虹色に輝く超硬合金の切れ味“斬技”シリーズ!!
「斬技シリーズ」のスジ彫りカーバイトは、超硬合金のスジ彫り用工具です。超硬合金とはタングステンカーバイトを主成分とした合金で、非常に硬く耐摩耗性も高いので切削工具の材質として非常に優秀です。それに加え「スジ彫りカーバイト」は先端のサイズも豊富で、さまざまな太さのスジ彫りに対応しています。そんなスジ彫りカーバイトを使って、パーツ表面の情報量を増やし、模型の完成度を大きく高めていきましょう。
Impression
▲ ラインナップは、先端の太さが0.05mmから1.5mmの全13種。サイズごとに寸法表示のシールと色の違うリングが装着されていて、一目でサイズを見分けられます。素材は超硬合金(タングステンカーバイト)が使用されており、切れ味と耐久性は折り紙付き。刃先は平刃型で、どのような深さに彫っても溝は均一な幅の凹の字となります
▲ スジ彫りカーバイトは専用のホルダー(左が斬技ホルダー:2420円、右が斬技ホルダースリム:1760円)か、軸径3.2mmまで装着可能なピンバイスに装着して使用します。持ち手にする軸の選択肢も多いので、自分に合ったものを選びましょう (斬技ホルダー)(斬技ホルダースリム)
▲ 使用頻度の高い0.15mmの刃と斬技ホルダーに、保護ケース、磨き・ケバ立ち取りのブラシがセットになったスターターセットが2種ラインナップされているので、初めての人はここから入るのがオススメです
How to use
▲ まずはプラ板に直線を彫ってみます。寸法表示シールが上を向くように握り、なるべくグリップを立てて力を入れずに一定の速度で手前に引きます。平らな面を彫る際には、ガイドとして金属製の定規を用意しましょう
▲ 彫る面に対して刃を垂直に当てて(左右に傾かないように)作業しましょう。また、スジ彫りカーバイトは硬度が高い代わりに粘りがないため、作業中にねじったり無理に彫る方向を変えると折れてしまう場合があります。細い刃は特に注意しましょう
▲ 何度も彫り重ねて徐々に溝を深くしていきます。カンナ掛けのように、削りカスがスッと1本につながるのがきれいに彫れているサイン!一定の力で適切に作業でき ている目安となります
▲ 左から0.1mm、0.25mm、0.5mm、1.2mmで彫った結果です。刃の硬さを活かし“軽い力で引く”を繰り返すだけで、縁もシャープな凹字の溝を彫ることができます
▲ 1.2mmの溝を拡大して見てみると、底面も滑らかな仕上がりになっていることがわかります
スジ彫り実践編!
ここからは、スジ彫りカーバイトを使ってPLUM「プラアクト01:伊達」(3850円)をディテールアップしてみます。
How to use
▲ まずは面が広い部分やパーツの縁を中心に、スジ彫りの構想を鉛筆で下描きします。全体のバランスをチェックしながら作業しましょう
▲ 下描きの線にスジ彫り用のガイドテープを当てて、彫っていきます。スジ彫りカーバイトの鋭角な刃先は、入り組んだパーツの奥に入り込んで彫り始めることができるのもポイント
▲ 力を入れずに何度も引いて彫りますが、刃先が削りカスを噛んで仕上がりが荒れることがあるので、適宜スターターセットにも含まれている「磨き・ケバ立ち取りブラシ」(単品は2本入りで880円)などを使って、キットに残った削りカスを取り除いておきましょう( 磨き・ケバ立ち取りブラシ )
▲ シンプルな面構成だったパーツの情報量をぐっと上げることができました。彫る場所ごとに溝の太さを変えれば、さらに情報量を増やすことができるでしょう
▲ 曲面はガイドを当てるのが難しいため、下描きの線を超硬けがきニードルなどでなぞり、うっすらとガイドになる溝を作ってから彫り始めます。刃先がブレないよう、平面を彫る場合よりもさらに弱い力で何度もなぞるのがコツです
スクレーパーも超硬で捗る!
超硬合金を素材にした工具としてもうひとつ紹介するのは、バリやパーティングラインを楽々削り取る切れ味とどんな隙間にも入れられる先端の細さが特徴の「超硬スクレーパー」と、一回り太くしてより剛性を増した「超硬スクレーパー タフ」です。
▲ 複雑なパーツや奥まった部分の処理に力を発揮する超硬スクレーパー(左)と、太くなった分強度が増し、広い面も力強く処 理できるようになった超硬スクレーパー タフ(右)。軸径も異なり、超硬スクレーパーは2.34mmでタフは3.175mm
▲ タフは軸の形状がスジ彫りカーバイトと共通の規格になって いるので、斬技ホルダーや保護ケースにも対応
▲ ゲートやバリは、刃の“面”をパーツに当てて削り落とします。ペタッと面を付けることで削る部分をえぐらないようにするのがポイント。広い面を処理したい場合も同様です。パーティングラインを処理する際は、刃の“頂点”を当て、軽くスライドさせます。一度で削り落とそうとせず、数度のスライドで徐々に平坦にしていきます
▲ タフは先端の三角刃でV字の溝を彫ることもできます。写真のように一体化されているパーツの谷部分を削ることで、別パーツのように見せる加工ができます
驚異の0.05mm幅、上級者向けカーバイト
Impression
▲ スジ彫りカーバイトのラインナップの中でも上級者向けなのが、新しく追加された0.05mm幅タイプ(パッケージにも「上級者向け」と記載されています)。0.1mm幅、0.15mm幅と比べるとこの通り
▲ 硬い超硬金属製とはいえ、0.05mmの刃はとても薄く繊細なので、彫る作業の時だけではなく保管する際も扱いには注意しましょう
▲ 0.1mm以上のスジ彫りカーバイトであれば、ガイドは金属定規で問題ありませんが、0.05mmでは硬いもの同士が擦れ合って破損してしまうのが怖いためガイドテープを使用しましょう
▲ 持ち手には決して力をかけず、刃先で撫でるように何回にも分けて削っていきます。切削力は抜群なのでガイドに沿って撫でているだけで溝ができます
▲ ただの線に見えるほど細いスジ彫りになります。航空機のパネルラインの彫り直しなどに最適なのではないでしょうか。
幅を使い分けて複雑なスジ彫りを実践!
スケールキットのモールドは、実機で動く部分は太めに、しっかり固定されているパネルの境目は細めにといった具合に、大小さまざまな線で構成されています。スジ彫りでも同様に強弱をつけて、スジ彫りの太さそれぞれに意味のある表現をしてみます。
▲ 0.2mm幅、0.15mm幅、0.05mm幅を使用してパネルラインを表現してみます。スジ彫り同士を交差させる場合に、細い線に太い線を重ねるより太い線に細い線を重ねる方がより精密な線を描けるので、太い線から順番に彫るとよいでしょう。切り出したプラ板にまずは基準となる0.2mmの線を彫ります
▲ 二重線になるようにその隣に0.15mm幅でスジ彫りし、線を複雑にします
▲ 最後に0.05mmで彫り込み、細かな模様になるようにスジ彫りを入れます。スジ彫り同士が交差する始点、終点は刃が溝に引っかかりやすいので慎重に
▲ スジ彫りが終わったら表面をヤスリがけし、スジ彫りの際に盛り上がった表面を均します。その後、溝に入り込んでいる削りカスを筆で取り除きます。0.05mm幅で彫った細い溝のカスもしっかり取り除きましょう
▲ スジ彫りの完成。スミ入れしない状態でも0.05mmの細い溝もしっかりと主張しているパネルラインになりました
▲ 仕上がったスジ彫りの太さの違いをもっとはっきり見るためスミ入れします。しっかり溝が彫れているので塗料がよく流れ込みます。塗料が乾いたら拭き取ります
▲ スミ入れすると線の太さがよりはっきりします。スケールキットなどではスケールが小さくなればなるほどモールドが繊細になるので、そこに対応できるスジ彫り専用の工具は非常に強い武器になります
頼れる性能だからこそ
取り扱いは慎重に!
0.05mm幅のスジ彫りカーバイトの先端は上級者向けと書かれているとおり非常に細く、使い方を間違えてしまうと新品でも簡単に折れます(筆者は1本折っています)。力のかけすぎには要注意です!
まとめ
「斬技シリーズ」はとにかく切れ味がよいので、スジ彫りやバリ取りといった作業を効率よく行うことができます。ただし、超硬金属の硬さだけに頼った使用方法ではその長所を活かしきれず、力の入り過ぎでスジ彫りの線が乱れたり、スクレーパーでキットを削り過ぎたり、工具自体を破損させてしまいます。使用する刃先に合わせて力の入れ方や刃の引き方をいろいろと試してからキットに使用するのがよいでしょう。一度その特性を掴んでノウハウを身に付けてしまえば、とても頼もしい相棒になるはずです。
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