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FULL MECHANICS「ガンダムエアリアル」を簡単にグレードアップ! お手軽にカッコよく仕上げてガンプラをもっと楽しもう!

2023.06.01

きみにもできる!! ガンプラ簡単製作法[FULL MACHANICS ガンダムエアリアル編]【BANDAI SPIRITS 1/100】 月刊ホビージャパン2023年7月号(5月25日発売)

FULL MECHANICS「ガンダムエアリアル」を簡単にグレードアップ! お手軽にカッコよく仕上げてガンプラをもっと楽しもう!

 みなさんこんにちは! 初めてガンプラを作るモデラーさんでも安全安心、お手軽にカッコよく製作できるHow toをお届けする「きみにもできる!! ガンプラ簡単製作講座」。今回は注目のニューキットFULL MECHANICS ガンダムエアリアルです! このキットはクリアーパーツやメッキパーツの組み合わせで再現されたシェルユニットが面白く、この記事ではその質感を活かした仕上げを目指します。アンダーゲートの処理やスミ入れはもちろん、設定画のイメージに沿った明るいメタリックイエローの部分塗装や、テトロンシールの貼り方までじっくり解説します! ぜひこのHow toを参考にして、ただ組み立てたものよりも格段にグレードアップしたエアリアルを手に入れましょう!

FULL MECHANICS ガンダムエアリアル イメージカット

使用する工具・マテリアル

ペンチ
デザインナイフ
ピンセット
ガンダムマーカー各種
水性ホビーカラー
タミヤ クリアー
トップコート
マスキングテープ

■工具類
❶プラモデル用ニッパー。初めてガンプラを作るのであれば、スタンダードな両刃のものがオススメです ❷デザインナイフ。ランナーから切り出したパーツのゲートカットに使います ❸ピンセット。ピンセットを使えば小さいシールも簡単につまむことができるので、作業がかなり楽になります
■マテリアル
❹お手軽塗装には欠かせないマーカー各種。リアルタッチマーカーはスミ入れに。ガンダムマーカースミ入れ用は奥まったディテールの塗りつぶし用に。4アーティストマーカーは細部の塗り分けに使います ❺水性ホビーカラージャーマングレー。1/100スケールで白が基調のMSの場合、装甲の裏側を黒っぽい色で塗れば全体が引き締まります。水性塗料なので使いやすくフレームの色にも近いため、汎用性が高いカラーです ❻タミヤスプレーゴールド。ガンプラにメタリックカラーを部分的に入れると非常に映えるのですが、そこで便利なのがメタリック系塗料のスプレー。ランナーごと塗装できますし、筆塗りと違ってムラができにくいです。今回はエアリアルのイメージに合わせた黄色系の金を選んでいます ❼プレミアムトップコートつや消し。水性のツヤ消しスプレーで、きめ細かいツヤ消しの塗面に仕上がるうえ白化しにくく、誰が使っても安定した性能を発揮する優れた缶スプレーです。シュッ! と吹いたときに表面が濡れたようになるぐらいに塗るのがキレイに仕上げるコツです ❽メタリックテープ。FULL MECHANICSのエアリアルにはセンサー類を再現するためのメタリックシールが入っていないため、これを代わりに貼ります。今回は100円ショップで購入したものを使用しました

STEP-1 アンダーゲートを切り出そう

ランナーにつながれたパーツ1
▲FULL MECHANICS エアリアルの白いランナーのゲート部分。ここはパーツの裏側にゲートが設置されており、完成後ゲート跡が目立たない「アンダーゲート」になっています。このパーツを切り出してみましょう
ゲートを切り出す画像
▲まずは普通にプラモデルのパーツを切り出すのと同じように、ゲートを少し残してパーツをランナーから切り離します
残ったゲートをデザインナイフで切り出す画像1
▲アンダーゲートは2度切りでも充分に組み上がりますが、ニッパーだけだと少しゲートが残ってしまい、パーツを組み合わせたときに干渉して隙間が開くことがあります。ここはデザインナイフで丁寧に切り取っておきましょう。合わせ目がピッタリ組み上がりますよ

STEP-2 装甲の裏側を塗ってみよう

ランナーにつながれたパーツ2
▲1/100ぐらいのスケールのガンプラの場合、肩アーマーなど装甲の裏側などが成型色の色のままだと、どうしても全体的にオモチャっぽく見えてしまうことがあります。ここは裏側に影色を塗り、全体をよりリアルに引き締めてみましょう
ランナーにつながれたパーツを塗装
▲水性ホビーカラーのジャーマングレーを筆で塗っていきます。ランナーにパーツを付けたまま塗装すると、わざわざ持ち手を付ける必要が無いので、手早く作業ができます。多少のはみ出しは気にせず、どんどん塗っていきましょう
はみ出た塗料をデザインナイフで削っている画像
▲はみ出した部分の塗料はデザインナイフの刃先で削り落としてしまいましょう。成型色を活かした仕上げならではのテクニックです。手軽ですし、少面積であれば溶剤で拭き取るよりもはるかにキレイに仕上がりますよ
アンクルアーマーの裏側を塗り分けた状態
▲アンクルアーマーの裏側を塗り分けた状態。裏が影の色になったことで、重量感とリアリティがキットのままよりもグンとアップしました。多少色のムラがあっても組み立てれば裏側はほとんど見えなくなるので、全然問題ありません

STEP-3 スミ入れをしてみよう

ガンダムマーカーでスミ入れ1
▲FULL MECHANICS エアリアルの魅力は精密感あふれるスジ彫りなどの繊細なディテール表現です。これをより引き立てるため、スミ入れをしてみましょう。まずはリアルタッチマーカーのグレー1でスジ彫りやディテール部分に書き込んでいきます
はみ出た塗料を指で拭う
ティッシュで拭き取る

▲少しのはみ出しであれば、指先でちょちょっと拭き取るぐらいで大丈夫です。それでも拭いきれない場合はティッシュで拭き取れば問題ありません。特別なものを使わずとも、日常的なごくありふれたものだけで作業ができるのでとってもお手軽です。なので、はみ出しは気にしなくても全然OKです

スミ入れした状態1
▲スミ入れした状態。ディテールに色がつき、全体の印象が大幅にグレードアップされました。白いパーツにスミ入れするときは、黒だとディテールが強調されすぎてくどい印象になりがちですが、リアルタッチグレー1は淡いパープルグレーなので清潔感のある仕上がりになりますよ
ガンダムマーカーでスミ入れ2
▲グレーの関節部はグレー1より色の濃い、グレー2でスミ入れをします。スジ彫りになっている部分以外の段差にピッタリスミを入れるのは難しいので、サッと塗って指先で拭き取り、少し影がついているぐらいでも立体感が格段に上がりますよ
残ったゲートをデザインナイフで切り出す画像2
▲成型色が赤い部分は気をつけて整形していても、ゲート跡が白く変色してしまいやすい部分。ここはリアルタッチピンクでリタッチしてみましょう。成型色よりも色が淡いため、リタッチ部分の色が濃くなることなく、自然に馴染んでゲート跡が目立ちにくくなります
ガンダムマーカーでスミ入れ3
▲胸の奥など、設定では穴が合いていたり、窪みが深いディテールの部分はガンダムマーカースミ入れ用ブラックを使います。ガッツリ影になる部分を真っ黒く塗りつぶすと完成したときメリハリが付きますよ
スミ入れ後組み立てたパーツ
▲スミ入れしたパーツを組み立てていきます。のちの工程で、ツヤ消しを吹いたあとにクリアーやメッキのパーツを組み込むため、ピンを奥まではめ込むのではなく、軽くはめ込んで後から分解できるぐらいに留めておきましょう

STEP-4 テトロンシールを貼ってみよう

テトロンシール
▲キットには細かいコーションマークなどを再現するためのテトロンシールが付属しています。薄くて粘着力が強いため、貼るだけでリアリティが高まるスグレモノです
テトロンシールを水で浸す
水でぬらしたテトロンシールをパーツに貼る

▲テトロンシールは粘着力が強く、剥がれにくいのが特徴です。ただ、粘着力が強いためそのまま貼ろうとすると位置を決めづらいこともあります。そんなときは粘着面に水をつけましょう。これで一時的に粘着力が緩和され、パーツの上でズラせるようになるので位置決めが楽になります。水をつけすぎたときは貼ったあとにティッシュで拭えばOKです。また、ピンセットを使えば、小さいシールでも問題なくつまんで貼りたい部分に簡単にセットすることができます

テトロンシールを貼った状態
▲テトロンシールを貼った状態。位置をピタリと合わせることができました。なお、粘着面に水をつけても粘着力はほとんど変わらないので、段差に跨って貼ったり、よく干渉する部分に貼らない限り剥がれることは少ないので安心してください

STEP-5 メタリックのスプレーでグレードアップ

各ランナー
▲キラキラと輝くメタリックカラーを差し色でちょっと加えるだけで、ガンプラの見映えはグンと上がります。今回は黄色の成型色のパーツをゴールドに塗り、グレードアップしてみましょう。まずはランナーから黄色のランナーを切り離します
タミヤスプレーのゴールドでランナー塗装
▲ランナーに持ち手を取り付けて、一気に塗装する「ランナー塗装」を行います。タミヤスプレーのゴールドを数回に分けて全体に吹き付けます。メタリックカラーは塗料の粒子が重いため、吹き付ける前に100回ぐらい振ってしっかりと撹拌しておきましょう

塗装したランナーからパーツを切り出し
爪楊枝の先を使いリタッチ

▲塗装したランナーからパーツを切り出します。切り出したゲート跡は下地のイエローがむき出しになり、そのままだと完成後も目立ってしまいます。ここは缶スプレーの塗料を紙コップに出し、爪楊枝の先に塗料をつけてチョンチョンと色を乗せてリタッチしておきましょう

ガンダムマーカーでスミ入れ4
スミ入れした状態2

▲ゴールドで塗装したパーツにはリアルタッチマーカーのリアルタッチオレンジでスミ入れをします。リアルタッチマーカーは隠蔽力が弱いため下地のメタリックが透け、スミ入れした部分がキャンディ塗装のように仕上がるため、メタリックパーツのディテールをより引き立てることができるのです

STEP-6 ツヤ消しとパーツの組み立て

トップコートを吹きかけ
吹きかけた後乾かしている状態

▲スミ入れとテトロンシール貼りまで終わったらプレミアムトップコートつや消しで全体のツヤを整えます。パーツのツヤを消すとプラスチック特有の玩具っぽいテカりが消え一気に現実味のある質感になります。ここで注意してほしいのは、先程塗装したゴールドのパーツや、メッキパーツ、クリアーパーツは装着せずにツヤを消すことです。クリアーやメッキ、金属の質感が失われてしまうことを防ぐため、それらのパーツははずしながら、ある程度の部位に分けて持ち手を付けてツヤを消しましょう。スタイロフォームなど、持ち手を保持しておけるものがあると便利ですよ

胴体
▲ここからはツヤ消ししたパーツにクリアーやメッキパーツを組み込んでいきましょう。これはツヤを消した胴体パーツ。軽くダボを合わせているぐらいなので、まずは胸の青いパーツを外していきます
胸部の下側に4アーティストマーカーで塗り分け
細筆で塗り分けた状態

▲胸部の下側のディテールは外装を装着してもかなり目立つ部分です。ここはお手軽にメッキ風に塗装できる4アーティストマーカーで塗り分けてアクセントを付けましょう。マーカーの穂先だけで塗り分けるのは難しいので、一度塗料の穂先を塗料皿やランナータグなどに押し付けて中身の塗料を出し、細筆で塗り分けます。はみ出した部分はデザインナイフの刃先で削り落とせばリカバリーできますよ

シェルユニットを再現した赤いメッキパーツのランナー
▲FULL MECHANICSエアリアルの魅力であるシェルユニットを再現した赤いメッキパーツ。精密なディテールが刻印されていますが、無理にスミ入れなどしなくても、上からクリアーパーツをかぶせるだけで非常に素晴らしい仕上がりとなりますので、今回は手を加えません!
メッキパーツを組んでいく
▲メタリック塗装したパーツ、メッキパーツを組んでいきます。4アーティストマーカーで塗装した部分は塗膜が弱く、触ると指紋が付いたり、手についた塗料が他の部分に付着したりするので気をつけてくださいね
デザインナイフでゲートをカット
▲クリアーパーツを切り出します。クリアーパーツは他のプラスチックよりも硬くてヒビが入りやすく、ゲートを2度切りすると白く変色してしまうことが多いです。こういった繊細なパーツはデザインナイフで丁寧にゲートをカットすると上手くいきやすいですよ
クリアーパーツを装着
▲クリアーパーツを装着します。今回の作り方だと、説明書の順番のとおりに作っているわけではないので、うまくパーツがはまらないことがあります。無理にはめ込もうとするとパーツが破損する恐れがあるので、そういうときは説明書をもう一度読み返して確認してみてくださいね
胴体を組み立てた状態
▲胴体を組み立てた状態。ツヤ消しの外装、メタリック塗装、メッキパーツを内蔵したシェルユニットと、それぞれ質感の違うパーツを使い分けることでメリハリが効いた仕上がりとなりました

STEP-7 ツインアイを輝かせよう

ツインアイ1
▲FULL MECHANICSエアリアルはツインアイが緑色の成型色で再現されています。ここは市販のメタリックテープを使い、より輝く瞳を再現してみましょう
ツインアイ2
ツインアイ3

▲緑色のメタリックテープをツインアイに貼り、はみ出した部分をデザインナイフでカットします。ツインアイの形に沿ってデザインナイフの刃を滑らせるだけでいいので、見た目に反してとても簡単な作業です

ツインアイを組み込んだ画像
▲全体のツヤを消したあと、最後に組み込めば完成です。出来映えを左右するガンダムの顔ですが、ツインアイをキラッとさせるだけで見映えが格段に上がりますよ

完成! FULL MECHANICS ガンダムエアリアル!

 新しいガンダムの1/100キットが発売されるたび、その進化には驚かされます。今回製作したFULL MECHANICSのエアリアル…これは、すごいです。アニメのイメージや設定画を尊重してアレンジを最小限に抑えながら、可動範囲を拡大したり、スケール感に合わせてディテールを追加したり、目を見張るポイントがいくつもあります。そしてなにより、びっくりするぐらい組みやすい!すべてのパーツが色分けされているため、簡単フィニッシュだけでなく、全塗装で作ってもHGのエアリアルより簡単に完成してしまうのではないでしょうか。手をかけたガンプラが完成するのは特別嬉しいものです。ぜひ、作ってみてくださいね!

FULL MECHANICS ガンダムエアリアル 完成画像 正面、背面
素組みとの比較
▲素組み(画像左)を今回作ったガンダムエアリアル(画像右)と並べてみました。ツヤ消しの全身にキラッとしたメタリックやメッキパーツの質感が合わさり、全身がキリっと引き締まった印象を受けます

素組み

素組み状態のエアリアル

作例

作例エアリアル

▲上半身アップの比較です。作例では肩アーマーの裏側を黒に塗ったり、所々に部分塗装を施したおかげで情報量が増え、見映えがグンと良くなりました

FULL MECHANICS ガンダムエアリアル 完成画像
▲FULL MECHANICSのエアリアルは可動域が広いこともオススメのポイントです。今回のように部分塗装で仕上げれば、ガシガシ動かしても安心です

FULL MECHANICS ガンダムエアリアル

製作・解説/林哲平

FULL MECHANICS ガンダムエアリアル
●発売元/BANDAI SPIRITS ホビーディビジョン クリエイション部●4180円、発売中●1/100、約18cm ●プラキット


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©︎創通・サンライズ・MBS

林哲平(ハヤシテッペイ)

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