『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』クライマックスの三つ巴の戦いをアクションフィギュアでディオラマ化!
2022.10.09ジュラシック・ワールド/新たなる支配者【マテル】 月刊ホビージャパン2022年11月号(9月24日発売)
アクショントイを使って、情景王がラストバトルをディオラマ化!
シリーズ完結作となる『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』。第1作『ジュラシック・パーク』からメインキャスト(恐竜も?)も再登板し、まさにオールスターで迎えた大団円となった。シリーズ完結を記念して、月刊ホビージャパンでも久々のディオラマを掲載。製作を担当したのは、これまでも多くの『ジュラシック』シリーズのディオラマを手掛けてきた山田卓司。本編クライマックスシーンである三つ巴の戦いを迫力あるディオラマとして切り取っている。
『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』より、ティラノサウルス・レックス、ギガノトサウルス、テリジノサウルスの劇中終盤における三つ巴のラストバトルを作ってみました。映画は『ジュラシック・ワールド』シリーズの最終作にして『ジュラシック』シリーズの集大成。過去のキャラクターも恐竜たちも勢揃い。現実世界に恐竜が共存している世界を楽しめました。思えばCGIによるかつてないリアルな恐竜の映像に腰を抜かした『ジュラシック・パーク』から29年。現在ではCGI映像はすっかり当たり前となりました。本作では一作目に倣って、実物大のアニマトロニクスの恐竜も併用されているとのこと。まさに集大成ですね。
今回はすべてマテル社による完成品フィギュアを使用しています。これらは迫力あるサイズ、リアルな造形、プロポーション、ポーズ可動、さらにサウンドギミック搭載と大変魅力的なTOYとなっております。
まずは劇場に通って終盤の恐竜バトルの場面をチェック。
ティラノサウルスVSギガノトサウルス→ティラノサウルスがダウン→テリジノサウルス登場、ギガノトサウルスVSテリジノサウルス→ティラノサウルスが覚醒、争いに参加→ティラノサウルスがギガノトサウルスの喉元に噛み付き→テリジノサウルスの爪が倒れ込んだギガノトサウルスのボディを貫く…という流れで、どこの場面とするのか? 悩ましいところ。ナイトシーンで後半は雨も降り出し、ディテールや体色の判別が困難。オマケに背景のバイオシン社の中庭の様子も今ひとつよく分かりません。
この完成品フィギュアはアメリカンTOYサイズで大きいため、ディオラマも巨大化を免れません。終盤のテリジノサウルスの爪がギガノトサウルスを貫き、ティラノサウルスが雄叫びをあげる場面をイメージしつつ、何度も組み合わせながら検討します。怪獣のディオラマも同様ですが、長い尻尾は上手く取り回さないと間延びした無駄なスペースが出来てしまうところが難しいところ。そこで、劇中でも尻尾が柔軟に動いていたギガノトサウルスの尻尾を曲げることにします。頃合の良さそうな箇所を何ヵ所かで切断。アルミ線を通して接続したあとに、隙間にティッシュペーパーを丸めて詰め込み、瞬間接着剤を流して固めます。その上からエポパテで覆って体表を造形するという手順で尻尾を曲げました。ティラノサウルスも同様の手法で曲げますが、劇中でも大きくは曲げてはいないので注意します。
可動用の分割部はすべて固定し、隙間はエポパテで埋めますが、サウンドギミック&電池交換用フタだけはそのまま活かしておきました。背景となるバイオシン社の中庭は植え込みや噴水、池など、すべてスチレンボードによる工作です。特に円盤状の噴水は透明プラ板を挟んで水流表現を加えました。水で濡れた表現はアクリル絵の具の仕上げ剤「ハイグロスバーニッシュ」を使用。タミヤの透明ソフトプラ棒を熱して伸ばして雨の表現をしました。
マテル ノンスケールアクショントイ “ジュラシック・ワールド スーパーアクション!” T-レックス、テリジノサウルス、スーパーかみつき!ほえるギガノトサウルス 使用
ジュラシック・ワールド/新たなる支配者
ディオラマ製作・文/山田卓司
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山田卓司(ヤマダタクジ)
月刊ホビージャパンを代表するレジェンドディオラマビルダー。キャラクターからAFVまでさまざまなジャンルを手掛ける。