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ハセガワから1/72スケール大型ザブングルがリリース!精密なモールドをいかしたウェザリング、塗装剥がしなどで使用感のある仕上げに

2023.05.13

「戦闘メカ ザブングル」ザブングル【ハセガワ 1/72】 月刊ホビージャパン2023年6月号(4月25日発売)

ザブングル イメージカット

ハセガワの精密・大型ザブングルを重厚なウェザリングで仕上げる!

 1/72スケールで全高約26cmという、かつてないサイズ感でリリースされたハセガワの完全新規設計ザブングル・タイプ。完成後はかなりの威容となるが、さりとて大味なキットという印象はなく、背部や靴の裏など、あらゆる部分に精密なモールドが彫刻されており、老舗メーカー・ハセガワの矜持のようなものを感じるキットとなっている。作例はキットのモールドを尊重し、土埃のウェザリングや一部塗装を剥がすなどして使用感のある仕上げに。惑星ゾラの荒涼の地に住まうウォーカーマシンらしい「ヤレた」雰囲気を狙っている。

ザブングル 背面
▲ウォーカーマシン形態固定モデルとして可動とサイズを重視して開発された本製品は、精密なメカディテールが全身に彫刻されており、製作中も完成後も眺めていられる逸品だ。各モールドは高精度かつクッキリと彫られているので、作例のようなウェザリング仕上げや、清潔感のある仕上げ方のどちらも似合うだろう
上半身側面
ザブングル ポージング画像1
頭部アップ
▲頭部周辺はモールドが集中しており、見せ場のひとつとなっている。コーション類もフォローしている付属水転写式デカールを貼れば、さらに密度が向上する
月刊ホビージャパンとの大きさ比較
▲月刊ホビージャパンと比較してもこの大きさ。作り応えは抜群!
素組みとの比較
▲素組みと比較。シルエットにはほとんど手を入れていないが、好みで腰タイヤの付け位置を3mmほど下げている
ジロン、エルチ、ラグのフィギュア
▲同スケールのジロン、エルチ、ラグのフィギュアが付属。小粒ながら特徴を捉えた造形が小気味いい。筆塗りで丁寧に塗り分けた
頭部シートに着席したジロンとエルチ
▲着座姿勢の人形も付属し、頭部シートに着席可能。風防を外したり、頭頂部を外して中を覗くことができる
頭部右側面
ブングル・スキッパー
▲ブングル・スキッパーの操縦席も再現。クリアーパーツ製キャノピーの中には運転席が頭部に移動した後の状態がしっかりモールドされている
腕と腰のタイヤ
▲各タイヤはトレッドが立体的にモールドされており、精密感に一役買っている。作例はMr.ウェザリングペースト マッドイエローなどで泥化粧を施した
腹部側面
▲フレームディテールがむき出しという大胆なアレンジが施された腹部側面
背中腰の12気筒エンジン
▲ケレン味たっぷりな、むき出しの12気筒エンジン! 天面の「INOCENT」の刻印が世界観を感じさせてくれる。作例はメタリックカラーで塗り分けた
足のタイヤ
足元アップ

▲走ったり蹴ったりジャンプしたりと、いちばん酷使されているであろう足周りはとくに泥汚れとチッピングを強めに仕上げた

ザブングル ポージング画像2
▲足首の可動範囲は驚くほどに広く、見た目以上に開脚できる
専用ライフルの塗装前と後の比較
▲専用ライフルもフック状パーツが開口されているなど申し分ないクオリティ。合わせ目を消し、丁寧に塗り分けた
股関部アップ
▲股関部にはブングル・ローバー操縦席のディテールがチラリ。股間軸パーツ(N10)が少し強度的に不安だったので1.5mm真鍮線で補強した
ザブングル ポージング画像3
▲ドタドタ走りもなんのその。フルアクション仕様なので派手なポーズも思いのまま!
ザブングル ポージング画像4
▲靴裏にもノズルなどの細かなディテールが刻まれている
ザブングル 正面
▲キットは選択式で、主翼が折れ、前腕タイヤが外れたサブ・ザブングルも組み立て可能
腕部パーツ各種
ヒジ関節アップ

▲ヒジ関節内側カバーの有無はどちらかを選択して取り付けられる。ここはヒジの油圧モーターカバーとなっており脱着可能という「マスターファイル ウォーカーマシン ザブングル」(SBクリエイティブ刊)のアイデアを踏襲している

袖パーツ 素組みとの比較
▲ハンドパーツを差し替えしやすくするため、袖パーツ(D3.4)とポリパーツ(PC12)をプラ材でがっちり固定した
背中の折れた主翼
▲折れた主翼の断面部から構造材が露出している。従来の立体物にはなかった着眼点であり、“飛行機のハセガワ”らしい発想だ
ザブングル ポージング画像5

■はじめに
 ファン感涙のハセガワ製ザブングル! プロポーション、可動の素晴らしさはもちろんのこと、スケールモデルのような繊細なディテールが本当に素晴らしいです。遥か未来の地球に本当に存在していそうなリアル感がたまりません。キットは大満足の内容なので、改造・加工は気になった数箇所のみに留め、塗装にじっくり時間をかけました。
 基本的にカラーモジュレーション技法で立体感を強調し、ウォッシング、ストレーキング、チッピングなどあらゆるウェザリング技法を駆使して、ガソリンとオイルの匂いがしそうなリアル感のある仕上げとしました。

■改造・加工箇所
 頭部下のボールジョイントパーツ(Q29)を軸の長いものに交換し、首を約2mm延長。胸の黄色いパーツ(T1)の段差が気になったので、エッチングソーで丁寧に切り離して高いほうの裏側を削り、高さを合わせました。
 フロントアーマーの赤い3段フィンのパーツ(K10、11)は別パーツ感を出すため、ミゾを彫り込み。上腕は内側と外側のパーツを組んだ時(サブ機にする際に内側パーツを組み替え)に片側だけに分割ラインが出るので、外側パーツ(R1、15)にスジ彫りを施しました。
 かかとのシリンダーパーツ(N25)は、後ハメも兼ねてスネフレームと1mmスプリングパイプでの接続に変更。足首の動きにフレキシブルに対応できるようにしました。正位置ではやや内側を向くようにしています。

■塗装・ウェザリング
 今回はシリコーンバリアーを吹き、塗膜を物理的に剥がす方法でチッピングしています。以下、大まかにですが塗装と仕上げの手順をまとめました。
下地塗装。

シリコーンバリアーをフレーム・タイヤ以外に塗布。

基本色を塗装。

ハイライト部は明るく、シャドー部は暗くのイメージで明るい青と暗い青でグラデーション塗装。黄色や赤も同様に明暗でグラデーション塗装。

チッピング(真鍮ワイヤーブラシや金属ヤスリで物理的に塗膜を剥がす)。

ストレーキング(クリアーホワイトやクリヤーブラウン+ブルーなどで)。

ウォッシング(Mr.ウェザリングカラー シェードブルー+レイヤーバイオレット等)。塗ってすぐにテッシュ等でラフに拭き取り。

スミ入れ(リアルタッチマーカー各種)。繊細な各モールドを際立たせるため丁寧に行いました。

スス汚れ(タミヤエナメル フラットブラックとタミヤ ウェザリングマスターB スス)。腰アーマー、ヒザの赤い部分、背部、スネ裏などに施しています。

ホコリ、土汚れ(タミヤアクリルデザートイエロー、Mr.ウェザリングカラー サンディウォッシュ、Mr.ウェザリングペースト マッドイエローなど)

サビ汚れ(ガイアエナメル 黄サビなど)。

オイル汚れ(ガイアエナメル オイル)関節などに筆塗り。

シルバー(Mr.カラー シルバー(銀))。擦れた金属表現として、つま先など下地を露出させた上からドライブラシ。

■カラーレシピ
青 基本色=WML-01 ウォーカーブルー1
青(明)=白+スカイブルー+ペールグリーン少量
青(暗)=ウォーカーブルー1+コバルトブルー
白=グランプリホワイト
赤 基本色=ピュアオレンジ
赤(明)=キャラクターフレッシュ
赤(暗)=レッド
黄 基本色=イエロー+エヴァイエロー
黄(明)=イエロー+ホワイト
黄(暗)=黄橙色
紺=NC-009 コバルトバイオレット
フレーム=軍艦色(1)
頭部センサー=GXメタルイエロー
 今回、下地は3色で塗り分けました。構成素材が異なると解釈し、青色の下地は茶色味のあるメタリック、白色などはグレー(成型色)、銃やフィンなどはシルバーで塗っています。また、ボディはウォッシングした後のツヤがムラも含めて良い感じだったので、クリアーコートはしていません。フィギュアのみフラットクリアーを吹きました。

■おしまいに
 組んでみて感動しました。こんなキットを長年待ち望んでいました! ハセガワ様、素晴らしいキットをありがとうございました。

ハセガワ 1/72スケール プラスチックキット

「戦闘メカ ザブングル」 ザブングル

製作・文/更井廣志

「戦闘メカ ザブングル」 ザブングル
●発売元/ハセガワ●7590円、発売中●1/72、約25.9cm●プラキット

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ⓒ創通・サンライズ 協力:GA Graphic

更井廣志(サライヒロシ)

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