必要不可欠な工具のメンテナンス!ニッパーと金属ヤスリのケア方法をご紹介
2022.04.12
メンテナンスと消耗のハナシ 月刊ホビージャパン2022年5月号(3月25日発売)
メンテナンスと消耗のハナシ
いくら頑丈そうな工具があったとしても、メンテナンスは必要です。ニッパーだったらカシメ部分に油をさしたりするとより快適に使えるわけです。筆は塗る部分の毛をケアすることで寿命が伸びます。
工具が無駄に消耗しないようにどうケアすべきか、もう一度確認してみましょう。
(解説/けんたろう)
▲ ここに取り出したのは1本のニッパー。何かがおかしいと思えば、開いていない。私が何をしたというのか。そう、何もしなかったのです。一切メンテナンスをしなかった結果、バネに負けない硬さになってしまったのです……
▲ 長期にわたってお世話になってきた削れるヤスリ。よく見ると、黒く斑点のようにサビが浮いています。これも一切メンテナンスをしなかった結果、サビが浮き出て、工具としての寿命が近づいてしまいました……。こうなってしまっては買い替えたほうがよいでしょう
▲ 現在では工具をケアするためのツールとして、メンテナンス用アイテムもいくつか発売されています。中でもニッパーはゴッドハンドの専用ツールがオススメです
ニッパー専用 メンテナンス油
●発売元/ゴッドハンド●1320円
▲ 中身は2本の防錆・潤滑油と、刃ブラシ、紙ウエス、そしてスタンドのセットです。これらを使ってニッパーを整備してみましょう
▲ まずは刃ブラシでニッパーから削りカスなどを除去します。地味にこれが可動部に入り動きが渋くなるので、刃と刃の間は常にキレイにしたいです
▲ 油のビンは倒れないようにスタンドに入れて安定させましょう。可動部にしっかり入り込むように、隙間を狙って塗ります
▲ ゆっくり何度か動かして可動部に油を浸透させたら、余分な油をウエスでぬぐいます。カシメの部分から油がちょっと出るぐらいがちょうどよいサインですね。これでメンテ完了です
▲ そしてじつはこのメンテナンス油、ヤスリの保管にも力を発揮します。油には防錆の効果もあるので、ヤスリもサビないようにメンテナンスしましょう
▲ 刃ブラシで削りカスを除去したあと、油を表面に塗ります。こちらは薄く塗れればよいので、ビンのフチで油をあらかた落としてから塗ります
▲ 最後は紙ウエスで拭き取ります。表面に薄く油を塗布することで膜をつくり、酸化つまりサビを防止するわけですね。こってり塗ると使ったときに油をプラスチックに移してしまうので、最低限の油で大丈夫です
メンテナンスはツールを長持ちさせる行為であると同時に、愛情をもってツールに触れることでもあります。あらゆる趣味にメンテナンスは付きもの。模型製作のモチベーションを上げる時間として楽しみたいものですね。
そして……
メンテナンスを頑張ると工具の寿命は伸びますが、刃こぼれなどはそうそう防げるものではありません。やはり使えば使うほど刃などがゆるやかに消耗していきます。明らかに切れ味が落ちた、削れる量が減った、というまで使ったら、また新しいツールを買いましょう。
▲ おろしたてのニッパーは刃がまっすぐで、端の部分が1本ギラッと光っています。全体的にシャープで、黒くギラギラしていますね
▲ だいぶ使ったニッパーです。まだまだ使えるクオリティではありますが、先端付近は欠け、刃の端にある光もとぎれとぎれです