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アクリジョンで「ザクII F2型」を塗装!! 「ガンプラ筆塗り」のHow toをご紹介!【水性塗料の教科書】

2023.10.11

けんたろう「アクリジョン塗装に挑戦」~目指せアクリジョンマイスター~/RX-93 νガンダム & MS-06F-2 ザクIIF2型【BANDAI SPIRITS 1/144】 月刊ホビージャパン2023年11月号(9月25日発売)

アクリジョンで「ザクII F2型」を塗装!! 「ガンプラ筆塗り」のHow toをご紹介!【水性塗料の教科書】

けんたろう「アクリジョン塗装に挑戦」〜目指せアクリジョンマイスター〜

 GSIクレオスが水性ホビーカラーとともに送り出している水性塗料「アクリジョン」。こちらは水だけでコントロールできるのと、本当に匂いがないのも特徴。シタデルカラーやファレホと同じ仲間に分類されます。しかし、シタデルやファレホよりも少々癖のある塗料になっています。その理由が「筆塗りでもエアブラシでも使える」という二兎を追ったことにあります。シタデルカラーやファレホのように「基本は筆塗りに適していて、薄めればエアブラシもいける」というものではなかったのです。しかしアクリジョンの周辺には「ベースカラー」「エアブラシ専用うすめ液」「リターダー」などが登場し、周辺アイテムの力を使うことでコントロールしやすくなりました。そこで今回は、ライターのけんたろうに、筆塗り塗装でガンプラを完成させてもらいました。その結果をご覧ください!!

塗る人/けんたろう

 プラモがあればハッピーライフ! 月刊ホビージャパン編集部のどんな無茶振りも笑顔で受け止めるお兄さん。月刊ホビージャパン連載「月刊工具」で、毎度新たな工具やマテリアルに触れていることもあり、どんなオーダーが来てもブレない強さを持っています。

 前編はコチラ!


アクリジョン筆塗り塗装はこの4つがポイントだ!

1 サーフェイサーを吹こう

サーフェイサーを吹く
▲筆塗りすると薄い木工用接着剤の膜のように塗り広がるアクリジョン。それをしっかりとパーツに定着させるために、下地塗装は必須。今回は水性サーフェイサーの缶スプレーを吹いた上から筆塗りしました

2 アクリジョンリターダーを準備!

アクリジョンリターダーを加える
▲たった1滴加えるだけ! 塗料の伸びが圧倒的に良くなり、筆ムラも目立ちにくくなります。入れすぎるとビシャビシャになってしまうので、「ほんの1滴だけ入れる」ということを守ってください

3 一度塗りで発色させようとしない!

一度塗りの様子
▲アクリジョンベースカラー以外は、一度塗りではこのように下地が透け透けになります。一昔前の隠蔽力の弱いラッカー塗料を塗っている雰囲気に近いです。この状態でしっかりと我慢します

4 完全乾燥させてから重ね塗りすべし!

2度目の様子
▲完全乾燥してから、2度目に入ります。すると前に塗った塗料に引っかかるように塗料が定着していきます。あとは発色するまでこの工程を続けましょう
ザクⅡ F2型
▲『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』のキンバライト基地にいたザクII F2型をイメージして仕上げました。アクリジョン筆塗りで、ここまでかっこ良く仕上がりますよ!

無臭で快適?? アクリジョン筆塗り

サフはしっかりと乾燥させよう

水性ホワイトサーフェイサーを吹いた後
▲塗料の定着を良くするために、水性ホワイトサーフェイサーを吹きます。サーフェイサーを吹いたら、サーフェイサーが完全に乾燥するまでアクリジョンを塗らないようにします。半乾燥のサフの上に塗ると、アクリジョンがサフの硬化に引っ張られ、ひび割れが生じます。完全乾燥させてから塗る。これは鉄則です。サフを吹いた次の日に塗ると良いですね

筆塗り専用アクリジョンを使います

クリーミーベージュ、薄茶色を混色
▲アクリジョンには筆塗り専用というものがあります。こちらはどちらかというとスイーツデコなどのようにベタッと盛った感じが出やすいように調整されています。これと通常のアクリジョンを混ぜて塗ってみます。希釈は水で行っています

 

2度塗りした状態
▲クリーミーベージュと薄茶色を混ぜたものを2度塗りした状態。2度目でこのくらいまで発色します。このあと完全に乾燥させて塗るというのを2回、合計4度塗り重ねました

リターダーの登場です!

パーツを塗装している様子1
▲こういった込み入ったディテールがある場所は、アクリジョンリターダーで塗料の伸びを良くして攻略します。奥まったところを先に塗り、そのあとに表面を塗り重ねていきましょう

厚塗りにならないところでストップ!

パーツを塗装している様子2
▲下地が若干透けていますが、このあとウェザリングするのでこのくらいで充分! このあとのウェザリング塗料とツヤ消しコートによって、ムラや透けが目立たなくなります

グリーンも筆塗り用アクリジョンブレンドで攻める

グラスグリーン、ミントブルーの混色とよもぎ色、ミントブルーの混色
▲アクリジョンのよもぎ色に、筆塗り用アクリジョンの「グラスグリーン」と「ミントブルー」を混ぜてみました。ミントブルーのほうが鮮やかでイメージに近かったので、「よもぎ色+ミントブルー」を下半身に塗りました

 

脚部を筆塗り
▲筆塗りの楽しいところは、こうやって塊で塗装できること。パーツをばらす手間も省けます

アクリジョン筆塗りで基本塗装完了!

塗装後組み上げた状態
▲塗装後組み上げた状態。とてもきれいに塗装できています。この状態に、Mr.ウェザリングカラーで汚しを加えたのが下で紹介する完成品です。アクリジョンは完成後の塗膜がとっても強固なので、ガシガシ汚せます

君もアクリジョンでガンプラ塗装にチャレンジだ!!

ENTRY GRADE νガンダム、ザクⅡ F2型

/けんたろう

 こちらのテキストでもアクリジョン塗装、特にエアブラシ塗装のポイントをまとめたいと思います。まず塗料の中身をよく攪拌しましょう。底に沈んでいる成分をよく攪拌することで、塗料の性能が発揮されます。
 塗料は「アクリジョン エアブラシ用うすめ液改」で希釈。塗料1:うすめ液0.3を量って混ぜましょう。直接注ぐと比率がわかりづらいので、いったん皿などに置くのがポイントです。うすめ液を足しすぎると塗料の性能がガクッと落ちてしまうので要注意です。空気圧も高めで、0.12MPaくらいで吹くのが良いです。全体に薄膜を付けるように、ふわっとくるみます。アクリジョンは重ねすぎると垂れたり色ムラになるので、あわてず少しずつ塗りましょう。
 乾燥は早く、うすめ液改を用いた塗料でも20分もあればほぼ完全に乾いています。発色しにくい色でも、順繰りに塗っていれば塗っているあいだに最初のパーツが乾くので、上手く回していきましょう。
 エアブラシを吹いていると、先端に覆いのような膜が形成されていきます。そうしたときはアクリジョン用のツールクリーナーを筆にとり、溶かしてあげましょう。ニードルを傷めないように慎重に扱ってください。
 カップの中身を変えるときや簡単な掃除なら水を使って洗浄ができます。カップ内に残った膜状の塗料はしっかりぬぐってあげましょう。作業の最後は、アクリジョン専用のツールクリーナーを使って流路などもきれいにします。
 お次のポイントは「ベースカラー」。アクリジョンの隠蔽力は他の塗料と比べると低いので、それを補助するベースカラーを使いましょう。地色に敷くことで赤や青などは発色しやすくなります。黄色は塗料に混ぜ込むと使いやすくなります。白の場合は下地にベースカラー、そして上塗りも混ぜた色、という2段階のベースカラー活用でいきましょう。
 隠蔽力や塗り方などシビアさが目立つアクリジョンですが、ベースカラーを活かした色ごとの使い方や薄い塗膜を重ねてきれいな塗膜を得ることなど、ポイントを押さえた使い方をすれば鮮やかな色でもしっかりした塗装ができるでしょう。臭いもほぼないので、ミストの飛散にさえ気を付ければ、快適に塗装ができます。また乾燥が早いので、隠蔽力の低さも回数でカバーでき、結果的にかかる時間も長くならない、というのも魅力のひとつでしょう。

ザクⅡ F2型

BANDAI SPIRITS 1/144スケール プラスチックキット“ハイグレードユニバーサルセンチュリー”MS-06F-2 ザクIIF2型 ジオン軍仕様 使用

MS-06F-2 ザクIIF2型

製作・文/けんたろう

HG MS-06F-2 ザクIIF2型 ジオン軍仕様
●発売元/BANDAI SPIRITS ホビーディビジョン クリエイション部●1650円、発売中●1/144、約12cm●プラキット

Ⓒ創通・サンライズ

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けんたろう

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