• HOME
  • 記事
  • スケールモデル
  • 今さら聞けない! 陸上自衛隊10式戦車今さら聞けない! 陸上自衛隊10式戦車今さら聞けない! 陸上自衛隊10式戦車

今さら聞けない! 陸上自衛隊10式戦車

2022.06.16

陸上自衛隊10式戦車●宮永忠将、大森記詩 月刊ホビージャパン2022年7月号(5月25日発売)

今さら聞けない! 陸上自衛隊10式戦車

 陸上自衛隊 
 10式戦車 

イラスト/大森記詩
撮影/三環しおん

 戦車、飛行機、船、車、バイク、城などなど、世の中のさまざまなモチーフがプラモになっています。
その中に、「名前は知ってるけどどんなものなんだろう?」「いまさら聞くのも恥ずかしいなぁ……」なんて思ってしまうものが多数あると思います。今月からスタートする新連載「いまさら聞けないすごいヤツ」では、毎月1テーマのド定番モチーフを取り上げます。サクッと読める解説とイラスト、オススメのキット1点を織り交ぜてご紹介していきます。毎月読むたびに、模型店の棚にある素敵なモチーフたちとお友達になれますよ!!
 連載1回目のテーマは配備からすでに12年も経過している(もうそんなに経ったの……)僕ら日本の主力戦車「10式」をお届けします。それでは新連載、行ってみましょう!!!


 10式戦車SPEC

製造/三菱重工 
全長約/9.42m 
全幅/約3.24m 
全高/2.3m 
重量/44t 
最高速度/70㎞/h

エンジン/液冷4ストロークV8ターボディーゼル1200ps 
懸架方式/油気圧式 主砲/10式120mm滑腔砲(口径長44) 
車載機銃/12.7mm重機関銃M2、74式車載7.62mm機関銃 
乗員/3名


10式イラスト右側面

 2010年に制式採用された陸上自衛隊の国産主力戦車。国産の120mm滑腔砲を搭載。射撃統制装置などの性能向上で、10式の代名詞ともなっている「S字スラローム射撃」が可能。走行中でも動く目標物に対して百発百中の命中精度を誇ると言われています。車体や砲塔に脱着式のモジュール装甲(当初から交換可能な構造を持って車両に組み込まれている装甲のこと)を採用して防御力と運用性を高め、トレーラー輸送により日本全国への迅速な展開が可能です

10式イラスト正面
10式イラスト後方
10式イラスト左側面

10式戦車ってどんな戦車?

解説/宮永忠将

 陸上自衛隊が使用している「世界最強の一角を占める主力戦車」だよ!! 

 10式戦車(通称ヒトマル)は、陸上自衛隊が使用している主力戦車(MBT)だ。2010年に装備化されたので、これまでの陸自戦車に倣い、西暦の下二桁が呼び名となった。長らく陸自戦車部隊の中核戦力として頑張っていた74式戦車が退役するので、その穴を埋める位置づけである。
 戦車の性能を見るには、速度や装甲、戦車砲の威力や電子戦装置などのさまざまな角度がある。その点、ヒトマルについてなら「世界最強の一角を占める主力戦車」と断言できるだろう。なぜそう言い切れるのか?

 ライバルたちにも引けを取りません!! 

 戦車にはざっと100年の歴史がある。その間にさまざまな戦車が登場したが、第二次世界大戦後にMBT(主力戦車)という概念が共有されると、戦車の性能の目安に「世代」という言葉が使われるようになる。現在では「第3.5世代」と呼ばれる戦車がもっとも優れているとされる。アメリカのM1A2エイブラムスや、ドイツのレオパルト2A7、イギリスのチャレンジャー2、フランスのルクレール、イスラエルのメルカヴァⅣなどが該当する。

 第3.5世代戦車の期待のルーキー!! 

 だいたい1990年代に出そろった、日本の90式戦車を含む「第3世代」戦車は、高命中率の火器管制システムや、高初速徹甲弾、成形炸薬弾のいずれにも高い防御力がある複合装甲、そして頑丈なエンジンと高い機動性などを誇る。この第3世代戦車に車両位置共有システムなどITを介した高度なネットワークシステムを組み合わせ、モジュール装甲などの新技術を組み合わせたのが「第3.5世代戦車」なのである。ヒトマルはこの「第3.5世代」の中でも、もっとも新しい戦車なのだ。

 10式戦車は本当に強いのか!? ポイントは「軽さ」にあり!!! 

 こうなると「第3.5世代」の中でヒトマルはどれくらい強いのか気になるが、この答えは簡単ではない。
 例えば比較を試みると、ヒトマルには他国のライバル戦車と比べて、ひとつ大きな違いがある。重量が44tとかなり軽量なのだ。だいたいどの戦車も50tを超えているし、M1A2エイブラムスは69tなので、ヒトマルは軽すぎる。重量の差は、主に装甲など戦車の装備の違いを意味するので、基本的に軽い戦車は重い戦車と真正面で殴り合うと力負けする可能性が高い。
 だけど、ヒトマルは日本本土に侵攻してくる敵を迎え撃つという目的で設計、開発された戦車である。他国に攻め入る攻撃的な運用を想定していないのだ。そして日本の国土は山がちで森林と河川が多く、平野部は高度に都市化されている。こういう土地で戦うには、軽量で小型の戦車のほうが取り回しがよく使いやすい。重い戦車では道路や橋が限られ、山岳地にも向かないからだ。90式戦車開発当時の敵は旧ソ連の戦車部隊であり、戦場は北海道と想定されていたので、重量50tの戦車でも良かった。しかしヒトマルは本州以南、とくに九州での運用を想定して開発された戦車だというのを覚えておいてほしい。
 日本の戦車は61式、74式、90式、そしてヒトマルと、20年間隔で更新されてきた。これに倣うなら次は30式戦車となりそうだ。案外、次の戦車は早く姿を現すかも知れない。


文字2

初めての「ヒトマル」はタミヤの1/48 ミリタリーミニチュアがオススメ!!

 2016年に発売されたタミヤの「1/48 10式戦車」は、組み上がった時のサイズ感や、各所のディテールのかっこよさとどれをとっても一級品です!! 超絶マストバイなプラモなので、全モデラーにオススメです。

完成すると約20cmのボリューム

タミヤ10式戦車
▲満足感あるボリュームと、凝縮された各部のディテールが目を喜ばせてくれます

滑り止めの表現が凄い!!

滑り止めの表現
▲パーツに寄ってみると、表面に超細かい滑り止めが表現されています

間もなくゴムなのでは!?

ゴム製のサイドスカートパーツ
▲ゴム製のサイドスカートの動きをプラ成型で表現。これがタミヤの戦車模型の演出だ!!

精悍な戦車長を乗せれば、鬼に金棒!

戦車長フィギュア付属
▲3Dスキャンから造形された精密なフィギュアが付属。ぜひ戦車に乗せてください

1/48 陸上自衛隊10式戦車

●発売元/タミヤ●2200円、発売中●1/48、約19.9cm●プラキット

この記事が気に入ったらシェアしてください!

関連記事

関連書籍

月刊ホビージャパン2022年7月号

ご購入はこちら

AFVモデリングのための教科書

ご購入はこちら

陸上自衛隊航空機写真集

ご購入はこちら
PAGE TOP
メニュー