HOME記事スケールモデル47cm大型キットなのに作りやすい!「UボートVIIC型」潜水艦プラモの魅力

47cm大型キットなのに作りやすい!「UボートVIIC型」潜水艦プラモの魅力

2022.11.16

ドイツ海軍 Uボート VIIC型【トランペッター 1/144】 月刊ホビージャパン2022年12月号(10月25日発売)

大西洋を荒らし回ったドイツの灰色狼

 第一次大戦で初めて実戦に参加したドイツ海軍の「Uボート」(「潜水艦」を意味する「ウンターゼーボート」の略)は、第二次大戦でも通商破壊戦の切り札として投入され、戦争初期は多数の輸送船団を撃沈する大戦果を挙げたが、連合国がレーダーや航空機などで対潜能力を向上させると損害が激増し、終戦まで死闘を強いられるようになる。このほどトランペッターがモデル化したのが大戦中のUボートの主力タイプだったVII C型で、スケールは1/144。全長約47cmになるボリューム感と、大きさに似合わぬ作りやすさが潜水艦キットの魅力だ。大西洋を疾駆した脅威、ドイツの灰色狼をモデリング!

▲UボートVII型は、大西洋の通商破壊戦に適した航続力と武装を備えた中距離用潜水艦で、1940年から就役したVII C型は、船体左右に張り出したサドルタンクが特徴で、Uボート戦隊の主力として各型最多の577隻が建造されている
▲トランペッターのキットは1/144スケールで、全長は約47cm。艦首から艦尾まで一体成型され、左右のパーツを貼り合わせればすぐに船体が完成する。艦外装備品も少ないので、ハードディテールアップに疲れた艦船モデラーにも最適だ
▲艦首右側。上下には防雷網を突破するためのノコギリ状のワイヤーカッターを装備。秀逸な舷側のモールドはウェザリングで強調したい
▲艦の中央部にある司令塔と、その前方に配置された8.8cm砲。艦橋の前後には潜望鏡が2本突き出し、右側にはループアンテナが装備されている
▲後部上方から見た司令塔。前方の床面に乗降用の丸いハッチが見える。後方のスポンソンには対空用の20mm単装機銃が搭載されている
▲艦尾下方。2軸推進で、それぞれのスクリューの後方に横舵と縦舵を装備。2枚の縦舵の間には、後方への魚雷発射口がある
▲キットには手すりや旗竿などのエッチングパーツが付属。塗装例は作例の1種類のみで、10回の出撃で合計戦果36隻、約20万トンの艦船を撃沈、司令塔の側面に“赤い悪魔”を描いたU-552を再現できる。

■バリュー感あふれるUボート
 最近は値段の割に大きさがマッチしない製品が多いですが、今回の製品はお得感がある艦船キットです。パーツ数は少ないが、大きさがあるというのはいいですね。ちょい足しエッチングパーツも付属し、これだけで精密感が出せるUボートは最高かも? 作り方もとってもシンプルで、1週間あれば完成できるキットです。

■製作
 まず大きな左右船体の裏側から、指定された位置に0.5mm径ドリルで開口。そして船体をタミヤ接着剤で貼り合わせ、合わせ目処理をし、スクリュー以外のプラパーツとエッチングを接着。
 次に艦橋部分の組み立て。ここはエッチングパーツも接着。手すり部分は3mmドリルの柄のほうでコロコロして、形を整えてから艦橋に接着しました。艦橋部分の実物の手すりは円形断面ですが、エッチングパーツは平面になっているので、真鍮線で作り直すのもありだと思います。
 船体と艦橋の組み立てが終わったら塗装に入れます。このふたつのパート、主砲、細かい装備品は、塗装後に接着します。

■塗装
 基本的に指定塗料はすべてGSIクレオスです。最初にGSIクレオスのMr.サーフェイサー1000番を塗装。黒で鋼板境目を狙い、全体にシャドー吹きしてから、船体色を塗装します。マスキングして艦底塗装を行い、エナメル塗料でスミ入れ後に、油絵の具で錆表現を施しました。
 最後にメタルリギングで張り線をして、ツヤ消しコート後にスクリューをつけて完成です。

■まとめ
 潜水艦の製作は全般的に楽でいいですが、雰囲気は充分にありますね。艦船としては大きい1/144スケールなので、欲をいうならフィギュアも欲しいですね。

トランペッター 1/144スケール プラスチックキット

ドイツ海軍 UボートVIIC型

製作・文/takumi明春

ドイツ海軍 UボートVIIC型
●発売元/トランペッター、販売元/インターアライド●5280円、発売中●1/144、約46.6cm●プラキット

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takumi明春(タクミアキハル)

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