HOME記事ガンダム【機動ガンダム U.C.ENGAGE】HG ガンダム開発試験0番機(エンゲージゼロ)を製作! メカデザイナーのことぶきつかさ氏によるコメントも!

【機動ガンダム U.C.ENGAGE】HG ガンダム開発試験0番機(エンゲージゼロ)を製作! メカデザイナーのことぶきつかさ氏によるコメントも!

2023.02.11

RX-78MS00Z ガンダム開発試験0番機(エンゲージゼロ)【BANDAI SPIRITS 1/144】 月刊ホビージャパン2023年3月号(1月25日発売)

曲面ラインを整えて設定画の印象に近づける

 ガンダムの宇宙世紀作品が一堂に会するシミュレーションアプリ『機動ガンダム U.C.ENGAGE』にて展開されるオリジナルストーリー「ペッシェ・モンターニュ」。そのペッシェが搭乗する「RX-78MS00Z ガンダム開発試験0番機(エンゲージゼロ)」がHGシリーズでプラキット化。完全新規金型によるキットはことぶきつかさ氏による細身で流線型なデザインをイメージ通りに捉えている。sannojiによる作例は、設定画を参考に全体的なラインのつながりとより曲面的な構成を意識して手を加えている。なお、今回は特別にことぶき氏よりコメントをいただいたので合わせてご覧いただきたい。


ガンダム開発試験0番機(エンゲージゼロ)

 アナハイム・エレクトロニクス社(以下、AE社)が、地球連邦軍の「ガンダム開発計画」の追加プランとして開発した試作モビルスーツ。コードネームはエンゲージゼロ。AE社ではすでに、「ガンダム開発計画」の前段として試作0号機“ブロッサム”の開発が進められていたが、高性能な万能機というコンセプトに対する連邦軍の要求はあまりに高く、ブロッサムをフォローするという形で、さまざまなオプションプランも提案されていた。その中のひとつがエンゲージゼロであり、対モビルスーツ戦での強襲突撃を主眼としている。

RX-78MS00Z
ガンダム開発試験0番機(エンゲージゼロ)

RX-78MS00Z-B
エンゲージゼロ・追加ブースター装備型


▲全体的に細身のシルエットは「ガンダム開発計画」に属する試作0号機〜4号機とも異なる印象だが、曲線形状や脚部に見られるラインモールドなどに試作1号機との共通点が見られる
▲バックパックは90度まで跳ね上げて推進方向を変更することができる。そのためビーム・サーベルはバックパックではなく本体側にマウントされている。燕尾服のようなシルエットの腰部リアアーマーは内側にスラスターを備えており、キットでも展開が可能

ことぶきつかさ氏コメント

 一番最初に「UCE版オリジナルガンダム」の設定を見た時に思ったのは「あれ? それってブロッサムでは?」でした。その後「ガンダム開発計画」を任されたAE社がそれに託けて別の目的(ビショップ計画の復活)の予算も騙して頂いちゃおうというのがエンゲージゼロ(当初はガンダムエンゲージ)という設定になりました。
 バンダイナムコエンターテインメント側からジオン系の流線型で纏めてほしいという要望が入り、一年戦争後期に対ガンダム用MSとして開発途中だった試作機をひな形にしている的な設定とし、そこに無理矢理建前であるGPシリーズのサポート目的を感じさせる記号を足し、連邦ともジオンとも言えないアンバランスさを拭いきれないキメラ的な方向性に落ち着きました。簡単に言うとガンダムに偽装しきれていないギャンです。
 デザインに関しては流線型で纏めるガンダムとなるとアナザー系やもっと未来の宇宙世紀の空気に近づいてしまい誤解を招く危惧は当初ありましたが、改めて考えると80年代に作られた作品ではそこまで「連邦=角張」というわけでもなかったので、Z・ZZ・0080の頃のデザイナーさん達のラインやディテールに沿うカタチに極力倣い、それ以外にも当時のMSデザインに大きく影響を与えていたであろう永野護さんのHMのラインも意識し構築しました。頭部はRX-78の武者兜に対し文金高島田的な女性らしさを出し、メインカメラを大きくしてガンダム顔よりモノアイ部分が目立つよう意識しました。

▲首パーツ後方の肉抜きは瞬間接着パテで埋めて整形している
▲太モモ側面にあるエッジ(赤いマッキーで着色)を削ってなだらかなラインになるように変更
▲シールド上部切り欠き中央にあるロッドは裏側の肉抜きをプラ板で埋めて整形
▲アンクルガードがやや前に出すぎている印象なので、スネ側を削り込み、アンクルガードをプラ板で作り直してラインを変更した
▲胸部側面上側に瞬間接着パテを盛ってなだらかなラインに変更。腹部の白パーツの内側を黒で塗りつぶした際に黒いラインがしっかり見えるように、赤パーツの下側を削ってラインを変更。腰部フロントアーマーは左右を切り離して、内側に0.5mmプラ板を貼って幅増しを行った
▲大推力の追加ブースター・ポッドを装備した状態。爆発的な加速性能を持つが、高G耐性のないパイロットでは失神してしまう。モビルアーマーでの高機動戦闘経験を持つペッシェですら、ブースター点火からの稼働時間は3分が限度とされた
▲引き出し式の肩関節や、基部が回転して軸位置を変えられる股関節によって、ダイナミックなポージングが可能。追加ブースター・ポッドは両ユニット付け根がボールジョイントになっているので、ポーズの表情付けに一役買っている

▲キットには右銃持ち手、左右武器持ち手、左右平手が付属するので、HGBC次元ビルドナックルズ(丸)のSサイズとキットの手甲パーツを組み合わせて握り拳を追加した

▲キット素組み(左)との比較。全体に対して大きめの頭部は目を惹く部分なので、アンテナのシャープ化はしっかりやっておきたいところ。胸部アーマーは縁を薄く削り込み、リアアーマー先端をシャープ化して繊細な印象になるようにしている。このように目を惹くポイントに絞って手を加えていくことで、ぐっと完成度を高めることができる

■ガンダム開発試験0番機
 今回のお題は『機動戦士ガンダム U.C.ENGAGE』に登場するガンダム開発試験0番機(エンゲージゼロ)です。キットは完全新規で曲線美が印象的なフォルムです。設定画やシミュレーションアプリを見ながらイメージを膨らませつつ製作開始です。

■頭部
 工作はブレードアンテナのシャープ化のみです。ブレードアンテナ根元のバルカン砲の塗り分けは、パーツ全体を白(ラッカー塗料)で塗り、次に砲身を黄色(ラッカー塗料)で塗ります。砲身のまわりのグレー部分は水性ホビーカラーで塗り、はみ出したら台所用洗剤を染み込ませた綿棒で拭き取ります。最後に黒(エナメル塗料)で砲口内部の塗りつぶしとスミ入れをすればキレイに塗り分けることができます。

■胴部
 胸の青いパーツのエッジを削り込んで丸みを持たせて設定画の印象に近づけました。また左右側面の上側に瞬間接着パテを盛って少しボリュームアップ。腹部の赤いパーツ下側を削ってアウトラインを変更しています。腰のフロントアーマーはやや小さく感じたので、左右それぞれ内側に0.5mmプラ板を貼って幅増しました。リアアーマー先端は瞬間接着パテを盛ってから尖らせています。

■脚部
 太モモ側面にあるエッジを削ってなだらかなラインに変更。スネからアンクルガードにかけてのラインを設定画に近づけるべく、スネ部分は削ってライン変更、アンクルガードはプラ板で作り直しました。

■塗装・仕上げ
白=クールホワイト+モウリーグリーン(極少量)+ウイノーブラック(極少量)
赤=モンザレッド
青=ブライトロイヤルブルー
黄=キアライエロー+モンザレッド(極少量)+クールホワイト(極少量)
グレー1=ニュートラルグレーIII
グレー2=焼鉄色
黒=ウイノーブラック
緑=メタリックグリーン
ピンク=GXメタルピーチ
バックパック=ティターンズブルー
追加ブースター=インディーブルー+モウリーグリーン+ニュートラルグレー(少量)
 市販の水転写デカールを貼り、水性ホビーカラーうすめ液で希釈した水性ホビーカラーつや消しクリアーを吹いて完成です。


■おわりに
 先日「安彦良和/機動戦士ガンダムTHE ORIGIN展」に行ってきました。そして家に帰ってから『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』を見て、ガンダム三昧な一日でした。それではまた。

BANDAI SPIRITS 1/144スケール プラスチックキット “ハイグレードユニバーサルセンチュリー”

RX-78MS00Z ガンダム開発試験0番機(エンゲージゼロ)

製作・文/sannoji

HG ガンダム開発試験0番機(エンゲージゼロ)
●発売元/BANDAI SPIRITS ホビーディビジョン クリエイション部●2750円、3次受注中、6月〜発送予定●1/144、約12cm●プラキット

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ⓒ創通・サンライズ

sannoji

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