「トリケラトプス」骨格標本プラモで博物館風のディオラマを作る!【Imaginary Skeleton】
2022.07.30Imaginary Skeletonトリケラトプス【BANDAI SPIRITS 1/32】 月刊ホビージャパン2022年9月号(7月25日発売)
Imaginary Skeleton第2弾キットを博物館風のディオラマに
BANDAI SPIRITSの新たなプラモデル「Imaginary Skeleton」シリーズ第2弾は、ティラノサウルスと並ぶ、人気恐竜のトリケラトプス。中生代後期白亜紀に北アメリカ大陸に生息した植物食の非鳥類型恐竜で、6600万年前に絶滅したとされている。そんなトリケラトプスの化石を、爬虫類・恐竜研究家である富田京一氏監修のもと、最新の学説や科学的知見を盛り込んだ固定骨格プラモデルとしてキット化。作例は月刊ホビージャパン2021年10月号にてティラノサウルスも担当した澤武慎一郎が担当。ティラノと同じく博物館展示をイメージしたディオラマとして完成させている。
トリケラトプス Triceratops 学術名:Triceratops
鳥盤目目 周飾頭亜目 角竜下目 ケラトプス科
中国語名:三角龍、三觭龍
地質時代:中生代白亜紀後期
全長:約9m 体高:約3m 体重:約12t 速度:32km/h(最大)
寿命:約30年 草食恐竜
前作ティラノサウルスに続き骨格標本模型第2弾です。前回同様、的確な分割と見事すぎる設計で舌を巻く出来映え。加えて信じられないほどゲートが小さく、よくこれで成型不良を起こさずパーツが抜けるものだと感心することしきり。これぞバンダイマジックなのか? ゲートが小さいため最小限の労力で処理が済み、あっという間に形になります。パチ組みでも充分なくらいです。パーツの合わせ目処理もほとんど分からないくらいですが「ここは埋めたい」的な箇所は流し込みセメントをスーっと流してやるだけで合わせ目が埋まり目立たなくなるのでお勧めです。
骨格標本っぽい塗装をします。まずグレーのサーフェイサーを全体に吹き明度を上げ、次にMr.カラー313番・イエローFS33531を吹き付けます。次に22番・ダークアースをまだらに吹き、感じを出していきます。陰影になりそうなところ、濃くしたい部分に41番・レッドブラウンを吹き骨格標本ぽく見えるよう仕上げていきます。これで博物館に展示される化石標本の雰囲気になります。
ベースは前回同様1パーツで雰囲気のあるものになっています。せっかくなので岩や草木に塗装を施し(この時代の植物は色が不明なのでもっとド派手な色かも)鉄道模型用のサンドを数種類撒き、草も生やしています。固定は水で溶いた木工用ボンドをスポイトで染み込ませて乾かします。
今回も博物館風のベースをとご依頼されたので、ひとひねり考えて2階建てのヴィネットにすることにしました。プラ板や角材を組み合わせて階段と2階フロアを作り、スペースや見映えを検討します。電飾もあるので計算の上で形を決定します。ベースの裏側はバッテリースペースのためリブを切り取り006電池を搭載、各ライトと配線を繋いでいきます。今回はウォームホワイトの3mm球を4灯使い、CRDは2対使っています。フィギュアは1/35ミニアートのトラム乗員/乗客セットとマスターボックス製ご婦人セットを使用。路面電車乗員には博物館職員に転職していただき、入場ゲートのモギリになってもらいました。
塗装に関しては箱絵を参考に好きに塗っていますが、女性の肌の色は特別製で、自前で混色した肌色に蛍光色を混色したものです。各フィギュアとも目線を計算しなるべく不自然にならないよう配置して固定します。トリケラトプス自体もそうですが、各フィギュアには0.8mmの真鍮線でベースと繋いで接着固定。接着だけだとどうしても経年でポロっと外れたりしてしまうので。
作例を動画でチェック!
BANDAI SPIRITS 1/32スケール プラスチックキット
Imaginary Skeleton トリケラトプス
製作・文/澤武慎一郎
Imaginary Skeleton トリケラトプス
●発売元/BANDAI SPIRITS ホビーディビジョン●3960円、発売中●1/32、約23cm●プラキット
ⒸBANDAI SPIRITS
澤武慎一郎(サワタケシンイチロウ)
船やSFもの特撮ものを製作するマルチモデラー。電飾やディオラマも手掛けるなど幅広いテクニックと知識を持つ。