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模型を沈める「水没ディオラマ」の製作方法を解説!【機動戦士ガンダム サンダーボルト 水没ディオラマ徹底解説】

2022.10.07

  モデラーMASAKIの作例製作文を全文大公開!3Dモデルの製作方法、水没ディオラマの製作方法の前後後編の大ボリュームな内容です。写真もほぼ切り抜きなしでのお届けします!

 前回までは、3Dモデリングを指南!

 MASAKIの製作文をほぼ全文大公開 -前半- 

MASAKIが教える「ポリゴンモデル」で気楽に3Dモデル製作術!?

  モデラーMASAKIの製作文をほぼ全文大公開! 前半戦は、3Dモデルの製作方法。 ]


ということでアトラスガンダムとガンキャノン・アクアを塗装していきます。

MASAKI水没ディオラマ すべてのパーツをシルバーに
▲私の場合、プラの肉厚の薄い部分や3Dプリントレジンのレジンの種類によって光で透けるのが嫌なので必ず黒のサーフェーサーを使用します。その後GSIクレオスのスーパーアイアン2を全体に吹き、すべてのパーツをシルバーにしてしまいます。
MASAKI水没ディオラマ 表面の塗装をはがす感じでチッピング
▲基本色を塗装後にデカールを貼ったら光沢クリアでコーティング後リューターを使い表面の塗装をはがす感じでチッピングを行っていきます。
MASAKI水没ディオラマ 後から金属色でリタッチ
▲はがしすぎてプラスチックの地の色が出てきた場合は後から金属色でリタッチします。
MASAKI水没ディオラマ 番手の荒い紙やすりやデザインナイフなどで細かい傷を入れ
▲チッピングが出来たら番手の荒い紙やすりやデザインナイフなどで細かい傷を入れていきます。
MASAKI水没ディオラマ マルチホワイトなどを使いウォッシング
▲傷入れまで終われば次にGSIクレオスのウェザリングカラーのグラウンドブラウンやマルチホワイトなどを使いウォッシングを行います。
MASAKI水没ディオラマ かなりべったり塗ってしまい素早くティッシュなどで拭き取り
▲かなりべったり塗ってしまい素早くティッシュなどで拭き取ります。そうすることでチッピングした個所や傷を入れた箇所、パーツの奥まった部分などに塗料が残り、いい感じに汚れた感じになります。
MASAKI水没ディオラマ 再度光沢クリアでコーティング
▲すべてのパーツをウォッシングし終えたら再度光沢クリアでコーティングして組み立てます。
MASAKI水没ディオラマ 海中での救出シーンなのでこの2つの機体以外に必要なものが無い
▲今回のディオラマは海中での救出シーンなのでこの2つの機体以外に必要なものが無いので次に型枠を作っていきます。

 私はダイソーの2mm厚のPPシート(ポリプロピレン製のシート)を使い、型枠を作っています。ポリプロピレンは耐薬品性が高いため、そのままでもレジンが食いつくことなく綺麗にはがれてくれます。
 薄いものだとレジンが硬化する際の熱や収縮によって変形してしまうので、2mm厚の物を使っていますが、それでも大きいものになると変形は避けられません。
 海外のレジンアーティストなどの映像を見ると厚めのアクリル板を使っている方もいますが離型剤を吹いておかないとレジンがアクリル板に食いついてしまいますのでご注意を。

MASAKI水没ディオラマ マスキングテープを使って箱組
▲PPシートは24mm幅のマスキングテープを使って箱組しています。最初にマスキングテープ中央で貼り付けたのち左右にずらして3枚貼り合わせることでレジンが漏れるのを防ぎます。隙間ができないように爪などでしっかり押さえつけて貼り付けます。
MASAKI水没ディオラマ 箱組した天面の縁は変形しやすい
▲箱組した天面の縁は変形しやすいので木材を両面テープとガムテープを使い補強しておきます。
MASAKI水没ディオラマ 型枠が出来たら2基のモビルスーツを型枠内に配置
▲型枠が出来たら2基のモビルスーツを型枠内に配置します。今回は海中に浮かんでいるシーンなので型枠内に浮かせるように鮎釣り用のテグスを使って吊り下げます。2機の姿勢をうまく制御するのは結構大変でした。
MASAKI水没ディオラマ 位置や深さなどを検討し終えたらレジンを流し始め
▲位置や深さなどを検討し終えたらレジンを流し始めます。今回は地面などが無いので地面からの気泡などを気にすることが無いので気が楽です。ただし今回はプラモデルを使っているので硬化熱で溶けてしまわないように一度に流すレジンの量は最大でも600gまでとしました。まずはガンキャノン・アクアの足元まで何度かに分けてレジンを流し硬化するのを待ちます。
MASAKI水没ディオラマ  モーリンの水泡表現素材
MASAKI水没ディオラマ  周りに発生している泡を追加

▲硬化して熱が冷めてきたころに次のレジンを流していきます。ここでガンキャノン・アクアの周りに発生している泡を追加していきます。レジンが硬化する前にモーリンの水泡表現素材を使って泡を表現します。

MASAKI水没ディオラマ 水あめ状になったところで次のレジン 
▲泡を表現した層が硬化するまで12時間ほど待って水あめ状になったところで次のレジンを300g流し、先ほどと同様に泡を追加していきます。
MASAKI水没ディオラマ  アトラスガンダムの後方にも下から上がってきた泡を追加
▲アトラスガンダムの後方にも下から上がってきた泡を追加していきます。このシーンの前にアトラスはビームサーベルによる発熱による沸騰の力を利用して浮上していましたから下から大量の気泡が上がってきていてもおかしくないと考えたからです。あと奥行き感を出したいというのもあります。
MASAKI水没ディオラマ  流したレジンの量は8.4kg
▲同じ作業を同様に15層分繰り返しました。その為レジンを流す作業だけで10日近くかかりました。流したレジンの量は8.4kg…

 今回は立体的な泡をどのように表現するのか考えた結果、前後からの見栄えを優先し上下左右からの見た目はあきらめました。
 15層も重ねると横から見た時に積層跡が多すぎてまともに中のキットが見えないだろうと考えたからです。このやり方は枡などの中に金魚の絵を立体的に書いているアーティストの深堀隆介さんの作品からヒントを得ました。

そうして完全硬化まで48時間以上放置し型枠を外したのがこのような状態。

MASAKI水没ディオラマ  完全硬化まで48時間以上放置
MASAKI水没ディオラマ  型枠の角の部分に隙間がありそこにバリ
▲一番手前の縁の部分が表面張力で立ち上がっていたり、型枠の角の部分に隙間がありそこにバリが出ていたりするので、超音波カッターを使ってそのあたりを切り落とします。
MASAKI水没ディオラマ  光を当ててみて確認
MASAKI水没ディオラマ 横から見たらなんだか良く分からないもの 

▲途中段階でも何度も上から光を当ててみて確認していましたが型枠から外したらすごくいい感じに。さすがに横から見たらなんだか良く分からないものになっていますが…

MASAKI水没ディオラマ 海面を製作 
▲各エッジを綺麗に仕上げたら海面を製作します。今まで私がやってきた波の製作方法はジェルメディウムを筆で塗って波の形にする方法でしたがそのやり方だとかなり下から見上げた状態でなければ海面の波の感じが見えないのが欠点なのです。そこで今回は、時間はかかりますがリューターを使って波の形に削り出していく方法をとりました。
MASAKI水没ディオラマ 下から見上げた時の海面の感じ 
▲こうすることで下から見上げた時の海面の感じが見えやすくなります。
MASAKI水没ディオラマ  海中部分のモデルが完成
MASAKI水没ディオラマ  海中部分のモデルが完成2

▲これで海中部分のモデルが完成です。あとは上部に照明を追加してベースを作り仕上げに入ります。

MASAKI水没ディオラマ ベースは上下に木材を使って箱組を作り
MASAKI水没ディオラマ 四隅にゴムシートを貼って

▲ベースは上下に木材を使って箱組を作り、レジンの塊の左右からは見栄えが良くない為、アクリル板でふさいで上下の木製のベースを固定する方法にしました。まずはアクリル板を固定すると同時にこの10㎏近いレジンの塊を乗せても大丈夫な土台にするため木材を使って箱組しました。すべり止めになるように四隅にゴムシートを貼ってレジン部分が動かないようにしています。

MASAKI水没ディオラマ USB照明を3つ使う
▲照明は上部の木枠の中にアマゾンで購入したスティック型のUSB照明を3つ使うことにし、それを固定するためにUSBハブを使用しました。
MASAKI水没ディオラマ 上部から下部への配線はUSB延長ケーブルを使用し配線を側面の下部に出す
MASAKI水没ディオラマ ねじ止め用の穴を開けて木枠に固定

▲上部から下部への配線はUSB延長ケーブルを使用し配線を側面の下部に出す形にします。アクリル板はネット通販でサイズを指定して切ってもらったものを購入したので、そのアクリル板にねじ止め用の穴を開けて木枠に固定します。全部で80個近くの穴を開けました。5mm厚のアクリル板に2.5mm~3mm程度の溝をリューターで彫るのは苦労しました。溝の部分にUSB延長ケーブルを這わせて黒のプラバンで蓋をしておきます。

MASAKI水没ディオラマ 上の木枠を乗せUSB延長ケーブルとUSBハブをつなぎ
▲下の木枠にレジンの塊を乗せたら上の木枠を乗せUSB延長ケーブルとUSBハブをつなぎます。
MASAKI水没ディオラマ 側面の上下にはベルトを通すための金具を設置
▲レジンの塊にネジや接着剤を使うと作品の中にそれが見えてしまうので、そうならないように前後の上下のアクリル板を5mmずつ被せることでベースの枠に固定しています。底にゴム足を付けて側面の上下にはベルトを通すための金具を設置しました。
MASAKI水没ディオラマ USBケーブルを固定できる
▲レジンの塊で10㎏近くあるため、ちょっと向きを変えるにも持ち上げにくいのでベルトを通してそこを持って運べるようにしました。余ったベルトはもう一周回して最後の部分をホックで止められるようにし、USBケーブルを固定できるようにしておきました。
MASAKI水没ディオラマ ヒートシンクを貼り付ける
▲側面の黒いアクリル板が寂しいのでカッティングシートを手でカットして貼り付け、完成と思ったのですが、電飾に使用しているUSBのLEDライトの発熱と照明を密閉してしまっていることが少し気になったためLEDライトの透明のカバーを外して基板にヒートシンクを貼り付けることにしました。そして重くなるとUSBのコネクタ部分への荷重がかかりすぎるためUSBライトの先端の部分を乗せられるように金属のステーで台を作り乗せるようにしました。
MASAKI水没ディオラマ アルミのパンチメタル
▲その上からアルミのパンチメタルをかぶせて通気性を上げると同時に正面から見た際に照明が見えにくくなるようにしました。
MASAKI水没ディオラマ 上蓋の5mmアクリル板を4Mのナットでかさ上げして隙間を作りねじ止め
▲最後に上蓋の5mmアクリル板を4Mのナットでかさ上げして隙間を作りねじ止めしました。ちょっと隙間があることで通気性が上がり冷却効果が上がると期待しています。

これにて完成です。

▲ TRUST●ディオラマ製作/MASAKI(月刊ホビージャパン2022年11月号掲載)

 本誌掲載MASAKI製作ディオラマ作例記事 

【TRUST【機動戦士ガンダム サンダーボルト 連載10周年記念企画】】 – Hobby JAPAN Web (hjweb.jp)

TRUST  幻想的な水没ディオラマで知られるMASAKI氏は、オラザク選手権サンダーボルト部門での金賞獲得を皮切りに、月刊ホビージャパンと『機動戦士ガンダム サンダーボルト』とのコラボレーションディオラマ企画に登場するなど、『機動戦士ガンダム サンダーボルト』と浅からぬ縁があるモデラーのひとり。そんな彼が今回製作した「TRUST」は、透明レジン[…]

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©Yasuo Ohtagaki 2022 ©創通・サンライズ

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