HOME記事スケールモデル退色&錆表現でまるで本物!模型をリアルに仕上げる「エイジング」を蒸気機関車で教えます!

退色&錆表現でまるで本物!模型をリアルに仕上げる「エイジング」を蒸気機関車で教えます!

2022.10.24

蒸気機関車 D-51【マイクロエース 1/50】 月刊ホビージャパン2022年11月号(9月24日発売)

朽ちた機関車作品に見るエイジングテクニックをちょっとだけお見せします

 汚し塗装の「ウェザリング」と、朽ちた姿の「エイジング」に特化して模型の塗装法に焦点を当てた1冊「模型をリアルに仕上げる! フィニッシュワーク虎の巻」が絶賛発売中です。その中に掲載されている作例で、とってもインパクト大な「蒸気機関車 D-51」の作例を特別にちょっとだけお見せします。この作例は、現役を離れ実際に東京都内の公園に展示されていた個体を忠実に再現した物。現在は惜しまれつつも撤去されて見ることはできないが、こうして模型として残していくことも私たちモデラーならできます。そんな思いを込めたエイジング作例は、朽ちているにもかかわらず人を惹きつける輝きを放っています。竹内邦之氏によるエイジングD51作例は、人のハートを揺さぶる傑作作例と言えます。

Step01

ベテランキットをブラッシュアップして製作

 サビて穴が空いているなど、朽ちた状態を再現するには工作から完成時のイメージを作っておく必要があります。ディテールアップと合わせて加工しつつ工作します。

▲キットでは省略されている部分のディテールアップに加え、展示車両固有の特徴も再現していきます
▲この車両の除煙板はキットの物とは異なり、作り直すことにしました。ここはキットのパーツを改造するより一から作り直したほうが早いです。0.3mmのプラ板に0.5mmのプラ棒で縁取りをつけています
▲車体の配管のディテールはキットのままでも充分と思いましたが、若干太く感じ、また省略されている部分もありました。ここは機関車の見せ場でもあるので、金属線で作り直しました
▲車体正面のディテールもかなり省略があったので、金属線やプラ板でディテールを追加。正面のナンバープレートは取れているのでキットのモールドを削り取って枠のみをプラ板で作り直しました
▲一番悩んだ部分はナンバープレートです。特定車両を作るにあたって、ここはしっかり再現しなければなりません。いろいろと考えた結果、ハンコショップでハンコを製作しそれを複製して使用しました
▲ボイラーの安全弁などのパイピングも金属線で作り直しました。資料で補いきれない箇所は、近所に展示されているD51を見に行って参考にしました
▲キットのテンダー部分の側面は、大きなヒケがあります。黒瞬着を使ってヒケを処理しました。手すりハンドルなどは、金属線でディテールアップしています
▲テンダーの後部ライトはキットには含まれていません。プラ棒とプラ板でスクラッチしました。今回は展示車両ですので、石炭は積んでいません

Step02

退色とサビで魅せるエイジング

▲基本塗装が終わったら、タミヤアクリルのXF-23 ライトブルーを薄めたものを塗装。塗料が乾く前に燃料用アルコールを筆にたっぷりつけてアクリル塗料を流し落とすようにしていきます
▲工程を繰り返し、徐々に劣化した機関車の塗膜。まさにこれがサビやエイジングの下地になります
▲サビ表現に使用したのは、ガイアノーツのエナメル塗料黄サビと赤サビです。この塗料は、リアルなサビ色に加えサビの質感も表現できるのでオススメです
▲実車の写真を参考に、サビの付き方や流れ方などをなるべく忠実に再現していきます。特定の車両を再現する際の醍醐味といったところでしょう
▲スポンジによるチッピングを行います。塗料を着け、車体のエッジを中心にポンポンと叩く感じで塗料の剥げを表現しました
▲この車両は各部に黄緑に変色した部分が見受けられました。黄緑の汚れはタミヤアクリルのXF-4 イエローグリーンとXF-59 デザートイエローで表現。薄めた両カラーを塗って、燃料用アルコールで洗い流すを繰り返してハードな汚れを表現していきます
▲黄緑の汚れに、さらにガイアノーツのサビカラーを使ってサビを重ねていきます。エイジングの工程は、足したり引いたりを繰り返して徐々にリアルに近づけていきます

「汚し」と「朽ち」のテクニックが満載!! 
「模型をリアルに仕上げる! フィニッシュワーク 虎の巻」発売中

模型をリアルに仕上げる! フィニッシュワーク虎の巻

●発行元/ホビージャパン●2640円、発売中●A4判

マイクロエース 1/50スケール プラスチックキット

蒸気機関車 D-51

製作・文/竹内邦之

この記事が気に入ったらシェアしてください!

竹内邦之(たけうち くにゆき)

オススメの書籍

模型をリアルに仕上げる! フィニッシュワーク虎の巻

ご購入はこちら

水性塗料筆塗りの教科書

ご購入はこちら

模型作りが楽しくなる工具&マテリアルガイド

ご購入はこちら
PAGE TOP
メニュー