HOME記事その他缶スプレーでお手軽塗装!「EG ストライク」で ディアクティブモードを再現!「ガンプラが絶対にうまくなる10の製作テクニック ENTRY GRADE ストライクガンダム編」より

缶スプレーでお手軽塗装!「EG ストライク」で ディアクティブモードを再現!
「ガンプラが絶対にうまくなる10の製作テクニック ENTRY GRADE ストライクガンダム編」より

2023.02.27

ガンプラが絶対にうまくなる10の製作テクニック ENTRY GRADE ストライクガンダム編

缶スプレーでお手軽塗装!「EG ストライク」で ディアクティブモードを再現!「ガンプラが絶対にうまくなる10の製作テクニック ENTRY GRADE ストライクガンダム編」より
ストライクガンダム(ディアクティブモード)特撮

 全塗装で完成させてみたいけどエアブラシはちょっと敷居が高い、と思っている方にはまずは缶スプレー塗装がオススメです。エアブラシのような細かい塗り分けや塗装表現には向いていませんが、広い面を一気に塗装して、筆塗りよりも平滑な塗装面を作ることができます。ここではランナーのまま缶スプレーを吹くお手軽塗装でディアクティブモードを再現します。

 製作ポイント 

●ランナーのまま缶スプレーで塗装する
●ディアクティブモードを再現


使用するツール・マテリアル

プラモデル用缶スプレー

プラモデル用缶スプレー
▲近年リリースされた水性サーフェイサーなどの特別なものを除いて基本的にラッカー系塗料で、塗膜が強く乾燥が早いため、大面積でも一気に塗装することが可能です。有機溶剤を含んでいて、匂いも強いので、風通しがよく充分に換気できる環境で使用しましょう。直接吸い込まないようにマスクを付けるとなお安全です

ガンダムマーカー リアルタッチマーカー

ガンダムマーカー リアルタッチマーカー
▲スミ入れに使います。インクが水性で、缶スプレーのラッカー系塗料の塗膜を損なうことなく作業できます。手軽なペンタイプで非常に使いやすく、初心者から上級者まで愛用者の多いアイテムです

ピグマ、プロッキー

ピグマ、プロッキー
▲水性のドローイングペンです。先端が0.02mm、0.03mmと細いものはスミ入れやダクト、スリットの塗りつぶし用として便利です。これも水性なのでラッカー系塗料の塗膜を侵すことはありませんし、はみ出した部分は台所用中性洗剤で拭き取れば簡単に落とすことができます

メラミンスポンジ

メラミンスポンジ
▲清掃用のメラミンスポンジ。これは100円ショップで購入したもの。スミ入れした塗料の拭き取りに使います。ツヤ消しの表面に付着したちょっとした汚れなども、塗膜を侵さずきれいに除去できます

メタリックシール

メタリックシール
▲100円ショップで購入したメタリックシール。ENTRY GRADEストライクガンダムはシールレスキットなので、頭頂部センサーの再現用に使っています。メタリックシールは種類も多く、ひと通り揃えておくとさまざまなMSのセンサーなどに利用できます。ひとつ持っておくだけでも長く使用できます

ランナー塗装の基本の流れ

 ランナー塗装を行う際は、ひと工夫加えることでより塗装しやすくすることができます。

ランナーを色ごとに分ける
▲ENTRY GRADEストライクガンダムは多色成型ランナーを採用しています。そのまま缶スプレーで塗装してしまうと単色になってしまうので、ランナー吹きする前に色ごとに分けておきましょう。手でもぎ取っても全然OKです
白ランナーも四分割
▲白ランナーも四分割しておきます。ランナー塗装は一気にパーツを塗装できるのが利点ですが、あまりにランナーが大きすぎると厚吹きしすぎたり、塗り残しなどがおきやすいもの。自分にとって塗りやすいサイズにランナーの大きさを調整しておくといいですよ
割り箸に粘着力の強い布ガムテープを巻き付けて、ランナーにしっかりと密着
▲缶スプレーでランナー塗装するときに必須なのが持ち手。塗装中に落としてしまうとリカバリーに手間を要するので、割り箸に粘着力の強い布ガムテープを巻き付けて、ランナーにしっかりと密着させて保持しておきましょう
缶スプレーは事前にしっかりと振って内部の塗料を攪拌
▲缶スプレーは事前にしっかりと振って内部の塗料を攪拌しておきましょう。特にメタリックカラーは塗料の粒子が重く分離しやすいので、100回くらいは振っておくと安心です
素早く手首のスナップを利かせながら
▲一気に大量の塗料を吹き付けて発色させようとすると厚塗りになったり、塗料が流れたり、塗料溜まりができたりと失敗の原因となります。素早く手首のスナップを利かせながらシュッ!シュッ! と少しずつ塗ります。ある程度塗ったら乾燥させ、また塗るを繰り返すのがきれいに仕上げるコツです
裏側から塗り、感覚を掴みます
▲最初はホコリがついたり塗料が飛び散っても見た目への影響が少ない裏側から塗り、感覚を掴みます。できるようなら、何でもいいので他のものに塗って練習してから本番に移るとより失敗を防ぎつつ塗ることができますよ
上腕のように、高さがあり、さらに周囲をしっかり塗装するパーツは難しい
自分が塗りやすいように塗るのが一番

▲写真の上腕のように、高さがあり、さらに周囲をしっかり塗装するパーツは難しいポイント。周りのランナーが邪魔をして、パーツに塗料が均一に乗りません。このようなパーツはランナーから切り出しておき、別々に塗装しましょう。手軽なランナー吹き塗装ですが、無理に全部のパーツをランナーにつけたまま塗らなくても、自分が塗りやすいように塗るのが一番です


各部の塗り分け

ニッパーで切り落とし、デザインナイフで表面を整える
▲アンテナの先端には安全基準上設けられた「フラッグ」と呼ばれる余剰部分があります。見映えを重視するなら、こちらは塗装前にあらかじめカットしておきましょう。ニッパーで切り落とし、デザインナイフで表面を整えればOKです
アンテナを塗装した状態
▲アンテナを塗装した状態。フラッグは塗装後に切り取ってリタッチする方法もありますが、先にカットしておいたほうがきれいに仕上がります。自分が作業しやすい方法を選んでみてください
靴部などのレッドはMr.カラースプレーの呉海軍工廠標準色で塗装
グレー系塗料は隠蔽力が高いので下地を特に塗らなくてもしっかりと発色

▲靴部などのレッドはMr.カラースプレーの呉海軍工廠標準色で塗装します。赤は彩度が強く、下地が透けやすい色ですが、グレー系塗料は隠蔽力が高いので下地を特に塗らなくてもしっかりと発色します。ただ、それでも他の部分よりは色を乗せるのに時間がかかるので、少し塗る→乾燥→再度塗る、をこまめに繰り返すのがきれいに塗るコツです

胸のブルーはタミヤスプレーのジャーマングレイを塗装
▲胸のブルーはタミヤスプレーのジャーマングレイを塗装します。ディアクティブモードの胸部グレーはシーンによって印象が異なるのですが、今回はアニメ第1話で炎に照り返された明るめのイメージで塗っています。暗めに振りたい場合はMr.カラースプレーのジャーマングレーを使いましょう
ライトグレーはMr.フィニッシングサーフェイサー1500グレーで塗装
▲ディアクティブモードでもっとも大きい面積を占めるライトグレーはMr.フィニッシングサーフェイサー1500グレーで塗装します。サーフェイサーなので隠蔽力が強くあっという間に発色し、塗膜が強く動かしても剥がれにくい上、きめ細かい美しいサテン地のグレーに仕上がります
成型色をそのまま活かす
▲ディアクティブモードは関節部の色は変わりません。ここはお手軽仕上げということで、成型色をそのまま活かしています。関節が無塗装であれば作業時間を大幅に短縮できますし、プラの成型色そのままの質感が塗装した部分との差異を強調し、全体にメリハリを付けることができるのです

パーツを切り出す

ランナー吹きしたパーツを切り出し
最後にデザインナイフでカットして整える

▲ランナー吹きしたパーツを切り出します。ENTRY GRADEはニッパーなしで手もぎできるタッチゲート方式。塗装したパーツをどんどん手でもぎ取っていきましょう。多少塗膜が傷ついても後でリタッチするので問題ありません。手もぎしたゲート跡は少し出っ張りが残ることがありますが、最後にデザインナイフでカットして整えればOKです。簡単仕上げですし、手早く作業を進めちゃいましょう


ゲート跡のリタッチ

缶スプレーを紙コップの中に吹き付けて内部の塗料を出します
▲ゲート跡は成型色が露出した状態になっています。そのままだと見映えが悪いのでリタッチしてみましょう。まずは缶スプレーを紙コップの中に吹き付けて内部の塗料を出します。吹き返しで塗料が飛び散らないように、底ではなく壁面に吹き付けるようにします
爪楊枝の先端に塗料を乗せて、さっと点を打つようにリタッチ
▲紙コップに出した塗料でリタッチします。ゲートのような小面積をリタッチするのであれば、筆を使うよりも爪楊枝の先端に塗料を乗せて、さっと点を打つようにリタッチすると手早く作業できます

缶スプレーを使用して全塗装で完成させてみよう

 缶スプレー塗装によるENTRY GRADE版ストライクガンダム(ディアクティブモード)が完成しました。今回はフレーム以外を全塗装しています。全塗装というと敷居が高く感じるかもしれませんが、塗装法や使用するツール・マテリアルを工夫することで、お手軽ながら精度高く完成させることができます。

ストライクガンダム(ディアクティブモード)
▲キットはライトパッケージを使用しているので、アーマーシュナイダーが付属します。こちらは関節部同様に無塗装のままです
ストライクガンダム(ディアクティブモード)素組み比較
ストライクガンダム(ディアクティブモード)素組み比較後ろ

▲キット素組みとの比較。お手軽塗装ですが、スミ入れやダクトおよびスラスター内部の塗り分けによって各部形状が引き締まり、より雰囲気のある仕上がりになっています。ディアクティブモードはぱっと見で変わった印象になるのと、塗装に使用するカラーはどれも隠蔽力が強いものをチョイスしているので、塗装の練習用としてもオススメです

■グレートーンは塗装入門者に超オススメ!
 『機動戦士ガンダムSEED』のガンダムと言えばディアクティブモードですよね。フェイズシフトが発動する前の状態、いわば稼働前の状態ながら現用戦闘機のようなグレートーンのカラーリングがとにかくカッコいい! そして、グレーはあらゆる塗料の中でも、抜群に塗りやすい色なんです。隠蔽力が高いので缶スプレーでも厚塗りになりにくく、はじめて缶スプレーを使う人の入門用としてピッタリなんですね。
■自分だけのディアクティブモードを作ろう
 第1話放送時、灰色のストライクが炎の中からゆっくり起き上がり、立ち上がって「戦火の大地に、蘇れ!ガンダム!」と続くのを見て「ああ、新しいガンダムが始まるんだ!」とすごくワクワクしました。私はその印象が強いので今回は炎に照り返された明るめのグレーで配色してみましたが、ディアクティブモードは人によりイメージが大きく変わるようです。アニメでもシーンごとに印象が違いますし、過去にカラーバリエーションとして商品化された青寄りの色が好き、という人もいますね。グレーはいろんな種類が発売されているので、ぜひ自分だけのディアクティブモードを作ってみてください。

BANDAI SPIRITS 1/144スケール プラスチックキット “エントリーグレード”ストライクガンダム(ライトパッケージ) 使用

GAT-X105 ストライクガンダム(ディアクティブモード)

製作・文/林哲平


 いかがでしたか。スミ入れや細部カラーの再現なども詳しくお伝えしたいところですが、本記事ではここまで。こちらの「GAT-X105 ストライクガンダム(ディアクティブモード)」は現在好評発売中の「ガンプラが絶対にうまくなる10の製作テクニック ENTRY GRADE ストライクガンダム編」で詳しくご紹介中ですのでぜひそちらでご確認ください! 本書では、月刊ホビージャパンで活躍するプロモデラー10人が、10段階のステップアップ方式でガンプラの製作テクニックを解説。ガンプラをもっとうまく、もっと楽しく作りたいというモデラー必見の一冊なので、ぜひお手に取ってみてください!

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Ⓒ創通・サンライズ

林哲平(ハヤシテッペイ)

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