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IMS 1/100「ヴァイ・オ・ラ」の使い込まれた風合いを筆塗り仕上げで表現【ファイブスター物語】

2022.08.08

ヴァイ・オ・ラ(クルマルス2) 【ボークス 1/100】 月刊ホビージャパン2022年7月号(5月25日発売)

ヴァイ・オ・ラのメイン画像

歴戦の証を筆塗装で刻みつける

 名工ゼビア・コーター公が手掛けたクルマルス・シリーズの2番騎、ヴァイ・オ・ラ。星団暦2300年代に作られたいにしえの機体ながら、その性能は600年以上が経過した2992年時点でも一線級だ。IMS版のヴァイ・オ・ラが発売されたのは2017年。過去IMS製品のノウハウを基に、ポリキャップの組み付けやすさやパーツの嵌合強度も飛躍的に高まっており、作りやすい一体となっている。そんな名キットの作例を担当するのは、筆塗りを得意とする新進気鋭のペイントマスター・大森記詩。「稀代の名騎」の使い込まれた風合いを筆塗り仕上げで表現している。MHは光沢仕上げが主流でウェザリングは忌避されがちな題材ではあるが、本騎のようなヴィンテージかつ勇猛なMHを塗装する際は、筆特有のテクスチャーを生かす仕上げ方も充分にマッチするはずだ。

ヴァイ・オ・ラのパッケージ画像

IMS 1/100 ヴァイ・オ・ラ(クルマルス2)

●発売元/ボークス●10670円、2017年12月発売●1/100、約24cm●プラキット●原型/大石凡(造形村F.S.S.プロジェクトチーム)


ヴァイ・オ・ラの正面全体画像
▲ 作例はパイドパイパー傭兵騎士団のエース、イアン・ケーニヒ搭乗時を再現した、黄色い頭部で十字目の「パイドパイパー仕様」で製作。製品にはオレンジ色で眼光が鋭い「バキン・ラカン仕様」の頭部も付属しており、どちらかを選んで組み立てることができる
ヴァイ・オ・ラの背面全体画像
▲ 作例は缶スプレーで下地塗装後、ガイアカラーのダークイエロー2にビビッドオレンジを混色したもので全身のイエローを筆塗り。平滑なエアブラシ塗装では表現できない、ランダムで細かいタッチが刻まれたテクスチャーに注目( ダークイエロー2の商品詳細はこちら) ( ビビッドオレンジの商品詳細はこちら)
ヴァイ・オ・ラのマント状アーマーの画像
▲ 背中から大きく張り出したマント状のアーマーは上下2層構造になっており、精密なモールドも相まってキットの見せ場のひとつとなっている。ただし、大きいぶん相当に重量があるため、作例はあえて下半身の関節を固定して自立させやすくしている
ヴァイ・オ・ラの右側バストアップの画像
ヴァイ・オ・ラが右手に持っているスパイドの画像
▲ 音速の剣技でブラッド・テンプルを次々と血祭りに上げたスパイドも筆で塗装。Mr.カラーのシルバーにガイアカラーのブライトシルバー、Ex-ホワイトを少量加えて調色し塗り分けた。「浮島っ!!」( ブライトシルバーの商品詳細はこちら) ( Ex-ホワイトの商品詳細はこちら)
ヴァイ・オ・ラの正面アップの画像
▲ フレームなど各部のグレーは、イエローの本体装甲以上にザラついた仕上げとしてテクスチャー表現を変えているのがポイント
ヴァイ・オ・ラのアーマー内の画像
▲ IMSシリーズは総じてスカートアーマー裏のディテールも妥協なく再現されている。見せ場のひとつとなるので、しっかりと塗り分けてやろう 
右手にスパイドをかまえたヴァイ・オ・ラの左側からの画像
▲ ピエロのようなフェイスや大きく張り出したマント状アーマー、重いベイル(盾)の代わりに取り付けられた左前腕の「ソードストッパー」(斬撃を受け流す小型の防具)など、個性的な外観のヴァイ・オ・ラ。「傭兵の駆る歴戦の騎体」という出自や、作中での獅子奮迅の活躍も相まって、多くのファンを獲得した傑作デザインである
ヴァイ・オ・ラの左前腕のソードストッパーの画像
脚部の後ろ側の画像
▲ 数色のフレーム色の塗り分けによりエッジが強調され、メリハリの効いた脚部フレーム。こうしたエッジワークは筆での塗り込みが活きる部分
▲ 左胸のマーキングは水転写デカールが用意されている

■筆のタッチと色調の変化でMHのテクスチャーを表現/大森記詩

下地を施しフレームとアーマーを筆塗りした画像
▲ 騎体色を考慮して缶スプレーのタミヤ ファインサーフェイサー オキサイドレッドで下地を塗装後、フレームとマント状アーマーをMr.カラーのIDFグレー3をベースにRLM02グレーとミドルストーンを調色して筆塗り(ファインサーフェイサーL の商品詳細はこちら) ( IDFグレー3 の商品詳細はこちら) (RLM02 グレーの商品詳細はこちら) (ミドルストーンの商品詳細はこちら)
製作途中のヴァイ・オ・ラの顔を手に持っている画像
▲ 顔はMr.カラー キアライエローにガイアカラーのビビッドオレンジを少量加え塗り分けた。ヴァイ・オ・ラはフェイス、スカートアーマー、脚部アーマーに黄色のワンポイントが入るが、下部にいくほどオレンジの割合を増して色味を変えている(キアライエローの商品詳細はこちら) (ビビッドオレンジの商品詳細はこちら)
製作途中のヴァイ・オ・ラを仮組して全体感を確認している画像
▲ 部位ごとに塗り進めながら、都度組み合わせて全体感を確認。この段階で上半身、腰、脚部と色調を3段階に塗り分けた。上半身にいくほどイエロー系の割合が強く、脚部はグリーン系の割合を強くしている
製作途中の脚部の画像
▲ エッジ部分を中心にタッチを加えた左脚と、タッチ前の右脚を比較。各部の騎体色が決まってきたところで、各色の明度を調整してフレームからタッチを残すようにして描き込みをしていく。脚部のパイプ、胴、肩アーマーのインナーなどは、Mr.カラーの色ノ源マゼンタを加えて設定画に見られる紫の色味を表現しつつアクセントとした( 色ノ源マゼンタの商品詳細はこちら)
製作途中のマント状アーマーの画像
▲ マント状アーマーもエッジやディテールラインにタッチを重点的に加えていく。この段階で、タミヤエナメルのクリヤーオレンジとジャーマングレイを調色して各所のスミ入れを行った(クリヤーオレンジの商品詳細はこちら) (ジャーマングレイの商品詳細はこちら)
製作途中のボディとマント状アーマーの画像
▲ 仕上げ段階。この段階になると、各部の描き込みに用いる色もMr.カラーのグレーFS36622にこれまでアーマーの塗装で用いてきた機体色をわずかに加えたものへとシフトしている。ここまでの筆塗りによる色の重なりを活かすように意識しながら、全体を整えていく( グレーFS36622の商品詳細はこちら)

 モーターヘッド、空中戦車、装甲化突撃特殊歩兵etc.と、永野先生のさまざまなデザインやミリタリーへの造詣が隅々まで散りばめられていることから、幾度となく読み返してきたカステポー編。その劇中で大活躍したヴァイ・オ・ラです。特徴的なフェイスバイザー、ボリュームのある曲面かつ広いアーマーにシックなカラーリングも印象的な騎体ですよね。今回のテーマは「数百年間引き継がれてきた名騎を筆塗りで重厚感のある仕上がりに!」ということで、19m級の巨大兵器という点も踏まえつつ、初めてのモーターヘッド製作にチャレンジしてみました。

■騎体色の解釈と巨大感をどのように表現するか
 まずはその騎体色です。印刷の差と言ってしまえばそれまでながら、これまで刊行されてきた印刷物ごとに異なる色調があります。どれも捨て難いのでキットを組みながらどのようにしようか悩んでいきます。ついついカステポー編もじっくり読み返してしまったところで、今回はリブート5の巻頭と、組立説明書に収録されているカラーイラストを合わせてみることにしました。彩度が低めの説明書版にリブート版を重ねていくような塗装イメージになります。さらに上半身と下半身で配色を変え、スカートアーマーはこの中間の階調としました。全体が単調にならないようにしつつ、色の明暗によってモーターヘッドの巨大感も表現してみようという試みです。この騎体色ですが、ガイアカラーのダークイエロー2にビビッドオレンジを調色したものと、Mr.カラーのIDFグレー3にRLM02グレーを調色したものを用意しました。これらをメインとして塗り進めながらそれぞれを混色しつつ、Mr.カラーのミドルストーンやグレーFS36622などを適宜加えていきます。

■仕上げでテクスチャーを描き込む
 仕上げ段階では筆跡を活かしていくように意識しました。塗り初めからしばらくはMr.リターダーマイルドを添加して薄く透過させながら塗っていきますが、ここではエッジや形の稜線を中心に筆先を利用しながらハッチングのように筆跡を重ねます。さらにこれを所々クロスさせるようにしながら、全体感を整えつつ歴戦の騎体特有の擦れも表現していきます。リターダーによる塗り重ねでツヤのある塗装面に筆塗り特有のテクスチャーを描き込みながら、思い描く風合いができたところで完成としました。

ヴァイ・オ・ラの正面全体画像

ボークス 1/100スケール プラスチックキット
“INJECTION ASSEMBLY MORTAR HEADD SERIES”

ヴァイ・オ・ラ(クルマルス2)

製作・文/大森記詩

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ⓒEDIT ,All rights reserved. 創作造形ⓒ造形村/ボークス

大森記詩(オオモリキシ)

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