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強い塗膜、発色の良さ、低臭で超快適!!「水性ホビーカラー」でエアブラシ塗装をマスターしよう!

2023.09.27

「水性ホビーカラーエアブラシ塗装」をマスターしよう! 月刊ホビージャパン2023年5月号(3月25日発売)

ラッカー塗料に近い塗り心地でスムーズに塗れます!

 Mr.カラーを販売するGSIクレオスのもうひとつの主力商品「水性ホビーカラー」。水性ホビーカラーは完全リニューアルされて全く別物になりました。強い塗膜、発色の良さ、低臭で超快適に塗装できます。「微妙な塗料だよね」という昔の古い考えを引きずっているそこのあなた! その考えはもう捨てましょう!! とってもしっかり塗れますよ!
 特に塗装における「匂い」にお困りの方にはとてもお勧めしたいです。私自身、6年前に子供が生まれてから塗料をすべて水性に変えました。この塗料に変えてから、家族にクレームを言われることなく塗装を楽しめています。
 ここでは水性ホビーカラーを愛用するフミテシのメソッドをご紹介します。
解説/フミテシ

▲こちらは水性ホビーカラーで発売されているガンダムカラーをメインに、水性ホビーカラーだけで全塗装したガンダム 

水性ホビーカラーエアブラシ塗装のポイント /

1. 希釈は1:1を基本にしましょう!
2. エア圧は高めにしましょう!
3. 乾燥時間を知りましょう!

水性ホビーカラーって何? /

 正しくは水溶性。乾燥前なら水にも溶けます、水でも伸ばせますという塗料。完全に水に溶ける水性塗料は「エマルジョン系」(月刊ホビージャパン2023年5月号P.28からご紹介)。塗料の性能をフルに発揮したいのなら専用の「水性ホビーカラー うすめ液」を準備しましょう。匂いが少ないので、エアブラシ塗装のような吹き付け塗装でも快適に楽しめます。


1. 薄めすぎない! 希釈は1:1を基本に設定

 水性ホビーカラーのエアブラシ塗装で「失敗した~! 俺には使えない塗料だ~」という人の大半が希釈率を間違えているケースが多いです。Mr.カラーとは全くの別物で、ラッカー塗料と同じ感覚で薄く希釈すると痛い目を見ます。GSIクレオスも公式に言っている通り、希釈は塗料とうすめ液「1:1」。これがずれるとこの塗料はちょっと扱いづらい性質があるのです。それを見ていきましょう。

専用うすめ液を準備します

▲エアブラシ塗装をする時、水で薄めるのはやめましょう。専用の水性ホビーカラーうすめ液を準備して希釈します

よ~く混ぜます

▲水性ホビーカラーは、顔料と溶剤が分離して乳白色になっていることがあります。しっかり混ぜるとフタの色と同じような色になります

ここが一番重要!

▲希釈は塗料1:うすめ液1。ピッタリとまでは行かないまでも、おおよそ同じ量になるようにしてください

コップのフチを滑らかに塗料が垂れていきます

▲1:1にすると、しっかりした発色を保ちながら、滑らかにコップのフチを塗料が垂れていきます。この濃度であれば間違いなくきれいに塗れます

1回目は下地が透けるくらいで

▲1回目の塗装。一気に塗り潰そうとせずに、下地がうっすら透けているくらいにとどめます。これはラッカー塗料と同じですね

2度塗り目でしっかりと発色!

▲完全に乾燥したら、2回目の塗装。全体に優しく吹き付けていきます

きれいに塗れました!!

▲とってもきれいにコバルトブルーが塗れました。隠蔽力が同社のMr.カラーそっくりに調整されています。そのため下地の透け感のコントロールが、まるでラッカー塗料を塗っているかのような塗り心地になるのです

塗料1:うすめ液2で塗ってみます

▲先ほどの倍の量のうすめ液を入れて塗ってみましょう。さて、どうなるでしょうか?

一気にコントロールが難しくなります!

▲薄くなったことで、塗料が表面に定着しにくくなります。薄くしすぎると塗料がプラ表面に留まりにくく、流れやすくなってしまうので吹きすぎに注意

ムラの多い塗装になります

▲コントロールできないまま塗り続けると、このようにムラが多くなります。1:1を守ればこのようなことは起きず、コントロールしやすいまま塗装できるので、希釈率は守りましょう

2. エア圧は高めがオススメ!

 水性ホビーカラーは押し出すのにパワーが要ります。低い圧力で吹こうとすると、ボソボソになりがちです。私は0.1~0.12Mpaくらいで塗っています。この圧力なら1:1の濃度の塗料をスムーズに吹き付けられます。

レギュレーターがあると便利!

▲エア圧調整も肝になるので、レギュレーターは絶対に装備しましょう

指先でコントロール!

▲ちょっと高いエア圧でも、指先でのボタンのコントロールを覚えれば、高いエア圧のまま細部塗装が可能です。これはたくさんプラモを塗れば自然に身につくので心配しなくて大丈夫です! どんどん塗ろう! 塗らなきゃ覚えません

3. 乾燥時間を知ろう!

 塗料の乾燥時間はとっても大事。水性ホビーカラーは、ラッカー塗料のように吹いた側から乾くようなことはないです。しかし、最初に塗ったパーツは他のパーツを塗っているうちには乾くほどの速乾性はあります。つや消しレッドを塗って3分、8分、10分で試してみました。 
※乾燥時間は温度や湿度によって変化します。

▲なんだかツヤも落ち着いてるし、見た感じ大丈夫そう…
▲指紋スタンプ完了! 3分はちょっと早すぎました
▲指でスタンプ! 触った感じ大丈夫そうだけど…

ちょっとムニっとしました

▲指紋は目立っていないですが、指を押し込んだ時に柔らかさを感じました。まだ完全乾燥はしていません。ただ、この状態なら塗り重ねはできそうです
▲これは勝った感覚!
▲問題なし! 硬い感じの塗面になり、しっかりと乾燥しました。10分あればしっかりと乾燥します

グラデーション塗装ももちろん楽しめます!

 ラッカー塗料のように下地色を透かしたり、上から明るい色を上塗りできるので、グラデーション塗装も思いのまま。その工程をご覧ください!

ザクの脚をグラデーション塗装!

▲HGUCザクの脚を例に塗っていきます! 暗い色から明るい色にしていく順番で塗ります

ザクといえば「よもぎ色」です!

▲これはGSIクレオスの担当さんに「ザクの色にはよもぎ色が最高ですよ」と教えてもらって、それからザクはこの色を使って塗っています。絶妙な淡いグリーンをしています

下地は水性サーフェイサー ブラックを使用

▲よく使うサーフェイサーは、サフ1:うすめ液1で薄めたものを目薬ボトルに入れて保管しています。これで使いたい時に直接カップに注げます。黒下地からよもぎ色を塗っていきましょう

奥まった部分は黒を残すように

▲奥まったり凹んだりしている部分は黒を残し気味にしてよもぎ色を塗ります

下地の黒が透けていますね

▲このように下地の黒が透けて、よもぎ色が一段暗めになっています。これがベース色になり、この上から明るい色を上掛けしていきます

よもぎ色+つや消しホワイト

▲よもぎ色に白を加えて、明るい緑を作ります。明るさに決まりはないので、自分のお好みでどうぞ

膨らんだ面を中心に塗っていきます

▲曲面の高い部分やエッジに明るい色を塗ってハイライトのようにしていきます。エアブラシの距離を近づけて、細吹きで塗りましょう

完成! グラデーション塗装は楽しい!!

▲水性ホビーカラーもこのようにしっかりとグラデーション塗装ができます。ラッカー塗料と塗り心地もそれほど変わらないので、希釈率さえ間違えなければスムーズに移行できます。塗装環境でお悩みの方にはぜひとも使ってほしい塗料です!! 

オススメしたいこの1本! /

「すみれ色」

すみれ色
▲水性ホビーカラーの「すみれ色」と出会った時は衝撃でした。MSに似合う淡いブルーが、一撃できれいに発色したのです。混色なしでここまで赤みのあるブルーが塗れます!
▲月刊ホビージャパン2023年4月号の特集のように、全塗装しないで仕上げたHG ガンダムAGE-1。白と黄色は成型色。青と赤、グレーを塗っています。青はすみれ色をそのまま使用。海老川兼武氏がデザインしたガンダムにもぴったりの青です

▲こちらはHG フラッグ。すみれ色は光沢塗料。色味だけでなく光沢も美しいです。塗りっぱなしにして飛行機のハイビジ塗装のような質感にしました

Ⓒ創通・サンライズ

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フミテシ

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