HOME記事キャラクターモデル「Figure-rise Standard 仮面ライダーBLACK」製作キットレビュー! 関節作り込み&電飾加工でさらにカッコよく

「Figure-rise Standard 仮面ライダーBLACK」製作キットレビュー! 関節作り込み&電飾加工でさらにカッコよく

2022.06.27

仮面ライダーBLACK【BANDAI SPIRITS】 月刊ホビージャパン2022年8月号(6月24日発売)

変身! ライダーブラック

 君は見たか!? Figure-rise Standardシリーズに、昭和仮面ライダー作品としては初となる仮面ライダーBLACKが参戦! 製品は劇中で披露したアクションの数々を再現できる秀逸な可動性能はもちろん、銀色のパーツにエクストラフィニッシュ加工が施され、さらに漆黒の痩躯に差し込む赤黄のラインも成型色で忠実に再現するなど非常に気合の入った構成となっている。作例では撮影用スーツのスタイリングに近づける工作に加え、頭部と変身ベルトに電飾を追加。21世紀に蘇った「黒い騎士」の完成度を高めている。

▲暗黒結社ゴルゴムと戦う正義の戦士・仮面ライダーBLACK。キットは漆黒のボディや有機的な形状の関節部などの特異なフォルムを見事に再現している

▲ライダーセンサー(アンテナ)を金属線に置き換え。またクラッシャー(アゴ)のエッジを削り込んで滑らかに修正。マルチアイ(複眼)はUV硬化樹脂を盛り足すことで、上辺を少し伸ばしてより涙滴型の形になるようにしている

▲変身ベルトのメカニカルなモールドは非常に精密な出来。製品は銀一色なので、黒でスミ入れしたり、タイドステイタ—(緑色のボタン状の部分)などを塗り分けてやるとさらに質感が上がるぞ
▲キット素組み(左)と比較。作例はヒジ、股関節などの関節部をボリュームアップ、さらに手首、足首を細く削り込み、よりタイトなシルエットに仕上げている。作中でも度々光り輝く頭部マルチアイ(複眼)やベルトのエナジーリアクター(クリアーパーツ部)はLED配線で電飾。胴体内蔵のボタン電池で給電する仕組み

BLACK ACTION!!

 Figure-rise Standard版仮面ライダーBLACKは、全身の引き出し関節や多重関節の恩恵により凄まじい可動域を誇る。これにより、劇中で披露した必勝パターンの動作を忠実に再現できるのだ!

バイタルチャージ

▲必殺攻撃を繰り出す際の予備動作。拳を胸の前で合わせたのち、ベルトのエナジーリアクターが回転・発光することで体内のキングストーンエネルギーを増幅。両腕をL字に組んで全身の細胞にエネルギーを送り込む。これにより、繰り出す技の威力が数倍に上昇するのだ。しなやかな腰関節と肩の引き出し関節の恩恵により、腕を組んだファイティングポーズもご覧の通り

ライダーパンチ

▲拳にキングストーンのエネルギーを集めて放つ必殺パンチで、急降下パンチ、アッパーパンチ、連続パンチなど派生技も豊富。主にライダーキックへの繋ぎ技として繰り出すが、コガネムシ怪人など一部の敵はこの技で葬っている

ライダーキック

▲数多の強敵にとどめを刺した、BLACK最強の必殺技。バイタルチャージによってキングストーンのエネルギーを凝集させた右足は、空気摩擦を伴って赤熱化。厚さ30cmの鉄板をもぶち抜く破壊力を有するという
▲下半身の各関節が柔軟に動かせるので、必殺の一撃を見舞った後、崩れ落ちる怪人と相対する際の独特のポーズももちろん再現可能だ
▲ハンドパーツは片側だけで5種類付属。人差し指と中指を立てた独特のハンドパーツを筆頭に、劇中のさまざまなアクションに対応した形状がうれしい

▲作例はマルチアイと変身ベルトを1mm極小LEDで電飾。まず頭部側の目の土台部を削りつつ、凹面鏡のように凹ませる。そこにキット付属の反射シールを貼り、目の上側、キワの位置に極小LED(※1)を配置。光の拡散用に自作した薄いクリアーパーツを重ねた後、さらにキットの複眼パーツを被せることで、光が目全体に回るようにしている。電源は胴体に仕込んだボタン電池から給電、胴体内部のスイッチボックスでオン/オフ可能とした。電源操作の簡便化のため、背中のパーツはネオジム磁石接続で脱着できるようにしている(※2)

▲股関節のフィルブローン(筋繊維状の部分)はパテで肉厚に整形し、撮影用スーツの形状に近づけた。また、太モモパーツ上部のエッジが張っていて足を開いたときに目立つので縁に切れ込みを入れ、すぼめるように再接着して整形。モモ外側のラインを整えている
▲キットの拳は成型の関係から親指まわりが埋まっているので、彫り込みで立体的に整形。また前腕やスネのパワーストライプス(ライン状模様)のパーツが大ぶりなので、薄く削り込んで前腕のシルエットを調整。ヒジ関節はパテで肉抜きを埋めるついでに、可動に影響のない範囲でポリパテを盛って繊維状モールドの厚みと立体感を足している
▲胸部のパワーストライプスは、中央の角度を調整するためにパテで形状変更。パワーストライプス自体のモールドもパテでならして平滑にした
▲頭部の形状変更。口元の横線の下側2段が短めなので、パテで横方向に延長。また頭部が縦に長いためか面長に見えるので、頭頂部~側頭部にかけてパテを盛り削りして幾分大きく、丸みを持たせている

 Figure-rise Standardから待望の仮面ライダーBLACKの登場です。本シリーズにおける昭和ライダー作品の初立体化に選ばれるあたり、BLACKの根強い人気がうかがえますね。キットはスタイリングも可動性能も秀逸で、劇中のさまざまなポーズを取らせることができるので、その長所は潰さずに関節部の処理等気になる箇所に手を入れてみます。

■工作
 個人的にアゴは丸まっている方が好みなので、アゴの角張りを抑えるために、削り込んで滑らかなラインにしつつ、形状を整えています。複眼(マルチアイ)も撮影用スーツではもっと縦長に見えるので、クリアーパーツの表面にUV硬化樹脂を盛り足すことでほんの少し形状を変えています。
 前腕やスネのストライプを再現するパーツがやや大きく、腕輪、足輪状になっているので、削り込んで細くしています。ここは比較的手軽に工作できるのでおすすめポイントです。ヒジの筋繊維状の関節パーツ(フィルブローン)は、肉抜きを埋めるついでに、可動に影響のない範囲でポリパテを盛ってもう少し厚みとディテールを増やしました。

■塗装
黒=タミヤ LP-1ブラック
赤=C385 紅色(日本海軍機用)
黄=C4イエロー
シルバー=ガイアカラー スターブライトシルバー
パープル=スターブライトシルバー+ガイアカラー 純色バイオレット
関節=C100 マルーン+C7ブラウン(茶)
 特記のない塗料はGSIクレオス Mr.カラーを使用。胸部、袖口等のラインは、白デカールに塗装したものを切り出して貼っています。その後、エナメル塗料でスミ入れ。最後にクリアーを吹き、ツヤを整えて完成です。当時の撮影に用いられたアップ用スーツをイメージして、頭部と肩パーツは光沢に、その他は半ツヤくらいで整えています。

BANDAI SPIRITS ノンスケール プラスチックキット “Figure-rise Standard”

仮面ライダーBLACK

製作・文/渡辺圭介

Figure-rise Standard 仮面ライダーBLACK
●発売元/BANDAI SPIRITS ホビーディビジョン クリエイション部●3520円、発売中●約16cm●プラキット

Ⓒ石森プロ・東映

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渡辺圭介(ワタナベケイスケ)

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