「M8 自走榴弾砲」がコンパクトなタミヤの1/48MMシリーズから登場!塗装で雰囲気を出した冬らしい情景のヴィネットを製作
2023.03.24M5軽戦車をベースとしたコンパクトな車体ながら、多彩な砲弾が使用可能な75mm榴弾砲を搭載し、第二次世界大戦を戦いぬいたM8自走榴弾砲がタミヤの1/48MMシリーズに登場。2022年6月に発売されたチャレンジャー2以来となる1/48キットとなるが、全長はチャレンジャー2の24.3cmに対して9.2cmというまさに手の平サイズ。しかも腰高の車体と短砲身のM3榴弾砲からなるずんぐりとしたフォルムは、兵器でありながらどこか愛嬌すら感じさせる不思議な魅力を持ったキットとなっている。今回はこちらのキットを山田卓司がキットレビュー。付属のフィギュアも使用した冬らしい情景のヴィネットとともにご覧いただこう。
タミヤ1/48久しぶりの新製品は「アメリカM8 自走榴弾砲」でした。元々小柄なM5軽戦車ベースで、さらに1/48ともなると何とも可愛らしいサイズです。すでにラインナップにある1/35スケールのM8はずいぶん古い製品で考証はそれほど重視された時代の物ではありませんから、転輪などあまり一般的ではないディテールだったりしました。この1/48はその点も抜かりなく再現されており、もはや何の問題点もありません。
車体下部は各面ごとに分割された箱組みとなっており、ディテールが余すことなく再現されていて、パーツ精度も素晴らしいのでストレスなく組み立てられます。サスペンションの内側が車体側面パーツと一体化されているところは面白いですね。
履帯は近年のタミヤの定番スタイルの組み立て式となっていますが、履帯と接する上部転輪にダボが設けられ簡単確実に接続出来る心遣いが嬉しいです。
車体上部は一体成型されたボディパーツに細かくディテールの入った前面板や上部板を貼り合わせる形式。車体側面の溶接跡の彫刻も抜かりなく入っているところも好印象。
1/48ともなると1/35のキットのように細かくパーツ割りするとサイズが小さなぶん、パーツも小さな物となり、組み立てのストレスが高くなりがちですが、要領良くパーツが一体化されています。
1/48は手軽に組み立てられるのが美点だと考えます。スケールモデルとして、細密にディテール再現するのは正攻法と言えますが、1/35スケールと同じことを繰り返さなくても良いのではないか?と思えるのです。あえて細部ディテール再現には拘らず、塗装で雰囲気を出すようにしたほうが健康的なのではないでしょうか?
とは言え、作例として比較的目立つ車体側面後部の省略されたリベットだけは伸ばしランナーを使って追加してみました。
オープントップの砲塔も簡単、確実に組み立てることが出来ますが、わりと目立つ防楯の中央、砲塔側面前後にある釣り上げ用のフックはドリルで開口してUの字にしています。
砲塔後部の一体化された荷物ラック&シートは塗装でメリハリを付けました。ワイヤーローブはいつものナイロン紐を使用しますが、捻りが足りない気がしたのでもう少し捻ってから木工ボンドを塗り込んで固めてから使用しています。
塗装はこれまで通り、足周りを済ませてから車体上部へと進めています。転輪のゴム縁や履帯の塗り分けをしっかり施した後に汚し塗装しています。
地面はボックスアートのイメージで林の側の少し拓けた場所としました。スタイロフォームで大まかな形を出してからタミヤのテクスチャーペイントで地面を表現してからディオラマ用の草素材スタティックグラスを蒔いたり、別に作った株を接着しています。背景の木は手芸用の紙巻き針金を捩って製作。地面と同じく、こちらもテクスチャーペイントを使って樹皮を表現しました。
タミヤ 1/48スケール プラスチックキット
アメリカ M8 自走榴弾砲
製作・文/山田卓司
アメリカ M8 自走榴弾砲
●発売元/タミヤ●1980円、発売中●1/48、約9.2cm●プラキット
山田卓司(ヤマダタクジ)
言わずと知れた情景王。2023年でモデラーデビュー45年を数える。