HOME記事工具・マテリアルエアブラシだからこそなせる金属感! MODEROID 鉄人28号を使ったメタリック塗装仕上げを実践【すべて見せます! エアブラシの教科書】

エアブラシだからこそなせる金属感! MODEROID 鉄人28号を使ったメタリック塗装仕上げを実践【すべて見せます! エアブラシの教科書】

2023.04.07

メタリックカラーのベタ塗りでも重厚感を味わえる!/鉄人28号【グッドスマイルカンパニー】 月刊ホビージャパン2023年5月号(3月25日発売)

鉄人28号

 エアブラシならば繊細なメタリックボディもそれほど難しくなく塗装できるはず。特に昨今はMr.メタリックカラーGXのような一発吹き付けるだけで、塗り重ねによるキャンディ塗装をしなくても、充分に満足のいくメタリック仕上げを楽しめます。ここでは、2023年5月発売より一足早く、MODEROID 鉄人28号を使った、メタリック塗装仕上げを実践してみましょう。

製作・解説/木村 学

・使うのはビン生の塗料のみで混色はなし!
・後ハメ加工でマスキングは最低限
・本体カラーに合わせてその他のカラーもグロス仕上げで!


どのメタリックブルーが良いか試し吹きしてみる

 鉄人28号の本体カラーはメタリックブルー。ただひとくちにメタリックブルーといっても、Mr.カラーだけでも実は3種類ほどあります。ここではどのメタリックブルーが似合っているか、まずはプラスチックスプーン(下地を考慮してスプーンは白・黒の2種類の成型色を用意)に試し吹きしてみましょう。

C76・メタリックブルー

▲一番オーソドックスで古くからある76番のメタリックブルー。黒成型(写真左)の上から塗装したほうはかなり鉄人28号のイメージに近いようです

GX204・GXメタルブルー

▲超微粒化した高級特殊顔料が使用されたGXシリーズのGX204番です。確かにC76番に比べると粒子のきめ細かさが分かります

GX216・GXメタルダークブルー

▲少し暗めのGX216番のGXメタルダークブルーです。黒成型(写真右)に塗装したほうがかなりイメージに近い気がします

塗装前にランナーで試し吹き

▲最終的に一番イメージに近かったGX216・GXメタルダークブルーを使うことに。溶剤との希釈は塗料1に対し溶剤を3程度の少し薄めにしました。今回はサーフェイサーや下地塗装は行わずに成型色の上から直吹きするので、まずはキットのランナーに試し吹きしています。どうでしょう? ほぼ成型色に近い色合いになっていますよね

マスキングの手間を省く後ハメ加工

▲極力マスキングの手間を省きましょう。ヒザ関節は上下どちらも後ハメが可能です。スネの受け側(写真右)の受け軸を四角くカットするだけで後ハメが可能です。ただし完成後は外れやすくなるので、接着剤でしっかり固定するほうがよいでしょう。太モモ側も同じように受け軸を切り欠いておくと後ハメできます

合わせ目消し

▲今回は成型色への直吹きなのでパーツ整形はより丁寧に。パーツの合わせ目は流し込み接着剤のあと、瞬間接着剤を流し込み隙間をシャットアウト。ヤスリは400番→600番→800番のあとに100円ショップで売っている爪研ぎで擦ってフィニッシュ。削り傷が見えなくなるまで研磨しました

マスキングテープで塗料漏れをシャットアウト!

▲どうしても後ハメできないヒジ関節は、関節を黒鉄色で塗ってからマスキング。エアブラシならべっとり塗料が付く心配がないので、すべてをがっちりマスキングする必要はありません。特にヒジ前面はメタリックブルーのカバーが付くので多少塗料が漏れても大丈夫です

塗装面がザラついてしまったら……

▲塗料の濃度が濃いと写真のように少し塗装面がザラついてしまうことも。こういった場合は塗料がしっかり乾燥するのを待って…
▲スポンジヤスリの1000番程度で軽く表面を削り表面を滑らかにします。あまり強く擦り過ぎると塗装面を侵してしまいますので、やさしく削りましょう
▲表面をきれいにできたらもう一度先ほどよりさらに薄くシャバシャバに溶いた塗料で軽くオーバーコート。そうするとしっかり滑らかな塗装面になりました

他のカラーも成型色活かしでビン生塗料を吹き付け

▲黄色は隠蔽力が弱く透けが心配だったので、オレンジから立ち上げ、その上から軽く黄色をまぶすように吹き付けました

▲お腹の緑はルマングリーンをそのまま吹き付け。こちらもきれいに発色しています

▲手首の黄色いパーツはGX203・GXメタルイエローを吹き付けました。黄色い成型色の上からならしっかり発色してくれました

▲赤は少し透けが心配だったので、あずき色を塗ったあとモンザレッドを吹き付けました

完成!

▲キットには飛行ポーズで展示できる専用コネクトパーツが付属。THEシンプルスタンドを使えばカッコいい飛行ポーズもお手のもの!

 エアブラシなら缶スプレーとは異なり、小さな面積をわずかな塗料で塗装することできます。しかもビンタイプなら色数も豊富で混色も可能で、自分好みの色に仕上げられます。もちろん今回の作例のように混色はせずビン生のまま仕上げるのもよいでしょう。
 またメタリック塗料は、筆塗りではなかなかきれいに塗装できないものです。今回の鉄人28号は、まさにエアブラシがなせる金属感を存分に楽しめる仕上がりになったといえるでしょう。このMODEROID鉄人28号は、グッドスマイルカンパニーさんのご厚意で発売前の超先行レビューとあいなりました。パーツ数もコンパクトで組みやすく、エアブラシ塗装を楽しむにはうってつけのアイテムと言えそうです。
 今回は接着に一部、瞬間接着剤を使い時短を図りましたが、合わせ目をそれほど気にしなければ、週末なら1日で塗装まで仕上げられます(今回の作例は合わせ目消しも含め週末2日間で完成しました)。皆さんもこの記事を参考にぜひ鉄人28号(太陽の使者版もあるよ)を完成させてみてください。きっと、より重厚感のある鉄人が手に入りますよ。

グッドスマイルカンパニー ノンスケール プラスチックキット“MODEROID”

鉄人28号

製作/木村 学

MODEROID 鉄人28号
●発売元/グッドスマイルカンパニー●3900円、5月予定●約15.5cm●プラキット

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©光プロダクション

木村 学

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