「ガメラ」プラキット作例2作品!劇中冒頭の渋谷とクライマックスの京都を舞台にヴィネット仕立てで製作『ガメラ3 邪神〈イリス〉覚醒』
2023.04.28ガメラ(1999)【エクスプラス 1/700】 月刊ホビージャパン2023年6月号(4月25日発売)
エクスプラスのガメラプラキットをヴィネット2作で楽しむ
ついにリリースとなるエクスプラス1/700スケールプラキット「ガメラ(1999)」。キットは全高およそ12cmと小ぶりながら、『ガメラ3 邪神〈イリス〉覚醒』に登場したガメラの造形を見事に再現。ガメラの最大の魅力といえる甲羅は1枚1枚別パーツで成型、アゴもパーツの差し替えで口の開閉が選択できるなど、プラキットならではのバリューの高い仕上がりとなっている。作例はこれまでもガメラ作例を手掛けてきた、情景王・山田卓司が担当。キットを2セット用意し、劇中冒頭の渋谷とクライマックスの京都を舞台にヴィネット仕立てで製作している。
エクスプラスの新作プラキット「ガメラ(1999)」です。お馴染みのオーロラテイストのパッケージがボックスアートも相俟って素晴らしい。外装のセロハンを破かないで、ずっと積んでおきたいくらい。これまでの同社のシリーズと比べるとサイズはやや小ぶりではありますが、頭部、四肢ともに巧みなパーツ分割でパーツ合わせも完璧。組み立てが楽しい構成。特に背中の甲羅は主要なヒレがすべて別パーツなところが泣かせます。映画制作に関わった造形チームの標語通り、まさに「ガメラは甲羅が命」。
スタンダード版も口の開閉が選択式なのですが、限定版ではイリスに貫かれた腹甲、背甲パーツ、ガメラ自ら吹き飛ばした右腕のダメージ版、加えて炎のバニシング・フィストのオプションパーツも付属してさまざまな表情が楽しめます。
今回は2セット提供していただいたので、ひとつを口を閉じたノーマル版。また、もうひとつは口を開けてイリス戦後のダメージ状態。満身創痍の身体のまま、来たるべく夥しい数のギャオスに立ち向かう、漢らしいガメラの姿としました。
また、成型の関係で甘くなっている部分はナイフや彫刻刀でモールドをハッキリさせました。パーツの合わせ目消しはGSIクレオスの瞬間接着パテが便利です。
甲羅は黄味の強いグリーン、本体は青味の強いグリーン。腹甲は細かい迷彩柄。小さな眼球は虹彩がイエローで明るいグリーン。瞳孔は0.4mm径のドリルでさらっています。牙や歯、爪、トゲそのものはアイボリーですが、付け根にかなりシェードが入っています。プラキットとしては申し分のない仕上がりなのですが、やはりベースを付けてあげたいところ。オーロラ後期の「MONSTERS OF THE MOVIES」シリーズの「GHIDRAH」や「RODAN」みたいなイメージで、スケールを揃えたディオラマ然としたものより、ディテールを省略された小さなストラクチャーで映画の雰囲気を出すヴィネットを目指してみました。
映画『ガメラ3 邪神〈イリス〉覚醒』のガメラの舞台と言えば「渋谷」と「京都」でしょう。ふたつ作ったうちのノーマル版を渋谷に、ダメージ版を京都をイメージしたベースとしてみました。
エクスプラス 1/700スケール プラスチックキット
ガメラ(1999)
ディオラマ製作・文/山田卓司
1/700スケール ガメラ(1999)
●発売元/エクスプラス●4950円、4月予定●1/700、約12cm●プラキット
エクスプラス 1/700スケール プラスチックキット
ガメラ(1999)
ディオラマ製作・文/山田卓司
1/700スケール ガメラ(1999)少年リック限定版
●発売元/エクスプラス●5500円、4月予定●1/700、約12cm●プラキット
© KADOKAWA TNHN/1999
山田卓司(ヤマダタクジ)
月刊ホビージャパンを代表するレジェンドディオラマビルダー。キャラクターからAFVまでさまざまなジャンルを手掛ける。