今日からできる!「グラデーション塗装」でエアブラシ塗装が100倍楽しくなる!!【すべて見せます! エアブラシの教科書】
2023.04.15
エアブラシ塗装の専売特許「グラデーション塗装」でプラモ塗装が100倍楽しくなる!!/小鳥遊 暦【コトブキヤ 1/10】 月刊ホビージャパン2023年5月号(3月25日発売)
今日からできる! グラデーション塗装!!
エアブラシをゲットしたら絶対にチャレンジしたくなるのが「グラデーション塗装」。調色や色の選択で諧調を変えて、エアブラシ塗装ならではの繊細なぼかしを模型に施してみましょう。やってみるまでは「なんだか難しそう~」って思えるグラデーション塗装ですが、実際やってみると案外いけちゃいます。だからとっても楽しいのです! ここで紹介しているポイントをまずは真似してください。それだけで今日から新たな塗装の扉が開くこと間違いなしです。
製作・解説/柚P
\ 教えてくれる人 /
柚P
▲センス光る塗装と工作、3D造形までできるハイスペックモデラー。アウトドアも大好きでとってもアクティブ。月刊ホビージャパンでも数々の作例を手掛けてきた「美少女プラモ」を題材に、グラデーション塗装をレクチャーしてもらいます
・ブレザーで暗い色の上から明るい色を塗っていくグラデーションにチャレンジ!
・マスキングテープを活用したグラデーション
・髪の毛で明るい色から暗い色を塗っていくグラデーションにチャレンジ!
・グラデーションの色味はスミ入れで落ち着かせよう
暗い色からスタートするグラデーションでブレザーを塗ろう!
グラデーション塗装でもっとも多く塗られている方法をご紹介します。それは暗い色からだんだん明るい色を重ねていく塗り方です。基本的には塗りつぶすだけなので、初めてでも良い感じにできますよ!
ブレザーに似合いそうな
色を見つけよう
▲『創彩少女庭園』は専用カラーが売っていますが、手に入らないこともありますよね。そういう時は近似色を探してきます。ブレザーといえば「ネイビー」。ネイビー系の色を数色買ってみました
エア圧は0.09MPa
▲エア圧はちょっとだけ低めの「0.09Mpa」にセット。薄めの塗料を塗り重ねるので、圧を少しだけ下げます。大事なのは圧だけではないので、それは後ほど解説します
まずは一番暗い色をベタ塗り
▲「ベタ塗り」塗装でミッドナイトブルーを塗ります。これが一番暗い色になります。この時、塗料とうすめ液の濃度は1:1でOKです
グラデーション塗装の
塗料を準備!
▲Mr.カラーの328番「ブルーFS15050」でグラデーション塗装します。まずは紙コップに少量移します
約2倍希釈で行きます
▲うすめ液を塗料の倍入れます。塗料1:うすめ液2の濃度で、吹き付けていきます
よく撹拌します
▲塗料とうすめ液はよく撹拌してください。またコップのフチに塗料を垂らしてみて、塗料の濃度を確認するのも有効です。サ~ッとスムーズに垂れるくらいがちょうど良いです
ニードルストッパーを調節
▲ニードルストッパーはエア圧の調節と同じくらい大事。ここでニードルを細吹きに対応した引き具合に調整。後ろに目一杯引けなくなるので、塗料が出すぎる危険性をなくします
まずは紙で具合を見よう
▲いきなりパーツに吹き付けるのではなく、紙などに吹き付けて「塗料の濃度」「エア圧」「描ける線のレンジ(太い線から細い線まで)」を確認しましょう
出っぱている部分を
狙いましょう
▲胸部やシワの頂点を狙って328番を塗っていきます。ミッドナイトブルーを塗りつぶしてしまうとグラデーションがなくなってしまうので、奥まった部分やシワの奥は塗らないようにします
調色にチャレンジ!
▲さらに明るい色を塗ります。そんな時は調色です。328番にクールホワイトと、ちょっとだけ赤みが欲しいので色ノ源「マゼンタ」を入れます
濃度も薄めにします
▲328番に少しずつクールホワイトを加え、だんだん明るくしていきます。マゼンタは3滴程の隠し味程度で充分効果を発揮してくれます。こちらはより薄く、塗料1:うすめ液3の濃度で塗ります
パーツの頂点を狙って塗ります
▲各凹凸の一番高いところを、細吹きでピンポイントで狙います。エアブラシのボタンはゆっくりと優しく操作しましょう。パーツとエアブラシの距離を怖がらずにぐっと近づけるのがコツです
さらに白の量を増やしてもうひと塗り
▲先ほどの段階でも充分ですが、さらに白を増やしたネイビーを仕上げのハイライトに入れるのもおススメです。慣れてきたらぜひチャレンジしてみてください
ピンポイントハイライト
▲襟の頂点にピシッとハイライトが入っています。エアブラシはここまで攻めることができるのです。塗装って楽しいですね!
▲単色のブレザーがこんなに立体的に! エアブラシがあれば、このような表情豊かな塗装ができるんです
マスキングテープを使ったグラデーション塗装
スカートを
グラデーション塗装
▲キットにはスカートが3つも付属します。まずはMr.カラーの37番を基調に、白を混ぜながら全体をグラデーション塗装していきます
マスキングテープで影を
描いてみましょう
▲スカートにパッキリとした影をプリーツごとに入れてみます。そこで活躍するのがマスキングテープです
プリーツをマスキング
▲明るさを残すため、細く切ったマスキングテープをプリーツの高いほうに貼ります
細吹きでピンポイント塗装
▲エアブラシとパーツとの距離をかなり近くして、プリーツの影を描きます。使用するのは瓶生の37番。マスキングテープに沿って線を引くように塗りましょう
半乾きで剥がします
▲完全乾燥する前にマスキングテープをサッと剥がしましょう。少量の塗料を細吹きしているので、乾燥も早いです
パッキリとした
塗り分けになります
▲このように影の色とスカートの色がパッキリと別れます。メリハリを強くつけたい時に効果的です
プリーツごとに
繰り返していきましょう
▲貼って塗って剥がす、を繰り返していきます。慣れるとリズミカルにできるので、10分くらいで塗り分けが完了します
各プリーツをチェック!
▲すべての影色を塗り終えたら、各面を確認。暗い色を塗りすぎたら、スカートの基本色で塗りつぶして再度影色を塗りましょう
スカートのグラデーション
完成!!
▲ブレザーのように暗い色を残して上から明るい色を塗るも良し(写真左)、先ほどのように影色を直接塗るも良し(写真右)。あなたの進めやすい塗り方を試してみてください
より塗料を薄くして透明感のある髪色を目指そう!!
髪の毛は美少女プラモの命!
▲エアブラシがあれば、あなたの美少女プラモの髪の毛が一気に華やぎます。使用するのはMr.カラー ラスキウスアウラの「102 濡鴉」「103 栗毛」「106 白雪色」です
一番明るい色を塗ります
▲髪の毛は透明感を強調したいので、明るい色を全体に塗ります。栗毛と白雪色を1:1くらいで混ぜます。その後薄め液で3倍ほど薄めます。薄い塗料を数回にわたって塗ります
4回ほど塗り重ねました
▲薄い塗料は焦らずゆっくり発色させるのがポイント。塗装と乾燥を4回ほど繰り返し発色させました
栗毛も3倍希釈
▲この栗毛がメインカラーとなります。こちらも塗料1:うすめ液3の割合で薄めたものを使用していきます
毛先にエアブラシを
近づけて塗ります
▲細吹きできるようにエアブラシを調整し、毛先や髪の毛が重なって色が濃く見えるであろう部分に栗毛を塗っていきます。恐れずにエアブラシをパーツに近づけて、ピンポイントで狙っていきましょう
色の繋がりを意識する
▲エアブラシを横方向に動かしながら、線を描くように塗ります。こうすることでグラデーションのばらつきの少ない髪の毛になります
さらにエアブラシを近づけて
▲髪と髪の間の奥まった部分にも栗毛を塗ることで、明る色と暗い色の差がはっきりと出て立体感が出ます。モールド部分やパーツが重なっている箇所にエアブラシを近づけて細吹きします
一番暗い色は一番薄く
希釈します
▲最後にもっとも暗い影色を塗ります。濡鴉1:栗毛1で混ぜたものを、うすめ液で4倍ほど希釈。非常に水っぽい塗料で仕上げの陰影を塗っていきます
髪の毛の裏を塗ります
▲髪の毛のパーツ塗装で大事なのが、内側をしっかり暗い色で塗ること。顔の隙間から明るい色がチラついてしまうと見映えがよくありません
エアブラシを毛先に近づけて
▲ぐっとエアブラシをパーツの毛先に近づけ、細吹きにして優しく塗っていきます。1回で発色させようとせずに、3回~4回くらいで色が乗ってきたな~となるように、毛先を行ったり来たりしながら塗ります
奥まった部分も塗れば
完成です!
▲最後に奥まっているモールド部分を細吹きで狙って、うっすらと影を塗れば完成です
クリアーコート(光沢)は
必須です!
▲薄い塗料を塗り重ねているので、塗膜がとてもデリケート。完全乾燥したらクリアーでしっかりとコートしてあげましょう。光沢でコートすると、この後のスミ入れもきれいに拭き取れます
スミ入れでグラデーションを落ち着かせます
茶髪にはブラウンを流します
▲タミヤ スミ入れ塗料のブラウンが今回の髪の色に似合いそう。これを髪のモールドに流します
しっかりとスミ入れします
▲モールドにしっかりとブラウンを流すことで、より立体感が出ます。またスミ入れはグラデーションのバラツキを良い感じにまとめてくれるので、さらに見映えが良くなります
乾いてから拭き取ります
▲モールドにきれいにスミを残したいので、1時間ほど待ってしっかりとスミ入れ塗料を乾燥させます。乾燥したらエナメル溶剤を染み込ませた綿棒で、モールドの上をさっと撫でて余計な塗料を拭き取ります
ブレザーはブラックを流します
▲ネイビーのような青い物には、ブラックを使用するとパッキリとしたスミ入れができます。少々派手目なグラデーションも、ブラックを流すことで落ち着きます
うっすらと全体に
黒を纏わせる雰囲気で
▲スミ入れは拭き取った時に、周囲にも若干黒が乗ります。これによってグラデーションのばらつきが落ち着きます。綿棒で拭き取りながら、お好みの加減を見つけてみてください
最後にツヤ消しスプレーを
塗ります
▲仕上げにツヤ消しスプレーを吹いて完成です! あとは完全乾燥するまでじっくりと待ちましょう
▲非常に薄く調色した塗料を塗り重ねたことで、透明感ある髪の毛になりました。メガネはクリアーレッドを筆塗りしています
▲わかりやすいようにブレザーの明暗をくっきり目で塗ってみました。このくらい派手に塗ると立体感が強調されて、より艶っぽい雰囲気になりますね
▲今回は髪の毛と制服(リボンはキットのまま)メガネを全塗装し、肌は成型色を活かしています。約6時間で完成しました!
\ まとめ /
グラデーション塗装はシャバシャバに薄めに調色した塗料を細吹きしていきます。特にピンポイントで塗るハイライトや影色は、エアブラシを限界まで絞り、怖がらずにぐっとパーツに近づけて塗ることがポイントになります。パーツに塗る前に、プラ板や紙、ジャンクパーツなどに試し吹きやイメージトレーニングをしてから塗ると失敗も減ります。ぜひグラデーション塗装にチャレンジしてください。
コトブキヤ 1/10 スケール プラスチックキット“創彩少女庭園”
小鳥遊 暦【令法高等学校・冬服】
製作/柚P
© KOTOBUKIYA