二つのキットで“二個イチ”工作!ガンプラの最新フォーマット化をプロモデラーが伝授!(ガンダム5号機(GUNDAM THE ORIGIN Ver.)工作編)【SSC】
2022.08.207.ふたつのキットを組み合わせて未発売アイテムを作り上げる/RX-78-05 ガンダム5号機(GUNDAM THE ORIGIN Ver.)【BANDAI SPIRITS 1/100】 月刊ホビージャパン2022年9月号(7月25日発売)
工作解説/SSC
近年のガンプララインナップは目を見張るほどの拡大を見せています。新しい作品が発表されれば当然のことですが、一度キット化されたもののアップデートや、新たなブランドの誕生、ひと昔前では考えられなかった機体のラインナップなど、その要因はさまざまです。しかしユーザーの想像力もまた豊かなもので、これがキット化されるならあれもキット化されるのでは? と考えることも多いことでしょう。本記事で紹介するMGガンダム5号機もそのような衝動で製作されたものです。MG「RX-78-2 ガンダム」系キットとしては最新のRX-78-02 ガンダム(GUNDAM THE ORIGIN版)を芯として、MGガンダム5号機のパーツを組み合わせることで、最新フォーマットの「RX-78-5 ガンダム5号機」を完成させています。
●プロモデラーQ&A
Q 今回の作例製作に欠かせないツールorマテリアルを1点教えてください。
A 柄沢ヤスリの「五万石プラスチックヤスリ」です。キットパーツの面出しやプラ板の整形時になくてはならない存在です。比較的硬い印象のあるタミヤ製プラ板でもゴリゴリ削り出せるので切削性は非常に高いです。
Q 作例製作時に意識していることは?
A 以前、模型界の先輩に教えてもらってから意識していることで、形状変更や武装等の追加パーツがある際は、極力パテを使わずにプラ板工作で対応することが多いのですが、プラ板でスクラッチしたパーツはエッジが立ちすぎていたり、平面が直線すぎているのでキットと合わせたときに馴染まず、プラ板で作ったパーツだと分かってしまうことが多々あります。逆にキットパーツは平面に見えて実際は微妙にアールになったりしています。キットを面出ししてシャープにすることは多いと思いますが、シャープにしたキットパーツでもプラ板でスクラッチしたパーツと馴染みにくいので、プラ板でスクラッチしたパーツはエッジ部分は立てつつも平面部分にあえてアールを作るようにすると、キットと合わせた時に馴染みやすくなります。プラ板でスクラッチするときはその点を意識しています。また、パーツの延長や幅増しでプラ板を使うとき、成型色が白なら黄色いプラ板を使って分かりやすくなるようにしています。
Q ついついやってしまうこだわりポイントを教えてください。
A ①製作する機体の情報をネットで調べたり、アニメ作品であれば登場作品は見るようにしています。製作時のモチベーションが上がったり、アイデアも浮かんだりします。今回のガンダム5号機製作時は、小学生のときに購入したSDクラブに掲載の短編小説も読み返しました(懐かしかった!)。②ガンダムタイプでいうとシールドや肩の「E.F.S.F.」や所属艦名ロゴのデカールは研ぎ出しし、細かいコーション系のデカールはツヤ消しを吹く前にクリアーを一回吹いて段差を目立たなくするよう工夫しています。③ツヤ消し仕上げにすることが多いのですが、バーニアや関節の金属色は一緒にツヤ消しを吹かずツヤありにして他のパーツとツヤの違いが出るようにしてます。④カメラアイはキット付属のメタルシールを切りぬいて使用します。塗装や市販品等いろいろ試しましたが、光の拾い加減含めて個人的には使いやすいと思います。⑤MG製作の際に多分必要とされていないとは思いつつ、完成後はほとんど見えないコクピットに座る付属のパイロットフィギュアも塗装してしまいます。ここに時間をかけるならほかのところに時間かけろよと心の声が聞こえるときもありますがついつい…。
❶キット本体の調整
❷ガンダム5号機からのパーツ移植
❸武器の調整
❹2個イチ工作完了
BANDAI SPIRITS 1/100スケール プラスチックキット “マスターグレード”RX-78-02 ガンダム(GUNDAM THE ORIGIN版)+RX-78-5 ガンダム5号機 改造
RX-78-05 ガンダム5号機(GUNDAM THE ORIGIN Ver.)
製作・文/SSC
MG RX-78-02 ガンダム(GUNDAM THE ORIGIN版)
●発売元/BANDAI SPIRITS ホビーディビジョン クリエイション部●4950円、2015年11月発売●1/100、約18cm●プラキット
ⓒ創通・サンライズ
SSC(エスエスシー)
プラ板工作をメインとしたパーツのスクラッチを得意とする中堅モデラー。工作精度がとにかく高く、仕上げの質感もきっちりしており、何かと頼れるお兄さん。