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G.M.G「ジオン公国軍V-01 ジオン兵専用バイク」をシブくカッコよく!アクションフィギュアのカスタム方法をプロモデラー・清水圭氏がレクチャー!

2022.11.13

ジオン兵専用バイク(アップグレードモデル) 【メガハウス】 月刊ホビージャパン2022年12月号 (10月25日発売)

G.M.G「ジオン公国軍V-01 ジオン兵専用バイク」をシブくカッコよく!アクションフィギュアのカスタム方法をプロモデラー・清水圭氏がレクチャー!

精密化工作でジオン兵専用バイクをさらにアップグレード

 メガハウスのガンダム塗装済みアクションフィギュアシリーズ「G.M.G.」より、「ジオン公国軍V-01 ジオン兵専用バイク」を使用して精密化工作によるアップグレードモデルを製作。手掛けたのはホビージャパン2022年9月号で同アイテムのリタッチ&ディテールアップを行った清水圭。今回はよりバイクモデル観点での工作に重点を置いて、各部に手を加えて完成させた。


ジオン兵専用バイクの左前方画像
ジオン兵専用バイクの右後方画像
ジオン兵専用バイクのフロント画像
▲ 前照灯カバー、風防を追加したことでフロントまわりの印象が大きく変化。第二次世界大戦時のドイツ軍の軍用バイクのようにフェンダー上に横向きに取り付けられたナンバープレートもよい雰囲気だ
ジオン兵専用バイクのリアサスペンション画像
▲ ライフルホルダーを外すと露出するリアサスペンション。見えないところまで行き届いた工作が作品の精密感を高めている

❶バイク本体の加工

バイク本体加工の画像 その1
▲ 製品のアップマフラーをダウンマフラーに改造するため、元のモールドをニッパーでカット。カット跡は平らに整形します
バイク本体加工の画像 その2
▲ タイヤのパーティングラインをヤスリで整形します
バイク本体加工の画像 その3
▲ 前後のフェンダーは裏側を削り込んで縁を薄くします
バイク本体加工の画像 その4
▲ 全体をヤスリがけして面を整えた状態です

❷各部のディテールアップ

各部のディティールアップの画像 その1
▲ プラ板を切り出して前照灯カバーを製作します
各部のディティールアップの画像 その2
各部のディティールアップの画像 その3

▲ 製品のテールライトを削り落として整形。ライトカバーをプラ板で製作し、テールライトは赤い下敷きを切り出したものを貼り付けます

各部のディティールアップの画像 その4
▲ アップマフラーがなくなったのでサドルバッグ用ステーの基部を切り詰めます
各部のディティールアップの画像 その5
▲ 適度にピンバイスで開口し、内側を削り落として外側のパイプのみの形状にします
各部のディティールアップの画像 その6
各部のディティールアップの画像 その7

▲ プラ板を切り出してフロントカウルを製作。棒に丸めて曲面を付けてから形状に切り出します。さらにリベットパーツ、プラ材でディテールアップします

各部のディティールアップの画像 その8
▲ フェンダーナンバープレートを追加します。プラ板から切り出したものに、外周にプラ材を貼ってフレームを表現します
各部のディティールアップの画像 その9
▲ プラ材に目立てヤスリでディテールを入れ、ステップのグリップを製作します
各部のディティールアップの画像 その10
▲ 一体成型のリアサスを削り落とし、市販のスプリングとプラ材を組み合わせてディテールアップします
各部のディティールアップの画像 その11
▲ ウェーブ「テーパー丸棒」を曲げてマフラーを製作します
各部のディティールアップの画像 その12
▲ 1.5mm丸プラ棒でアンダーガードを製作。製品の下部にあるダボ穴を利用して装着します
各部のディティールアップの画像 その13
▲ ハンドルグリップ基部にプラ材でスイッチ類を追加します
各部のディティールアップの画像 その14
▲ プラ材を切り出してタンクニーパッドを製作。伸ばしランナーで外周にモールを追加します
各部のディティールアップの画像 その15
▲ サイドミラーは他バイクキットから流用しました。ステーを切り詰めて短くし、ハセガワ「ミラーフィニッシュ」を貼って鏡面を表現します
各部のディティールアップの画像 その16
▲▲駐車したときにより車体を寝かせるため、サイドスタンドをプラ材で短く作り直します
各部のディティールアップの画像 その17
▲ 目立てヤスリでシートのモールドを深く彫り直します
各部のディティールアップの画像 その18
▲ エンジンシリンダー先端に市販のディテールアップパーツでプラグキャップを追加します
各部のディティールアップの画像 その19
▲ ケーブル基部を開口し、タミヤ「パイピングケーブル」でケーブル類を追加します

❸塗装工程

塗装工程の画像 その1
▲ サーフェイサー塗布後に水性ホビーカラーで基本色を筆塗りします。使用カラーはサンディイエローとブラックです
塗装工程の画像 その2
▲ 基本色塗装後に一段階明るい色で退色表現を追加します。使用カラーはミドルストーンと軍艦色です
塗装工程の画像 その3
▲ 他航空機キットなどからデカールを流用します
塗装工程の画像 その4
▲ エナメル塗料を使用してスポンジチッピングで塗装剥げを表現します。使用塗料はダークグレイです
塗装工程の画像 その5
▲ 全体にウォッシングして拭き取ります。使用塗料はタミヤのスミ入れ塗料(ダークブラウン)です

❹ライフルストックの塗り足し

ライフルストックの塗り足しの画像 その1
▲ ライフルストックに木目塗装を行います。下地を塗装後に適当に塗ったエナメル塗料を綿棒で拭き取って木目を表現します
ライフルストックの塗り足しの画像 その2
▲ トップコートを吹いてからタミヤエナメル塗料のクリヤーオレンジを塗ってニス表現を行います
ライフルストックの塗り足しの画像 その3
▲ 仕上げにタミヤ ウェザリングマスターA(サンド)を擦ってエッジの削れ等を再現します

❺ウェザリング塗装

ウェザリング塗装の画像 その1
▲ 仕上げのウェザリング塗装を追加して完成です。まずはエンジンまわりのサビそうな箇所にガイアエナメルカラーの赤サビを塗装します。続いては足まわりを中心にガイアエナメルカラーの埃(ほこり)を塗装します
ウェザリング塗装の画像 その2
ウェザリング塗装の画像 その3

▲ 最後はタミヤウェザリングマスターAのサンド、Bのススを擦りつけて完成です

製品版とディティールアップしたジオン兵専用バイクの比較画像
▲ 製品版(左)との比較。各部ディテールアップと塗装によって約1/18スケールのモデルとは思えないほどに情報量が高まっているのが見て取れる。基本形状の出来がよいので、各部に手を加えることでここまで雰囲気のある仕上がりにすることができる
ジオン兵専用バイクにジオン軍一般兵士がまたがった画像
▲ ジオン軍一般兵士も新たに製作。頭部はバンダナを巻いたタイプを使用
ジオン兵専用バイクにジオン軍一般兵士がまたがっりライフルストックをかまえている画像
ジオン兵専用の運転席にライフルストックをおいている画像
▲ サイドミラーやスイッチ類を追加したことでハンドルまわりの精密感もアップ。ライフルストックは木目塗装により単調な印象が緩和されている
ジオン兵専用バイクのアンダーガードの画像
▲ アンダーガードの追加で車体下部の密度が高められている。ステップのグリップ追加も情報量が増えて工作効果が高い

 前回の記事ではジオン兵専用バイクをお手軽に一味加えるTipsをご紹介しましたが、今回はもう一歩進んでバイクをカスタムします。全体的なイメージソースはザ・軍用バイクともいえるツェンダップをメインに、ハーレーWLAなどからいいとこどりで要素を拝借しました。基本的には誰でもお手軽に出来る範囲で、という前回同様のコンセプトで製作しています。そのため製作においては特別な工作、工具を必要としないよう心掛けました。主に使用する材料はプラ板、プラ棒ですが、こちらの工作についても、加熱しての加工などは行っていません。ほぼ「力で曲げる」だけです。ただ、プラ棒の場合は曲げると折れやすいものもありますので、そこだけ注意が必要です。今回はレモン画翠オリジナルプラ棒を使用していますが、こちらは粘りがあって曲げ加工には最適です。今回のカスタムの一番の目玉はフロントカウルです。紙でテストパターンを作ってはバイクに合わせて形状やサイズを検討しました。車体が小さいのでサイズ感が難しかったですが、装着すると大きく印象が変わるのでオススメです。こちらもプラ板に癖をつけて曲げているだけなので製作自体はお手軽です。
 今回は塗装も全塗装を行っています。水性ホビーカラーを使用した筆塗りなので、塗装ブースなどがなくても手軽に行えます(塗装中の換気にはご注意を)。大まかな行程としては、「暗色の下地→基本色→一段明るい色で退色表現→汚し」となりますが、最初に暗色を乗せることで、基本色をきっちり塗らなくても、塗り残しで現れる下地暗色がキズのような表現になります。きれいに塗りつぶそうとすると筆塗りは大変ですが、塗り残し上等で気楽に進めると、むしろいい雰囲気になります。
 パッケージを開けてジオン兵専用バイクをたっぷり遊んだ後は、お手軽工作、お手軽塗装で、ぜひバイクカスタムに挑戦してみてください!

ⓒ創通・サンライズ

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清水圭(シミズケイ)

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