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誰でもできる「ハゲチョロ塗装」で「1/100 量産型ザク」を作ってみよう!

2022.09.16

週末でつくる ガンプラ凄技テクニック 懐かしのキット編 月刊ホビージャパン2022年10月号(8月25日発売)

誰でもできる「ハゲチョロ塗装」で「1/100 量産型ザク」を作ってみよう!

 休日の空いた時間、誰でもできる簡単なテクニックで、お手軽にカッコいいガンプラを楽しんで作ってみよう! がモットーの連載企画「ガンプラ凄技テクニック」。懐かしのキット編第7回のテーマは「ハゲチョロ塗装」。当時の作風には欠かせない、現代のウェザリングとはひと味違ったハゲチョロ塗装のポイントを学んでみましょう。

講師/林哲平


ハゲチョロ塗装の下準備

▲今回のキットは「1/100 量産型ザク」。キットのままでもほぼ完璧に色分けされています。部分塗装の手間がないぶん、ハゲチョロ塗装に注力できるので練習台としてピッタリなんです。まずはマスキングテープで仮組みして全体をチェックしておきます
▲動力パイプは隙間ができやすい部分。接着するときはクリップでこのように3ヵ所ホールドしておきます。乾燥時間が短いと一度接着できていてもジワジワ隙間が開くので、念のため24時間ぐらいしっかりと乾燥させておきましょう
▲胸は塗装すると塗膜の厚みでパーツがハマらなくなります。両脇をヤスリである程度削り、塗膜の厚みぶんのほんの僅かな隙間を作っておきましょう

▲ハゲチョロ塗装を施す前にMr.スーパースムースクリアーつや消しで全体のツヤを消し、水性ホビーカラーのつや消しブラックとブラウン系カラーを混ぜたものでウォッシングします。ハゲチョロ塗装はエナメル系塗料で行うので、下地にラッカー、ウォッシングにアクリルを使っておけばリカバリーが楽になるのです。月刊ホビージャパン2022年8月号掲載の「1/100 グフ」と同じ方法なので、詳しくはそちらを参考にしてください

黒鉄色で当時感を強調しよう

▲ザクのソールやニーパッド、武装などはMr.カラースプレーの黒鉄色で塗装してみましょう。すべて別パーツになっているのでマスキングの手間も要らず、さっとひと吹きするだけです。第一次ガンプラブームの時代、多くの作品でこの部分は黒鉄色で塗られており、これだけで当時の雰囲気にグ~ンと近づくのです。今回はハゲチョロ塗装を際立たせるためツヤを消して仕上げていますが、ツヤ消しせず、メタリックの質感をそのまま活かして完成させてもカッコいいですよ

銀ドライブラシをしてみよう

▲もっとも簡単なハゲチョロ塗装、銀ドライブラシをやってみましょう。ドライブラシは凹凸があるパーツでより効果を発揮するので、まずはザク・マシンガンで練習してみましょう。下準備として、黒鉄色を塗装し、Mr.スーパースムースクリアーつや消しで全体のツヤを消しています
▲銀ドライブラシにはタミヤのエナメルのクロームシルバーを使います。エナメル塗料は乾燥が遅いぶん、筆に塗料が残る時間が長いのでドライブラシには向いています。また、昔からハゲチョロ塗装用としてよく使われている塗料なので、当時の雰囲気を出すにもピッタリなのです
▲平筆の先端に塗料をほんの少しだけつけたらティッシュで塗料を拭き取ります。シルバーのようなメタリックは非常に強い色で、塗料が筆に多く残っているとパーツがすぐ全身銀ピカになってしまいます。初めての人は「ちょっと塗料拭き取りすぎかな?」ぐらいを目安にしてみてください
▲筆先をパーツに擦りつけていきます。擦っていると、エッジや凹凸のある部分に筆先に残った塗料が乗っていきます。一気に塗料をつけようと強く擦りすぎると、筆の奥に残っていた塗料がベッタリとついてしまうことがあるので注意してください
▲銀ドライブラシを施した状態。シルバーがエッジや凹凸に乗ったことで、まるで鋼鉄の地肌が剥き出しになったような表現となりました。「エッジから金属が覗いてリアルに見える」ハゲチョロ塗装の基本を一番簡単にできる方法なのです

ハゲチョロ塗装をやってみよう

▲それではいよいよ本格的な当時風ハゲチョロ塗装をやってみましょう。ハゲチョロ塗装最大の難点はついやりすぎてしまうこと。これを防ぐにはお手本を見ながら作業するのが一番。今回は最高レベルのハゲチョロ塗装が施された「HOW TO BUILD GUNDAM2」掲載の川口克己氏によるシャア専用ザクを参考にしています

▲ハゲチョロ塗装は筆で細かいキズを描き込んでいくので筆の精度が重要になります。でも、いい筆は高いし、うっかりダメにしてしまうとショックも大きいもの。今回はウェーブの面相筆使い切りタイプを使用。使い捨てタイプなので、プラモデル用の有機溶剤を使った塗料だと痛みやすい面相筆でも劣化を気にすることなく、常に一番いい状態で使えるのが魅力です。塗料はドライブラシと同じクロームシルバーを使用します。筆には塗料をたっぷり染み込ませるのではなく、先端にこれぐらいで充分ですよ

▲まずは可動部やエッジなどハゲチョロのポイントをつかみやすい、腕から描き込んでいきましょう。なお、やりすぎて銀ピカになってしまったときはエナメル溶剤を綿棒に染み込ませて、拭き取って落とせば何度でもリカバリー可能なので安心してくださいね
▲ハゲチョロを描き込んでいきます。一番の基本はエッジなど凸部分から。実在の兵器でも凸部分は他のものと接触したり、擦れる可能性が高いので、塗装が剥げやすいのです
▲平面部分へのハゲチョロの基本は引っかき傷です。岩石や敵MSとの格闘中、尖ったもので引っかかれて表面の塗装が剥がれるようなイメージで描き込んでいきましょう
▲関節など可動部は動くたびにパーツが擦れ、塗装が剥がれやすい部分です。他の部分よりも少し激しめにハゲチョロを描き込んでもそれほど不自然に見えないポイントといえるでしょう
▲当時の作例では、スジ彫り部分から下に向かって流れるようなハゲチョロがよく見られます。これはパネルライン付近は実際に塗料が剥がれやすいからです。やりすぎるとくどくなりがちなので、ポイントを絞って入れていきましょう
▲ハゲチョロ塗装を施した右腕。ハゲチョロは全身同じように入れていくのではなく、MSがどう動くか? を意識して入れてるとグ~ンとリアルになりますよ

▲スパイク先端は激しくぶつかり合う部分。ですが、ただベッタリ塗るだけでは見映えが悪くなってしまうので、このように外側から先端へと、細い線を何度も引き、先端がギザギザになるようにハゲチョロを描き込みましょう。当時の作例でもスパイクはこのような表現になっているものが多く、ちょっと意識するだけで当時感を大幅にUPさせることができるのです

▲ハゲチョロ塗装は擬似的なスジ彫りにも似た、パネルラインを平面に創造することが可能です。今回は太モモに外塗り、内塗りの2パターンを施してみましょう。まずはマスキングテープを切り抜き、パネルラインを作りたい部分に貼ります
▲内塗りの場合、パネルラインの形に切り抜いたマスキングテープを貼り、その内側を塗装します。ラインが太いと不自然な仕上がりになるので注意してください
▲外塗りの場合、マスキングテープのフチを塗装していきます。なお、パネルラインはすべて繋げる必要はありません。ところどころ途切れさせるぐらいがベストです
▲マスキングテープを剥がします。剥がしたとき、ハゲチョロがパネルラインに見えなかった場合は再度テープを貼り、もう少し追加で描き込みましょう
▲スジ彫りのような工作抜きで、お手軽な筆塗りのみでパネルラインを作ることができました。当時ものキットは面が広いので「描き込みによるディテールアップ」は効果抜群なのです
▲岩石などがぶつかり、大きく塗装が剥がれたハゲチョロを描き込みます。たくさん描き込んでしまうと不自然になってしまいますが、ポイントを絞って描き込めばいいアクセントになるのです
▲当時のハゲチョロ塗装でよく見られるのがジオン系MSのソールに施された独特の引っかき傷です。細い引っかき傷を縦に何本も描き込んで再現しましょう
▲引っかき傷を再現した状態。このような部分は現在のウェザリングのような徹底的リアルを追求すると逆に当時の雰囲気がなくなってしまうので、当時の作品をしっかりお手本にしながら作業するとよりノスタルジックな雰囲気に仕上がりますよ

▲胸は下側に引っかき傷を描き込み、上には十字の傷を描き込みます。十字の傷は目に見えないパネルラインのフチが浮き上がっている部分だと意識してみてください

▲胴体のハゲチョロ完成状態。十字傷と引っかき傷を組み合わせることで、真っ平らな広い面にパネルラインがあるように錯覚させることができます。当時風のハゲチョロは現代的な「ウェザリング」以上に「マーキング」であることを意識するとグ~ンと当時の雰囲気に近づきますよ
▲パーツを組み立てたら、全体のバランスを見ながらハゲチョロを調整します。足りない部分には描き足したり、やりすぎた部分は消したりしましょう
▲ハンドなどの丸っこい部分はエッジがなく、描き込むアタリをつけにくい部分なのでドライブラシでハゲチョロ塗装します。やりすぎると緑がシルバーになってしまうので注意しましょう
▲最後に部分的にシルバーで軽くドライブラシを入れます。ポイントとしてはエッジにハゲチョロを入れた部分を中心に軽くという感じ。これによりドライブラシによる細かなかすれと筆による色剥げと二種類のハゲチョロが組み合わさリ、よりリアルな表現となるのです

ヒート・ホークを塗装しよう

▲「1/100 量産型ザク」のヒート・ホークは刃と本体が別パーツになっており、手軽に発光状態を再現可能な素晴らしい設計となっています。今回はこれを活かして塗り分けてみましょう。成型色のグリーンでは上手く発色しないため、まずは全体にタミヤフィニッシングサーフェイサーピンクを吹きつけて下地を作ります
▲刃をガンダムカラースプレーガンダムイエロー、柄をMr.カラースプレーのパープルで塗装します。下地がピンクであれば、どちらの色も鮮やかに発色するのです
▲柄にアクリルウェザリングをしてから軽く銀ドライブラシをかけ、接着すれば完成です。刃は発光部分なので、ウェザリングはしないほうがより雰囲気が出ます

■チッピングの原点「ハゲチョロ塗装」
 全身に描き込まれた、シルバーによる独自の剥げ塗装…。零戦のウェザリング塗装でも知られる「ハゲチョロ塗装」は、第一次ガンプラブームの作風の再現において欠かせないテクニックです。ですが、ハゲチョロ塗装は苦手意識を持つモデラーさんが多いのも事実です。それは、描き込みのバランス調整が難しいためなのです。少なすぎると雰囲気は出ませんし、かといって多すぎると全身銀色になってしまいます。これを解決するにはどうしたらいいでしょうか?

■ハゲチョロ塗装2大巨頭
「HOW TO BUILD GUNDAM」2冊、そしてガンプラブーム当時のホビージャパンを読み返すと群を抜いてハイレベルなハゲチョロを施すふたりのモデラーさんがいます。川口克己氏と小田雅弘氏です。両氏の銀ハゲの描き込みは繊細かつ大胆。銀面積が多くなるほどの描き込みをしていても、不自然さがないのです。なにもない当時ものキットの表面にパネルラインが浮かび上がって見えてくるようなその仕上げは「ウェザリング」というよりも「マーキング」。つまり、ハイレベルな当時風ハゲチョロ塗装というのは「シルバーで密度感を高めるためディテールを描き込む」作業、つまり当時流行した手書きマーキングと同じテクニックなのです。

■お手本を見ながら描き込もう
 当時のハゲチョロ塗装を「マーキング」として見てみると、当時風ハゲチョロ塗装の解決策が見えてきます。当時の作例をお手本にしながら、筆で描き込んでいけばいいのです。習字のお手本と同じで、優れた見本を見ながら練習を繰り返すと自然とハゲチョロ塗装の「加減」が身についていきます。今回のザクのキットは成型色の段階で色分けされているのですぐハゲチョロ塗装に移れますし、面が広いのでパネルラインを描き込んだりとハゲチョロ塗装の練習にはピッタリ。現代のウェザリングとはひと味違う、当時風ハゲチョロ塗装をぜひ楽しんでくださいね♪

BANDAI SPIRITS 1/100スケール プラスチックキット

MS-06 量産型ザク

製作・文/林哲平

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© 創通・サンライズ

林哲平(ハヤシテッペイ)

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