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「RE/100 ガンイージ」を流用パーツで手軽にアレンジ製作[前編]【セイラマスオの気まぐれガンプラ製作記】

2022.04.20

気まぐれガンプラ製作記 月刊ホビージャパン2022年5月号(3月25日発売)

「RE/100 ガンイージ」を流用パーツで手軽にアレンジ製作[前編]【セイラマスオの気まぐれガンプラ製作記】

 個性的なテクニックで月刊ホビージャパンモデラーの中でも一線を画する存在のセイラマスオ。その代名詞である“マスオディテール”やオリジナルアレンジ、淡い塗装表現がどのような考えで行われているか気になりませんか? そんな知られざる“マスオ理論”に迫るのが本連載「セイラマスオの気まぐれガンプラ製作記」です。お題だけ決めて、あとは自由にいつも通り製作していく様子をゆるくお届け。今回から1/100スケール編に突入。RE/100ガンイージを題材に流用パーツを使用した模型オリジナルカスタマイズを解説します。

製作・解説/セイラマスオ

ウマく作るためのHow toじゃありません

 これから紹介していく私の製作法は、自分なりに上手い人のやり方を参考にしつつ、そこから手を抜いたり道具的な問題から妥協した結果たどり着いたものです。この方法が正解とかオススメとか言うつもりは毛頭なく、いい意味での“これくらい力を抜いてもいいんだ”と思ってもらえる機会になれば、くらいに考えています。


theme:流用パーツを使ったカスタマイズ[前編]
use kit:RE/100 ガンイージ


流用パーツを組み合わせて量産機をワンオフ機にカスタマイズ!

 他キットからパーツを流用するというとちょっと躊躇する向きもあるかとは思いますが、手軽さと組み合わせたときの楽しさはこのやり方ならではのものがあります。
 今回はアレンジベースとしては最適な量産型機体、RE/100ガンイージを使用して、劇中に登場しても違和感のないようなカスタム機として流用パーツで手軽に作ってみようと思います。

RE/100ガンイージ 正面 背面
▲ガンイージとしては初の1/100スケールプラキット(TV放送当時はガンブラスターとして発売)。MG V2アサルトバスターガンダム Ver.Kaと同時に展開され、組み立てやすさなど含めてRE/100というブランドとの相性がとてもよい

RE/100 ガンイージ

●発売元/BANDAI SPIRITS ホビーディビジョン クリエイション部●3850円、2018年12月発売●1/100、約15cm●プラキット


❶使用パーツを選定する

▲流用パーツは過去にパーツ取りでジャンク化したキットをパーツ状態にバラして、ある程度系統別にまとめて保管したものから使用します。写真は個性が少なくいろいろなケースで使いやすいものです
▲左の写真はパーツの主張が強く、元キットが類推できるもの。右の写真はキットをパーツごとにバラす前の段階で分けているものです
▲バーニアやハンド、武器といった使い方のはっきりしたものを分けておくと、必要なときにすぐ取り出せます
▲今回はキットで気になるところを直接手は入れずに流用パーツで補正していきます。例えば気になった肩の位置の低さを、手間な加工はせずに肩アーマー上部にパーツを追加することで簡単に済ませたりといった具合です

❷背面ユニットの製作

▲本体とは別に背面に別ユニットの武装を流用パーツで捏造しますw
▲背負わせるとこんな感じです。世界観を意識してガンブラスターにシルエットを寄せることで何となくありそうな雰囲気に
▲射撃体勢は上方へ回すスタイル。こちらの状態はVダッシュガンダムのオーバーハング・キャノンっぽい感じになるように
▲こういう可動をさせたいときに使えるのが、腕や脚の関節丸ごとのパーツ。今回はHGガンダムバルバトスの脚部を丸ごとアームとして使用しました
▲武装はこの年代の感じで、ただの筒っぽいものではなく曲面を多用したデザインのものを意識して多数のパーツで構成しています
▲ビーム砲や本体のスネ横追加パーツは1/144セイバーガンダムから流用。低価格のコレクションシリーズのキットは流用パーツ作例の強い味方です

❸首の調整

▲本体側には手をつけないつもりでしたがちょっと気になったので少しだけアゴを引けるように首とアゴ裏を削りました

❹自作パテの活用法

▲背面ユニットの中央部は流用したHGラゴゥの部分が丸見えなので、1/100ガンダムバルバトス(第5形態)の胸部アーマーで覆いたいのですが、上部アーム部分との接着は接着代(シロ)が少なく工夫が必要となります
▲こういうとき普通ならパテで隙間を埋めてしっかり固定するところでしょうが、私はパテを持っていないので(笑)代わりの方法をご紹介。パテの自作ですw
▲容器に入っているのはプラをヤスったときに出る削りカス! ある程度色ごとに分けて保管しています

▲ガムテープを貼ったプレートをテーブルとして、まずそこに粘度のある接着剤を適量置いてその上にプラの削りカスを投入します

▲グリグリ混ぜたら自作パテのでき上がり! 今回は隙間埋めという用途から手で持てるくらい固めのダンゴ状にしました(削りカスの量で粘度を調整できます)
▲まずはバルバトスの胸部アーマーの裏側にかさ増しのためランナータグを重ねて貼り付けます
▲接着するラゴゥのアーム側に自作のパテ団子を接着剤を塗って乗せます

▲パテ団子を押しつぶす要領でパーツを貼り合わせたら、自作パテが隙間を埋めてくれてしっかり接着できました。このくらいのケースならこの方法で充分対応できます(固まるのに時間がかかるので瞬間接着剤を混ぜることもあります)

▲スネ横のセイバーの脚部追加パーツも接着がしづらい箇所。まずはスネ横を厚みのあるパーツで底上げします
▲そこに先ほどと同様に自作パテ団子を盛って…
▲ムギュっと貼り付けてしっかり固定できました
▲この時点では前後に隙間が多くて大変そうですが、それはまたあとの苦労ということでw

❺細部を調整していく

▲肩アーマー上部の流用パーツは干渉する箇所を軽く削っただけでぽん乗せOKです
▲腰サイド・アーマーにも流用パーツ(持ち主不明)を貼り付け。腰高なキットのプロポーションの調整を考えて目一杯下のほうに下げて設置します
▲流用パーツの貼り付けがひと通り終わりました。パーツを貼り付けていっただけの簡単加工ですが、カスタム機感が出てきました
▲さらに腰サイド・アーマーに流用パーツを追加します
▲ふくらはぎ下にも流用パーツを貼り付けます
▲肩アーマーはまず上部に流用パーツを追加してさらに正面にもパーツを追加。流用パーツを複数組み合わせるとパーツの出どころが分かりにくくなって、流用丸出し感をうまくごまかせますw

今回はここまで!

▲背面に追加したユニットからガンブラスターに近いシルエットになっているが、本体各所に追加したパーツでパーソナルカスタマイズが施された機体のような印象を持たせることができた。ガンイージはガンダムに近いシャープな顔つきと、量産型MSのようなフラットなデザインを合わせ持つ機体ということで、“主人公メカではないけれどエースパイロット感を出す”といったところを狙っている

 これでほぼ流用パーツの設置は終了。キット本体はアゴの裏を削っただけで、あとはただただパーツを足していっただけの単純足し算モデリングw。背面ビーム砲のバルバトス脚部の動力パイプがメカニカルなアクセントになってイイ感じになりましたが、この辺は意図してやったというよりパーツ流用の過程で偶然できた形なので、こういうところはパーツ流用製作のおもしろいところですよね。

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©創通・サンライズ

セイラマスオ

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