■実践 肉抜き穴を埋める[エポパテ編]
プロモデラーの作例でもよく見る“肉抜き埋め”。エポパテによる埋め工作からスタートします。
▲ アオシマ ACKS 1/43 98式特型指揮車 2台セットに付属するガードロボの脚部を使って肉抜き穴を埋めてみましょう
▲ パテを混ぜ合わせる際は使い捨てのポリ手袋にリップクリームを塗ると、指にくっ付かなくて練りやすいです
▲ 一気に埋めず、少しずつパテをちぎって穴に詰めていくと中に空気が溜まらず肉抜きを埋められます
▲ パテが硬化したらデザインナイフで余分な部分を切り除き、紙ヤスリで表面をならせば、肉抜き穴埋めは完了です
■実践 肉抜き穴を埋める[ポリパテ編]
次はポリパテを使って同じようにガードロボの脚部の肉抜きを埋めてみましょう。
▲ よく混ぜたらヘラか爪楊枝で肉抜き穴にパテを詰めていきます。その際も空気が穴の中に溜まらないよう少しずつパテを詰めていきます
▲ パテが硬化したらデザインナイフで余分な部分を削り取ります。サクサク削れるので削り過ぎない程度に止めます
▲ 仕上げは紙ヤスリ(400 番~600 番程度)で。ポリパテは気泡が出やすいので削っていくうちに気泡が現れたら、パテで埋めてやりましょう
プラとの間に隙間ができたら…
エポパテで肉抜き穴を埋めたものをサーフェイサー吹きしてみました。するとプラとパテの間に先ほどは見えなかった隙間が…。特にエポパテはポリパテのようにパテの溶剤でプラを溶かして食い付く特性を持たないため、プラとしっかり密着しないことがあります。こういった際はラッカーパテを爪楊枝で適量分取り出し、隙間に擦り付けて埋めるとよいでしょう。しっかりラッカーパテが乾いたら紙ヤスリで表面をならし、もう一度サーフェイサーを吹けば、ほぼ隙間は消えてくれるはずです。
■実践(応用編) エポパテでハンドをスクラッチしてみよう
粘土状のエポパテの特性を活用して、ハンドパーツを新規で作り出してみましょう。モチーフにするの は、劇場版『機動警察パトレイバー2 the Movie』に登場した、リアクティブアーマー装備のイングラムの腕です。ラバーで覆われたマニピュレーターの柔らかな表現はエポパテ造形には相性抜群です。
▲ アオシマ ACKS 1/43 イングラム1号機のハンドをリアクティブアーマー仕様にしてみましょう。まず、前腕への接続を活かしたいので、キットのハンドを切り詰めます
▲ まずは指で親指とそれ以外の指を形作ります。手袋をイメージして形を作るとよい感じで造形できます
▲ 次に人差し指から小指までの4本の指を切り分けます。鋭利なハサミでチョキンチョキンと切り分けるのが簡単です。昔ながらの飴細工の要領ですね
▲ そうこうしていうるちに少しずつパテが固くなって取り扱いやすくなってきます。ここでヘラや竹串などを使って切り分けた指や親指をさらに造形していきます
▲ パテが硬化したらデザインナイフでさらに細かい部分を削り込み、指の形をならしていきます
▲ デザインナイフでモールドを彫り、紙ヤスリで表面を整形したらほぼ完成です。このあとサーフェイサーを吹き付け表面の状態などを確認してさらに表面処理すれば、さらにリアルなハンドが完成します
▲ 上腕から前腕までも同様にカバーを造形し、ハンドを取り付けてみました。ハンドと前腕の隙間はこのあと、もう一度エポパテを盛って埋めてもよいでしょう。エポパテだとポリパテと異なり、盛りながら造形できるので、こういったラバーや布表現に非常に適したマテリアルであることが分かります
■『WXIII 機動警察パトレイバー』2号機
こちらはまったく同じ手法で仕上げた、MGイングラム2号機 リアクティブアーマー装備です。ベースは劇場版第3作『WXIII 機動警察パトレイバー』の2号機を使用。キットの腕、脚のフレームにまずエポキシパテ木部用を盛り、その上からウェーブ・エポキシパテ[軽量タイプ]を盛り、スパチュラやヘラでカバーのシワを造形していきました。胸部は、設定通りにキットの外装の上からエポパテを盛り、モールドをヘラで作り、硬化後にデザインナイフで細部を彫り込めば完成です。ポーズ固定にしたので関節周りの構造を考えずにでき、結構お手軽な作品となりました。
ⓒHEADGEAR ⓒ創通・サンライズ ⓒDMM GAMES/LEVEL-5 Inc. ⓒLEVEL-5 Inc.