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「スプレー缶ぽいぽい。」でちょっと不安な缶スプレーの“廃棄”をサポート【月刊工具】

2022.05.10

月刊工具 模型の入り口はいつの時代も工具から。 月刊ホビージャパン2022年6月号(4月25日発売)

「スプレー缶ぽいぽい。」でちょっと不安な缶スプレーの“廃棄”をサポート【月刊工具】

ちょっと不安な缶スプレーの廃棄をサポート

 毎回工具&マテリアルをピックアップしてお届けする好評連載「月刊工具」。今回は缶スプレーの廃棄を手助けするアイテム「スプレー缶ぽいぽい。」をピックアップ。準備も塗装も手軽にできる缶スプレーですが、使い終わり中身があと少しといったときに廃棄処理が面倒に感じることがあるでしょう。サーフェイサーなどの使用頻度の高い缶スプレーならそのうち使い切ればよいのですが、特定のキットに適した専用カラーなどは、完成品ができたあと使いどころがなく放置されてしまう、なんてことがしばしばあります。こういった中身がまだある缶スプレーの処理をこの「スプレー缶ぽいぽい。」を使って行ってみましょう。

076 Product_name Spray can poipoi
解説/けんたろう、月刊工具スタッフ


▼実際に使用している動画もチェック!


スプレー缶ぽいぽい。 商品画像
スプレー缶ぽいぽい。のセット内容画像 その1
スプレー缶ぽいぽい。のセット内容画像 その2
▲ ポリプロピレンの本体容器と塗料の飛散を防ぐフィルター、フィルターケース、そして缶スプレーに取り付けるロングノズル2種(3mm用、4mm用)がセットになっています。このほかに交換用のロングノズル2種(各390円)と交換用のフィルター(3枚入り、580円)も販売中

スプレー缶ぽいぽい。

●発売元/ファインクリエイション●1980円、発売中

ミストや臭気の拡散を抑えて中身を出しきれます

Impression

容器にティッシュをつめている画像
フィルターをセットしたフィルターケースに蓋をしている画像

▲ まず使用準備から。本体容器のなかにビニール袋を敷き、その中にティッシュを詰めます。このティッシュが塗料をキャッチするので、ギュウギュウにならない程度にしましょう。そのあとフィルターをセットしたフィルターケースで蓋をします

フィルターケースの中央に穴を差している画像
ロングノズルを取り付けた缶スプレーの画像

▲ フィルターケースの中央の穴からロングノズルをテッシュを詰め込んだあたりまで差し込みます。缶スプレー側は元の吐出部分を取り外してロングノズルを取り付けます。3mm用、4mm用の2種類あるので、どちらの径が対応するかを先に確認しておきましょう。これで準備完了です

缶スプレーとスプレー缶ぽいぽい。の容器にロングノズルをつなげ、塗料をだしている画像
▲ ロングノズルがしっかりと取り付けられていることを確認したらあとはボタンを押して中身を出します。フィルターがミストと臭気の拡散を抑えてくれるので、塗料が出なくなるまで吐出させましょう。中身が残り少しであればガムテープ等で固定すると簡単に出し切ることができます。中身が多い場合は缶が極度に冷えてしまう、塗料の出が悪くなるといったことがありますので、何回かにわけて行うようにしましょう

フィルターケースを外した画像
フィルターケースにセットしていたビニール袋を外しゴミ箱へ捨てている画像

▲ 塗料をぜんぶ出し切ったら、フィルターケースを外しビニール袋ごと取り出します。その後、しっかり乾燥させたら塗料もスプレー缶も廃棄することができます(処分のルールは自治体ごとに異なるのでそちらに従ってください)

換気は必須! 屋外で使用しましょう

 中身を容器に吐出している際はフィルターが臭気の拡散を抑えてくれていますが、中身を廃棄する際には取り出して溶剤を揮発させる必要があります。取り出す際は容器から臭気が拡散しますので屋外での作業、または塗装ブース等を使用しましょう。

How to use

NOSERUのランナーに水色のスプレー缶塗料を吹き付けている画像
▲ まだ中身がある缶スプレーを使って、コトブキヤの「NOSERU[ホワイトVer.]」(3300円、発売中)を製作します。今回はランナーの状態で塗装していきます
ゲートから切り離されたNOSERUのパーツ画像
▲ パーツにしっかり色がついたところでゲートから切り離します。アンダーゲートのパーツなので塗装されていないゲート跡も目立ちづらいですがしっかりとリタッチしていきます
フィルターケースに紙コップをセットし塗料を取り出した画像
ロングノズルから塗料皿に塗料を取り出している画像

▲ リタッチの際には、裏技的な使い方になりますが「スプレー缶ぽいぽい。」を活用してスプレー缶の塗料を取り出します。容器内に詰めるティッシュの変わりに紙コップを入れることで、吐出した塗料を溜めることができます。内部に飛沫が飛びますが、フィルターのおかげで外に塗料が飛散することはありません。またほんの少しの量であれば、ロングノズルから塗料皿に直接取り出すこともできます(こちらは飛散に要注意)

ゲート跡の部分を筆を使用しリタッチしている画像
スプレー缶に残っている塗料をスプレー缶ぽいぽい。にだしている画像

▲ あとは取り出した塗料を使ってゲート跡部分をリタッチします。缶スプレーと筆塗りの組み合わせであっという間に塗装できました。最後に残った塗料は出し切って処理します。

完成!

完成したNOSERUの画像

取り出した塗料には
ガスが含まれています

紙コップに入った塗料の画像

 缶スプレーはガスで塗料を吐出するため、缶から取り出した際にはガスが含まれています。そのため取り出した塗料は保存には向かないのでその時に使い切るか、使用後は廃棄しましょう。密閉容器に入れてしまうと、残ったガスの影響で開けた瞬間に飛び散ったり、最悪容器が破損することがあります。塗料の取り出しは推奨される使い方ではないため取り扱いには注意しましょう。

まとめ

 缶スプレーの残った中身は屋外で放出すればよいのでは?と思われるかもしれませんが、塗料の飛散はもちろん、可燃性のガスが拡散するため取り扱いは怖いものです。ただこの廃棄処理までしっかり行うことが大切です。安全に廃棄処理を行えるという点でも「スプレー缶ぽいぽい。」がその手助けをしてくれますのでぜひ活用してみてください。


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