タミヤからP-38ライトニングのJ型がついに登場!【ロッキード P-38J ライトニング 1/48スケール タミヤ】
2022.09.20ついに最終形態に進化した双胴の悪魔
双胴という特異な形態ながら、高速力と重武装を武器に零戦や隼など日本陸海軍戦闘機の強大なライバルとして立ちはだかった第二次大戦アメリカ戦闘機ロッキードP-38ライトニング。1943年8月に登場したJ型は、エンジン冷却系を再設計し性能を向上させたタイプで、40機を撃墜しアメリカ全軍のトップエースとなったR.ボングをはじめ、多数の撃墜王を生んでいる。2019年に初期生産型F/G型の傑作キットをものにしたタミヤから、本命タイプというべきP-38Jが発売されるのはもはや時間の問題だっただろう。最大の特徴であるアゴ形エンジンカウリングを含む胴体パーツは完全新金型、細部までJ型を追求したディアボリックな出来映えの前にひれ伏せ!
■本命タイプのJ型登場!
P-38ライトニングと聞いて、アゴの大きなエンジンカウリングをもつJ型を思い浮かべる人は多いと思います。ナチュラルメタルの輝く機体に、華麗なノーズアートで彩られたJ型こそライトニングの本命として、今回のタミヤのリリースを首を長くして待っていたファンは多いのではないでしょうか。
キットの基本構成は2019年発売のP-38F/Gと同じで、パーツを差し替えることで各型の違いに対応していますが、吸い付くようなパーツ精度で組み立てにくさを感じません。接合部がそのままパネルラインになる部分は、接着剤を塗った部品を指でギュッと押さえる方法は避け、部品の合わせ目に速乾性の流し込み接着剤をサッと流し込んで数秒待ってから指で軽く押さえるようにすると、パネルラインが埋まらずにきれいに仕上がります。
J型以降では、それまで外翼に配置されていた中間冷却器をエンジンナセル下部へ移動したためカウリングが大型化しますが、キットはカウリング内部の滑油冷却器や中間冷却器、ダクト類も忠実に再現され、実機の設計者がレイアウトに苦心した様子がうかがえます。このような形状の妙を味わえるのも模型ならではの楽しさだと思います。説明書をじっくり見て組み立てましょう。
効果的なディテールアップとして、前脚ステアリング装置の配管と、主脚ブレーキパイプを追加しました。
■魅惑の銀塗装
まず銀色の食い付きをよくするために、光沢グレーを下塗りします。実機のようにパネルごとに明度の変化をつけたいので、ライトグレー、グレー、ダークグレーの3種類のグレーを使い、パネルごとに適当に塗りわけます。ちなみに黒は使っていません。
下塗りが乾いたら、GSIクレオスのSM208スーパージュラルミン1に対し、Mr.ラピッドうすめ液を0.5程度で希釈し、エアブラシで吹き付けます。このときメタリック粒子によるザラつきを防ぐため、ノズルとモデルの距離を3cm以内にキープして吹き付けます。
乾燥後、スリーエム スポンジ研磨材(#800~1000相当)を適当な大きさに切ったものでヘアラインを入れます。主・尾翼は前後方向に、胴体・ブームは上下方向に、力を入れず撫でるようにして、細かい線状の傷を付けていきます。下地のグレーが出てしまったら、その部分をエアブラシでタッチアップして、再度ヘアラインを入れます。
デカールを貼った後は、ツヤ調整と表面保護のため、ターナー色彩のメディウムU-35グロス バーニッシュを全体に吹付けます。これはアクリル絵具用の表面保護剤で、メタリック粒子にほとんど影響せず輝きが落ちないので、銀塗装のクリアーコートに向いていると思います。グロスバーニッシュ1に対し水または石鹸水を0.4~0.5程度で希釈して、エアブラシで吹き付けます。厚塗りすると乾きにくくなるので、薄く吹き付けて2時間以上置き、指で軽く触ってベタつきがないことを確認してから2回目を吹き付けます。なおエアブラシの洗浄にはアンモニア水が適していますが、吹き付け1回ごとに洗浄すれば水でも充分です。
タミヤ 1/48スケール プラスチックキット
ロッキード P-38J ライトニング
製作・文/熊谷丈洋
ロッキード P-38J ライトニング
●発売元/タミヤ●6600円、発売中●1/48、約24cm●プラキット
熊谷丈洋(クマガイタケヒロ)
P-38を作るのはモノグラム以来約40年ぶり。P-38の双胴って、インテークだらけでおもしろい(メンドクサイ?)ですよね。