つやつやピカピカな完成品を目指して!「セラミックコンパウンド」&「コーティングポリマー」で磨き仕上げ【工具&マテリアルガイド】
2022.07.08
「セラミックコンパウンド」/「コーティングポリマー」 模型作りが楽しくなる工具&マテリアルガイド(2月21日発売)
つやつやピカピカな完成品を目指して
模型の表面を光沢に仕上げる方法をいくつか紹介してきましたが、研磨剤のコンパウンドで磨くことでより一層の輝きを模型にもたらすことができます。また、模型用ワックスを併用すれば、コンパウンドで磨いた面のつやをさらに整え、表面をコーティングし指紋や汚れから模型を守ってくれます。
ここで紹介する「セラミックコンパウンド」と「コーティングポリマー」の組み合わせは、“ピカピカに磨く”→“つやを整え表面を保護する”という作業の流れを理解するのにもってこいのマテリアルです。これらを使ってピカピカ仕上げに挑戦してみます。
磨き作業の基本をチェック
Impression
▲ 磨く際には「セラミックコンパウンド」→「コーティングポリマー」の順番で作業します。使用前に容器をよく振って撹拌しましょう。まずはコンパウンドを磨き作業用に最適な「スーパーポリッシングクロス」に数滴出して浸み込ませます
▲ コンパウンドを浸み込ませたらパーツを磨きます。力を入れすぎず指圧で軽くパーツを撫でるように磨き作業を繰り返します
▲ 磨き終えたら湿らせたキッチンペーパーなどで表面を水拭きします。これをしないと、目には見えませんがコンパウンドの粒子が表面に残っているので、光沢感が損なわれたり、この上から塗装する場合は残った粒子が塗面に影響したりしてしまいます。凹凸のあるパーツなどは特にしっかりと拭き取っておきましょう
▲ コンパウンドでの作業を終えたら、同じ手順でコーティングポリマーでも磨きます。こちらはコンパウンドで磨いた後のつやを整えるほか、帯電や酸化を防ぐ効果により表面を保護し、模型を汚れや指紋から守ってくれます
※コーティングポリマーは塗料をはじくので、この作業はすべての塗装作業が終了した後に行ってください
▲ 表面が乾いたら、最後にコンパウンドやポリマーが付いていないクロスで乾拭きして作業完了です。磨く前のパーツ(左)と磨いたパーツ(右)を比べると、プラスチックを磨いただけでこれだけの光沢を出せることが分かります
クリアーパーツは磨きの効果が抜群!
How to use
▲ 透明度が重要なクリアーパーツの作業でコンパウンドは大活躍します。パーティングラインやゲート跡を600番、800番、1000番の順でしっかりヤスリがけしたクリアーパーツを磨いていきましょう(神ヤス!の商品情報はこちら)
▲ 1000番まで終わったら、磨き用のヤスリ「神ヤス!磨」の2000~10000番でヤスリがけを行い、表面を整えていきます
▲ その後、セラミックコンパウンド→コーティングポリマーの順で磨きます。特にクリアーパーツは傷がとても目立ちやすいので優しく磨きましょう
▲ 磨き作業後(左)はランナー状態のパーツ(右)以上の透明度になっています。ゲート跡も消えとてもきれいに仕上がります
※前述した通り、コーティングポリマーは塗料をはじくので、写真のようなキャノピーパーツに作業する場合は、枠の塗装が終わってから行いましょう
ピカピカのカーモデルに挑戦!
How to use
▲ ハセガワ「トヨタ カローラ レビン AE92 GT APEX 前期型」(3520円)を塗装、ボディをピカピカに仕上げていきます。プロのカーモデラーが作品を作る場合、常に塗膜に気を使い、下地から本塗装、クリアーのコーティングまで、すべての層が平滑になるようにしています。今回はきちんと手順は踏んでいますが、プロのカーモデラーのような厳密さは求めず、肩の力を抜いて挑んでいます
▲ まず基本塗装。ボディのレッドの他、窓枠なども塗り分けし、一度全体をクリアーでコートします
▲ 色を塗ったパーツ表面に光を当て、写真のような反射が出たら、表面に凹凸がある証拠。この部分を平滑にしてきれいな光沢にしていきます
▲ 凹凸のある部分の表面を高い番手のヤスリで平滑にしていきます。この時に削るのはクリアーの層までに留めるのですが、その下の塗装面まで削ってしまうこともあるため力加減に注意。今回は4000番と6000番を使用。ヤスリがけの後に一度水で洗浄してから、クリアーを3回程度重ねて塗装します
▲ クリアーがしっかり乾いたらコンパウンドの出番。この段階でまだ表面の凹凸が大きく目立つ部分があれば、再度2000~10000番のヤスリで磨き直しましょう
▲ コンパウンドをクロスにつけて磨いていきます。力を入れ過ぎず、特にドアノブの周りなど、凹凸があるところは丁寧に作業しましょう。この作業が仕上がりに大きく影響しますので、表面の仕上がりを見ながら納得いくまで磨きます
▲ 磨き終わったらしっかりと洗浄します。中性洗剤を筆にとって、表面を撫でるように洗いましょう。カーモデルはヤスリをかければ洗い、サーフェイサーを吹けば洗い、塗装をすれば洗いと、工程を踏むごとに洗浄して表面をきれいにするのがピカピカに仕上げるコツです
▲ 仕上げにコーティングポリマーで磨いたら磨き作業終了です。パーツを組み、きれいなクロスで乾拭きして指紋等をきれいに拭き取ったら完成です
▲ ディスプレイ用のクリアープレートも製作。透明プラ板にクリアーレッドを吹き付けコンパウンドとコーティングポリマーで磨き上げます
▲ クロスは作業を終えたらしっかり洗って乾かしておけば再使用できます
▲ 木製のベースに製作したクリアプレート、パッケージから切り出した簡易ネームプレートを組んで完成です。ボディ、ディスプレイ共にピカピカな仕上がりになりました
まとめ
つやつやピカピカの完成品。コンパウンド、コーティングポリマー、専用クロスが揃っているので、まずはこれらを手順通りに使ってみることで光沢出しの基本を学ぶことができます。コンパウンドを使った磨きは非常に根気のいる作業で、突き詰め過ぎると終えどころを見失ってしまいますし、手軽とはなかなか言い難いですが、挑戦してみないことには始まりません。まずは肩の力を抜いて「いつもより少しピカピカにしてみよう!」くらいの気持ちで始めてみるのがよいかもしれません。
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