エポパテとプラ板で自作パーツを作ってみよう!【お気楽ガンプラテクニック 2022】
2022.03.12
お気楽モデリング応用編 パテとプラ板のお気楽自作パーツ 月刊ホビージャパン2022年4月号(2月25日発売)
無いものは作ってしまおう!
ガンプラをいくつも製作していくうちに、パチ組み・素組みからステップアップしたくなるものです。オリジナルカラーやディテールアップ、他キットからの流用パーツの使用やミキシングと、どんどん自分だけの機体を作りたくなってしまうのは自然の流れですよね。でも、キット化されていない機体やオリジナル機を創るのって、とっても大変…と、思っていませんか? 私は以前から「無いものは作ってしまえばいい!」と、「お気楽自作パーツ」を造ってきました。
ここでは、エポパテとプラ板を使った「お気楽自作パーツ」をテーマに、その一例を解説します。
案ずるより産むがやすし。エポパテをコネコネしよう!
▲私が一番多用しているエポパテがこれ! 「ウェーブエポキシパテ[軽量グレータイプ]」です。伸びも良く造形のしやすさに切削性の良さと、私の造形にぴったりなのです。造形しながら水研ぎすることによりきれいな表面を再現できる他、グレーなので傷や凹みが判別しやすいのも嬉しいですね
▲100円ショップで入手した「シリコンヘラ」です。エポパテの表面に模様を入れたり整形するのにとても便利なアイテムです。シリコーン製なのでパテがくっつくことも無く、思い通りの造形を表現できますよ
▲それでは早速、エポパテでパーツ作りを始めましょう! 同量の主剤と硬化剤を取り出しコネコネ練ります。一応刺激性のものなので手袋の着用がオススメです。水を少し加えながら作業すると練りやすいですよ
▲硬化後にパーツのみを外して整形しやすくするために、貼り付ける側のパーツにマスキングテープを貼っておきます。水を付けながら作業すると、硬化前でもベタベタくっつかずに整形することが出来ます
▲3時間ほどで完全硬化しますので、ペーパーやヤスリで大まかに形状に整えていきます。ここまで硬化すれば、彫刻刀などで容易に削ることができるようになります
▲大まかな形が整ったところで、パーツからマスキングテープを剥がすためにシールはがし剤を吹き付けて数分放置しておきます
▲シールはがし剤がマスキングテープの粘着質を溶解し、ポロンとマスキングテープごとパーツを外すことができるようになります
▲#240〜#400くらいの番手のヤスリで表面処理を行います。今回はバーニアを仕込むので、この時点でバーニアの基部パーツを接着しておきます
▲整形が完了してエポパテパーツをメインパーツに接着します。この面で作ったパーツなのでピッタリ装着できました。少し隙間があるようでしたら、少量のエポパテを薄く伸ばして「合わせ目消し」を行いましょう
▲水性ホビーカラーで塗装します。塗料の食いつき性なども特に気にする必要はありません。ハセガワの曲面追従シート「フィニッシュ」シリーズを細く切り出し、ラインデカール代わりにしました
▲市販の水転写デカールを貼って。乾燥後にプレミアムトップコート つや消しを吹き付ければ、エポパテによる「改造」の完成です。今回は、「高機動試験型ザク」っぽい脚部スカートを作ってみました
プラ板工作にチャレンジ
▲1/10、1/100mm単位の精巧なプラ板工作は本当に難しいと思いますが、私の場合、プラ板工作もお気楽なのです。その工程を説明しながら進めていきますね。最初に設計図(超手書きのいい加減なもの)に準じて基部になるパーツを大胆に切断します
▲設計図を基に形状を厚紙に書き写し、厚紙を切り出します。型紙ですね。いったん厚紙で箱型のパーツを試作・調整し厚紙パーツの形状を調整します
▲厚紙パーツの形状が定まれば、厚紙をベースに0.5mmプラ板を切り出していきます。こんな感じでプラ板パーツの完成です。後は組み立てていくのですが…
▲接着剤でプラ板を接着するだけではとても脆いパーツになってしまいます。強度を保つために接着面の内側にエポパテを詰め込んで補強します
▲エポパテの硬化が待ちきれないので、エポパテを詰め込んだ箇所に、低粘度の瞬間接着剤を流し込み。プライマーで速攻硬化させて次の工程に移ります
▲どんどんプラ板パーツで箱組みしていきます。「フタ」をする場合は、隙間ができないように、はみでるくらいのエポパテを接合部に詰め込んでおきます
▲と、いうことで大まかな形状が出来ましたので、後は角部分や基部パーツとの接合部分をヤスリがけで整えていきます。裏側から見たところも狙い通りの曲線になりました
▲サーフェイサーを吹き付けて表面&合わせ目チェック。後付けパーツを仮組みしてイメージを固めます
▲サイドに配置されるバーニアにカバーを作ります。これまた適当にプラ板を切り出して箱状にしたもの。こんなときに役立つのがガイアノーツの「瞬間カラーパテ」。硬化時間が長く粘度も高いので、私はパテ代わりに使うこともあります
▲ここまでくればもう完成間近ですね。各種バーニアをガンダムマーカーメッキシルバーで塗って乾燥待ち
▲あとはおなじみの「お気楽汚し」で高機動タイプのランドセルの完成です
▲パーツの「肉抜き」もエポパテで埋めてしまいましょう!「肉抜き」部分にエポパテを詰め込み、一時間ほど放置した状態で「造形」。「肉抜き」部分は自分で造形する必要があるので、これもある意味「自作パーツ」なのです♪
▲エポパテが硬化したら、あとは形状出しをしながらのヤスリがけ。肉の盛り方や形状が足りない部分は、再度エポパテを盛って削り出し!
▲︎黒いパーツが元の状態で、白いパーツが肉盛り後にサーフェイサー&削り出し整形したものです。塗装するにはもう少し表面処理が必要ですね
自作パーツや改造って、なんだかとっても高度でハードルの高いものってイメージはありませんでしたか? いかがでしょう? この記事を読んでいただければ、「自分にもできそう!」って思っていただけたのではないでしょうか? 記事内でも触れましたが、1/10や1/100mm単位の精巧なパーツ造りは本当に難しいのですが、多少のズレなんて気にせず、まずはとにかくイメージをカタチにしていく、「自分が創りたいものを造ってみる!」が、大切なのではないでしょうか?
©創通・サンライズ
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