英国陸軍の縁の下の力持ち「センチュリオンAVRE」をキットレビュー。自作工具 による超壕用パイプの製作も【AFVクラブスケール】
2022.12.08Vickers FVRDE FV4003 Centurion AVRE
先日AFVクラブから発売されたイギリス陸軍のセンチュリオンMk.5の戦闘工兵車仕様と、それに合わせて発売された専用の超壕用パイプを用いて井上賢一がキットレビュー。井上氏による緻密な工作や、75本のパイプを積んだ強烈なビジュアルをお楽しみいただこう。
■はじめに
こんにちは! 今回のお題目は英国陸軍の縁の下の力持ち「センチュリオンAVRE 装甲工兵車」であります。本車は大戦中の教訓より誕生した同国の「AVRE」としては2代目で、センチュリオンMk.5をベースに製造された車両です。
今回使用したキットは、数多くのタイプの「センチュリオン」をリリースするAFVクラブさんの新製品で、別売オプションとして本車の象徴である“マキシパイプ”も同時に発売されています。今回は合わせて製作しました♪
■車体
では車体から見ていきましょう。通常キットでは一体成型となる上面部品は実車構造通りの分割になっており、隙間が出ないように組み立てましょう。可動式で再現されている「ホルストマン式サスペンションユニット」は、経年変化を考え一番前と後ろのアームを固定して組み立てました。
本車の特徴的装備であるパイプホルダーやドーザーブレードも非常に良く再現されています。両者とも実車同様に可動できる構造となっていますので、スムーズに動くように調整しながら組み立てましょう。
■砲塔
複雑な形状の鋳造砲塔は上下左右の4分割で見事に再現されています。組み立て後に全体へ溶きパテを塗り付け鋳肌を強調しました。本車の主力兵器「L9A1破砕砲」はアルミ挽物製砲身がセット、完成後ほとんど見えなくなってしまう砲尾部も抜かりなく再現されています。この砲へ組み合わされる「砲盾キャンバスカバー」も軟質素材製部品が付属し、ビシッと仕上がります。
■超壕用パイプ
別売オプションとして用意されている「超壕用パイプ」ですが、セットに入っているモノはどう見ても「ストロー」ですね(片方の先端が斜めにカットされてる♪)
これを75本、同じ長さにカットして使用するのですが、潰さないように、さらに直角にカットするのが意外と難しく面倒…。そこで今回は割箸と適当な木片でカッターを自作して一気に製作しました。
■塗装
4種用意されている塗装指示より、英国「Norfolk Tank Museum」所有で現行塗装の02 BA 58をチョイス(固体名はBlood Hound号♪)。実車写真を見ると黒塗装の境界がボケているタイプですね。英国車らしく緑味が強くなるように仕上げてみました。マキシパイプの実物は黒色PVC製なので塗装せず汚しただけで使用しています。
■最後に
完成! ホント工兵車とか回収車って「メカメカ」していてカッコ良いですね。
普段は地味な裏方さんなので、なかなかキットには恵まれない車両たちですが、模型映えは主力戦車以上かもしれませんね♪ AFVクラブさんの次回作に期待です。それじゃまた!
AFVクラブ 1/35スケール プラスチックキット
センチュリオン Mk.5 王立工兵隊戦闘工兵車&超壕用パイプ(FV35395 センチュリオン Mk.5 AVRE専用)
製作・文/井上賢一
センチュリオン Mk.5 王立工兵隊戦闘工兵車
●発売元/AFVクラブ●9900円、発売中●1/35●プラキット
超壕用パイプ (FV35395 センチュリオン Mk.5 AVRE専用)
●発売元/AFVクラブ●1430円、発売中●1/35●プラキット
井上賢一(イノウエケンイチ)
最後のAマウント機となった愛機“SONYα99II”の販売終了から早くも1年が経過し、市場の部品に欠品が出始めると『ミノルタさんから脈々と続いてきた“Aマウントカメラ”がついに終焉したのね』と実感させられます(涙)。