パネルラインを意識した塗り分けで、パキッとした「G-3ガンダム」を製作(G-3ガンダム完成編)【urahana3】
2022.08.025.パネルラインを利用して色分けにひと手間加える/RX-78-3 G-3ガンダム【BANDAI SPIRITS 1/100】 月刊ホビージャパン2022年9月号(7月25日発売)
前半では「塗装のための下地処理と塗り分けの考え方」についてHow to形式で解説してきましたが、ここではその過程を経て完成したurahana3による作例「 RX-78-3 G-3ガンダム 」を紹介! 表面処理と体系立てられた塗装ロジックによってメリハリを利かせた塗装にご注目ください!
MG RX-78-2 ガンダム Ver.3.0を使ってG-3ガンダムを製作しました、urahana3です。解説のメインはヤスリがけですが、塗装の思考法みたいなものを言語化してお届けするということで、キット自体はそのままシンプルに製作しています。ヤスリがけに関しては月刊ホビージャパン2022年5月号の特集でも解説しましたが、仕上がりがツヤ消しの場合、紙ヤスリ600番→ペンサンダーでスポンジヤスリ1000番というのが定番の方法です。紙ヤスリのかけ方はもしかしたら癖があるかもしれませんが、皆さん手がけの場合どうやっているんでしょうかね…。あまりこういう作業部分を見たことがないので、他のモデラーさんのやり方も見てみたいと思います。オリジナルのカラーリングで塗装する場合、まず素組みの段階でおおまかに配色を考えたりもしますが、いったんヤスリがけを終えてしまってから説明書に載っている完成写真をじっくり見て、具体的な色の配置を決めていくことがほとんどです。このパーツはこの色にしよう、ここにこの色を置いてみようというのは全部頭の中だけでイメージして決めていきます。色の置き方は正直なところ感覚がすべてなので、改めてそれを言語化するのは難しいと思っていましたが、今回は配色やそもそもの色のチョイス、合わせ方やバランス感覚などを自分がどう意識して決定しているのかを逐一考えながら作業を進めていくことで、ある程度は文字で説明できることが分かりました。写真とテキストで詳しく載せていますが、パネルラインやディテールごとのパーツ分解、凹ディテール、関節の際立たせ方などから色の構成を考えています。私は正直なところ工作のほうが苦手なので、塗装を工夫することによって情報量を増やしたり、密度感のある仕上がりに見せる方向に振っているとも言えますので、キットが元々ハイディテールである場合に特に向いているやり方であると思います。既存のディテールを最大限に活かしながら、「何かやっている感を出す」みたいな感じでしょうかね。そこに配色の妙ですとか、色のチョイスのセンスなんかが加わることで相乗効果が生まれ、目を惹くような作品が生まれるのだろうと思います。ある意味、最近のキットの方向性に上手くマッチするような手法なのかもしれないですね。
部分解説/urahana3
まとめ
このような感じでしたが、いかがでしょうか? 塗装のロジックに関しては、いつも感覚でやっているのでいざ言語化しようと思うとかなり難しかったのですが、自分がどういう思考で配色を決定しているのか、考え方があるといえばあるものなのかと気づかされました。感覚の中にもある程度のパターンはあるのかなと。とはいえ、色自体の選定の方法などはまさにイメージの中だけで決定しているものなので、ちょっとした色味の機微で合う・合わないを判断している部分などに関してはやはり説明が難しいです。ただ、今回言葉で説明できた部分だけでも何かの参考にしていただけるかとは思いますので、見てくださった方の製作の一助になれば幸いでございます。(文/urahana3)
BANDAI SPIRITS 1/100スケール プラスチックキット “マスターグレード”RX-78-2 ガンダム Ver.3.0 使用
RX-78-3 G-3ガンダム
製作・文/urahana3
MG RX-78-2 ガンダム Ver.3.0
●発売元/BANDAI SPIRITS ホビーディビジョン クリエイション部●4950円、2013年8月発売●1/100、約18cm●プラキット
ⓒ創通・サンライズ
urahana3(ウラハナサン)
独特な感性に基づいた塗装で、美しくメリハリのある仕上げを得意とする主婦モデラー。