用途に特化した「ストレーキング筆」&「スミ入れ筆」で作品のクオリティをアップ!【工具&マテリアルガイド】
2022.05.06
「ガイアブラシ ストレーキング筆」 模型作りが楽しくなる工具&マテリアルガイド(2月21日発売)
用途に特化した筆で作品のクオリティをアップ!
塗装後のスミ入れやウェザリングに特化した「ガイアブラシシリーズ」。ミリタリーモデルはもちろんキャラクターキットにも相性抜群!
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ストレーキング筆 1/4、1/2
●発売元/ガイアノーツ●各715円(1/4)、各880円(1/2)
アンギュラー ストレーキング筆 1/4、1/2
●発売元/ガイアノーツ●各715円(1/4)、各880円(1/2)
▲ ストレーキング筆は白くコシのある毛で、穂先が平たい平筆タイプが2サイズ、そして穂先がナナメになっているアンギュラーが2サイズの計4種ラインナップ。毛先が並んでいるように見えますが、くし状にいくつか隙間が空いています
▲ この筆がどういう効果を持つのか、実際に使ってみましょう。まずエナメル塗料をウェザリングしたいパーツに均一に塗布します。その後ストレーキング筆にはエナメル溶剤を浸み込ませ、ペーパータオルで余分を吸い取っておきます
▲ 溶剤でほんのり湿った筆で、生乾きの塗料を撫でるように擦ります。すると塗料が擦れるように伸び表面に残ります
▲ この雨だれのような汚れのことを“ストレーキ汚れ”と言います。筆先がくし状になっていることで、このような線状の筆跡を一度にたくさん残すことができます。汚れが流れ出たような、あるいは拭いきれずに線になったような表現になります
▲ また、直接塗料を擦りつけるドライブラシ作業にも適しています。筆についた塗料をしっかりと拭き取ってからパーツに擦りつけます。コシが強いくし状の穂先が、パーツ表面に程よくランダムな線を描いてくれます
▲ 軽く叩くように使うことで、塗装の剥がれを表現するチッピングの作業も可能です。こちらも穂先のランダムな隙間の効果で、細かい点のようなチッピングの表現を生み出しています
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▲ 白くコシのある毛で、穂先がかなり長めになっています
▲ 毛が長いため、塗料を多く含ませることができます。特にスミ入れ作業では塗料をより多く流し込むことができます。また先端が細いため、塗料が一気に流れ過ぎず、はみ出しにくいのでスミ入れ作業の効率を上げてくれるでしょう
▲ 前述のように塗料を含む量が多く筆にコシがあるため、先端をコントロールしやすく、細かな描写にも最適です。また長く湿っていることで、乾きづらく、細かく塗る作業も余裕をもって行うことができます
▲ 穂先が長いということは、塗料が根本の部分まで浸透しづらいという特徴もあります。根本に塗料が溜まって洗い落とせず、それが次の色に影響してしまう…といった悩みもなくなるでしょう
ガイアカラーを活用して塗装作業
How to use
▲ ガイアノーツの塗料を活用して塗装作業を行います。コトブキヤ「ヘキサギア 飛行ユニット ウッドペッカー」(4070円)にヘキサギアカラーを使用。ホワイト、バイオレット、フレームガンメタルでヒロイックな色合いに仕上げていきます
▲ スミ入れと部分塗装には「NAZCA」シリーズのエナメル塗料を使用。デントグレーでスミ入れ、ピンポイントシルバーで部分塗装をします。同じ塗料でウェザリングをする際は、先に施 したスミ入れや、部分塗装した箇所の塗料が溶け出さないように一度クリアーでコーティングをします。これには、ウェザリングの塗料を定着させやすくする効果もあります
▲ ウェザリング作業の開始です。まずはフィギュアの足元を汚していきます。サビや埃を表現するために、NAZCAエナメルカラーのシャドウブラウンを軽く塗布し、生乾きのところに溶剤で湿らせたストレーキング筆で擦ります。ぼやっとした 擦れた汚れになります。穂先の隙間のおかげで、どんなに掃いても一定量の色が残るのでちょうどよいウェザリングの表現が可能です
▲ 装甲部分には散らし気味にエナメルカラーを塗布してからストレーキ筆で撫でていきます。基本は重力方向やその機体の動く方向に汚れが流れていくので、筆を払う方向もそういったことを意識して動かしましょう
▲ 前方など汚しを強くしたい部分にはしっかりと塗料の色を載せてから、境界線をぼかすようにストレーキング筆で擦っていきます。ぼやけつつもしっかりと色は残るので、汚し表現も強くなります
▲ 最後に組み上げてから煤汚れを描きます。これもドライブラシの要領でティッシュなどで筆に含ませた塗料を最小限まで落としてからエッジなどをトントンと軽く叩いて完成です
▲ 装甲上部からのストレーキ汚れ、そして足元もしっかりウェザリングできました。やり方が分かればストレーキ汚れの表現も難しくはありません。模型の汚し表現を学ぶならこの技法はもってこいで、結構クセになる楽しさがあります
まとめ
ストレーキング筆はその名の通りストレーキ汚れをつけるための筆ですが、コシの強さを利用したハードなドライブラシのような使用方法もあります。また、スミ入れ筆もスミ入れ用と言いつつも穂先の含みの良さを生かした塗る作業にも向いた筆です。それぞれ名を冠した技法のほかにも汚し作業、塗装作業のメインとして使用できる性能を持つ筆と言ってよいでしょう。
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