセガワのワーゲンバスのキット。なんとなくクラシックな車だよなぁ、くらいの認識しかなかったのですが調べてみるとなんと、このワーゲンバスは1950年から1966年まで生産されていたらしいです。半世紀以上昔のすごいクラシック! 同じタイミングで手元に届いた「チッピングメディウム」を見ながら「すごい古びたワーゲンバスってちょっと見たくない?」と思い、いざ実践です。

黒サフを吹いたプラ板で剥がれ具合を試している画像1
▲剥がれ具合を試すべく黒サフを吹いたプラ板でテスト。厚く吹き付けた箇所は大胆に剥がれ、薄く吹き付けた箇所は細かく剥がれている
黒サフを吹いたプラ板で剥がれ具合を試している画像2
▲塗膜から浸透してきた水分に反応してチッピングメディウムが剥がれる仕組みなので、濡らしていない箇所は多少擦っても剥がれないのが安心ポイント
ワーゲンバス ボディパーツ正面
吹いた黒サフにマスキングテープを使って粘着力を試している画像
▲マスキングテープの粘着力でも、塗膜が剥がれない。水で湿らせると、筆で軽く擦るだけで雰囲気が出てくるのがおもしろい
基本カラー2色を塗り分けた状態のワーゲンバス
▲マスキングをして基本カラー2色を塗り分けた状態。正面のエンブレムはメカカラーのターコイズで筆塗り

ドライブラシ用の筆でチッピングしている画像
▲水をしっかりめに浸透させ、短く切ったドライブラシ用の筆で軽く擦ってチッピングを施していく
真鍮のブラシでボディを叩いている画像
▲ホワイトの部分のチッピング。色の乗りの都合上厚く塗り重ねたので、筆では塗料が落ちなかったため、真鍮のブラシで叩いて落とす
デザインナイフで調整している画像
▲細かい部分はピンセットやデザインナイフで調整。カッチカチの塗膜の上からでも、浸透の時間を長く取れば、効果を施すことは可能
塗装後のボディパーツ
▲以上で表面の塗料が剥がれて味わいのあるボディが完成。次回はさらに汚しを加えて、ワーゲンバスを仕上げていく

■塗膜の加減で剥がれを調整
 このチッピングメディウム、ファレホの「エアブラシシンナー」や「クリーナー」で希釈し、エアブラシでの塗装が推奨されていますが、筆での使用も可能だそうです。
 薄く塗ったところはより細かく、厚く塗ったところはより激しく剥がれるという特徴があるので、エアブラシを使用してそのあたりを上手いこと調整したほうが、いろいろおもしろい使い方が出来ます。慣れないうちは調整にかなり苦戦しましたが、なんとか思い描いていたチッピングを施すことが出来ました。このあとの加算方式でのウェザリングが楽しみです。

フォルクスワーゲン タイプ2 マイクロバス “1963” 23ウィンドウ

●発売元/ハセガワ●2750円、発売中●1/24●プラキット


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むっちょ

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