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『Gガンダム』真紅のバラの貴公子こと「ガンダムローズ」が初のHG化!作例でキットのポテンシャルを引き出す

2023.03.24

GF13-009NF ガンダムローズ【BANDAI SPIRITS 1/144】 月刊ホビージャパン2023年4月号(2月25日発売)

“真紅のバラの貴公子”が待望のリメイク!

 皆さんお待ちかね! 1994年放送の『機動武闘伝Gガンダム』より、ネオフランス代表のモビルファイター・ガンダムローズが初のHG化。キング・オブ・ハートを除く新生シャッフル同盟の機体はいずれも人気なれどもプラキット化の機会に恵まれなかったところに、約30年の時を経てまずはローズが先陣を切ったかたちとなります。今回は田村和久が肉抜き処理などの重箱の隅をつつきつつ、ほぼ素材そのままにキットレビュー。ベテランモデラーをして「本当にやることがない」と言わしめたキットのポテンシャルとは!? 早速見ていきましょう。それでは、ガンダムファイト レディ・ゴーッ!!

▲頭部バルカン砲は、1mmプラ棒に0.6mmドリルで開口した自作プラパイプをキットパーツの上から被せ、砲口ディテールを二重化。また、ツインアイがやや奥まった位置にある気がしたので、ツインアイ部分をいったん切り離し、プラ板のスペーサーを挟んで0.7mm前方に移動。マスクと干渉する部分は削り込みですり合わせしている
▲左肩のダクト部は内部があっさりしているので、スリット模様の入ったプラ板を現物合わせで仕込み、ディテールアップした
▲素組み(左)と比較。スタイルには一切手を入れていない。キット素組みの段階で、色彩豊かなカラーリングがほぼ完全に近い形で再現されている点に注目。塗装せずともここまでのカラフルさに仕上がるのだ
▲付属ハンドパーツはどれも文句なしの造形。シュバリエサーベルは抜刀時の鞘側の固定ピンが目立つので、鞘側にもドリルで開口し、1mmアルミ線による接続に変更。抜刀時はアルミ線を取り外す
▲角度によって見えがちな股関節の3mm軸棒は根本にプラパイプを被せ、貧弱な印象にならないように調整

▲コアランダーも小粒ながら小気味よい出来。コアランダーと本体の背中にそれぞれハイキューパーツの小型ネオジム磁石を仕込み、接続ピンが露出しないように改造

▲シュバリエサーベルは発光状態のエフェクトパーツが付属。非発光状態の剣先は付属しないので、1.5mmプラ棒を削って自作した
▲付属のローゼス・ビット×4はエフェクトパーツで左肩シールドにそれぞれ接続できる。作例はローゼス・ビットを8個に増やしたので、残り4個はタミヤの透明ソフトプラ材 2mm丸棒をベースに挿し、浮遊状態でディスプレイできるようにした
▲ヒザアーマー裏の空洞は切り出したプラ板で埋めた
▲ブーツ裏の肉抜き部分も、エポパテ+プラ板で隙間埋め
▲左肩のマント型シールドは前後・側面の5枚構成となっており、それぞれ上部へ跳ね上げ可能。内部はこまかな色分けとメカディテールが満載で、見せ場のひとつとなっている

▲キットにはローゼス・ビットが4個付属するが、劇中では無数に射出していたのでエポパテでの型取り・複製でさらに4個増産(写真奥の列が自作物)。リップクリームでエポパテがくっつかないようにし、型が取れたらエポパテの充填でお手軽に複製した

▲4枚の左肩シールドを外し、専用エフェクトパーツとアクションベースとを組み合わせることでド派手なディスプレイが可能。本キットならではのオリジナル要素として、今川泰宏監督が新たに考案したギミックだ!

■ネオフランス代表、堂々たる凱旋!
 突然のキット化にGガンファンが騒然となったHGガンダムローズ。結論から言うと、想像以上の完成度です。ひと目でわかる造形のカッコよさ、そして驚異的な色分け! 部分塗装だけでも充分に仕上がります。何年も待っていたモデラーの期待を裏切ることはないでしょう。正直、何もすることがないのですが、今回はキットレビューの任務を仰せつかっているので、重箱の隅をつつくように手を加えていきました。
 頭部は、アンテナ削り込みでシャープ化しつつ、ヘルメットに存在する面取りを無くすように各部エッジを削り込んでいきます。また、ヘルメット下辺左右のカーブのついた切り欠きも少し大きめになるように削り込み。このあたりは自分がカッコいいと思うアニメ本編作画の映像を参考にしています。
 ローゼス・ビットは担当編集から「増やして♪」と気軽に無茶振り、もといリクエストが。確かに付属の4個では少々物足りない気も。形状が複雑なため、キッチリやるならシリコーン型を使ったレジンキャスト複製が無難でしょう。今回はより簡便な方法として、エポパテでの型取りと複製に挑戦してみました。まずはローゼス・ビットのパーツを上下から挟み込むようなイメージで型を取ります。片側だけエポパテを押し付けて型を取り、硬化後にもう片側にもエポパテを押し付けて型取り完了です。この際、それぞれにリップクリームを塗って離型剤代わりとし、パーツとエポパテがくっつかないようにします。あとはエポパテ硬化後にパーツを取り出し、適量のエポパテを型に詰めて複製という流れになります。あくまで簡易的な型取りですので、精度を出すのは難しいですが、比較的簡単にできる方法ですので、自前で増やす選択肢のひとつとしていかがでしょうか。

■カラーレシピ
白=クールホワイト90%+RLM75グレーバイオレット10%
青=スカイブルー40%+コバルトブルー60%
黄=イエローFS13538 50%+GXメタルイエロー30%+黄橙色10%+ホワイト10%
赤=キャラクターレッド
紫=フタロシアニンブルー
関節=サーフェイサーエヴォ ガンメタ

BANDAI SPIRITS 1/144スケール プラスチックキット“ハイグレード”

GF13-009NF ガンダムローズ

製作・文/田村和久

HG ガンダムローズ
●発売元/BANDAI SPIRITS ホビーディビジョン クリエイション部●2915円●1/144、約12cm●プラキット●プレミアムバンダイ販売アイテム

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ⓒ創通・サンライズ

田村和久(タムラカズヒサ)

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